2013年01月29日

ビブリア古書堂の事件手帖 第4話

「鍵のかかった部屋から盗まれた本」2013年2月4日

 篠川栞子(剛力彩芽)は、客の自宅に出張して本を買い取る「宅買い」に五浦大輔(AKIRA)を連れて行く。訪ねたのは「玉岡」という邸宅で、依頼者の玉岡聡子(森口瑤子)は、3ヵ月前に亡くなった父親の蔵書を処分して欲しいという。

 蔵書は主に純文学や詩集で、なかには中原中也の『在りし日の歌』の初版本など貴重なものもあり、栞子は心躍らす。聡子は栞子に、買い取りとともに、昨日この書斎から盗まれた宮沢賢治の『春と修羅』の初版本を取り戻して欲しいと依頼。父親は『春と修羅』の初版本を二冊持っていたが、状態の良くない方が盗まれたという。

 聡子がその消失に気づいたのは、昨夜、邸宅に来た兄・一郎(大河内浩)と姉・小百合(峯村リエ)が帰宅した直後だった。ふたりの来訪の直前まで『春と修羅』の存在を確認していた聡子は、遺産のことで文句を言いに来た兄か姉が盗ったと確信、その後電話で問い詰めたが、どちらも犯行を否定しているという。

 その頃、志田肇(高橋克実)は酔った勢いで仕入れた古書すべてを1000円で売ってしまうという大失敗をし落ち込んでいた。誰に売ったのか記憶がないなか、地図を広げ行動をたどる志田。そこへ、篠川文也(ジェシー)が笠井菊哉(田中圭)を連れて来る。志田の額に押された星形のスタンプにぴんと来た笠井は、志田を中古ゲームショップに連れて行く。そこから足取りが逆算でき、本を売った人物までたどり着いた。

 同じ頃、一郎に事情を聞いた栞子と大輔は、小百合と甘味処で待ち合わせた。しかしやって来たのは、息子・昴(今井悠貴)だった。仕事で遅れる小百合に頼まれて来たという昴は、栞子と大輔を自宅へと案内する。何があったのか、と聞く昴に大輔は、宮沢賢治の初版本が盗まれたと明かした。昴は、祖父が生きている頃は、自分も書斎に遊びに行った、と話した。やがて、帰ってきた小百合は改めて無実を訴えた。

 小百合の自宅からの帰り道、栞子と大輔は、志田と鉢合わせる。志田が本を売ったのが聡子だと判明、これから自宅を訪ねるところだという。栞子と大輔も志田に同行、事情を聞いた聡子は、志田が売った本を返した。するとそのなかの一冊に栞子の目が留まった。

 「ビブリア古書堂」に戻った栞子と大輔は、昴を呼び出すと、『春と修羅』を盗んだのは昴だろうと言った。自宅を訪問したときから不審な点があったが、決定的だったのは池波正太郎の『錯乱』が書斎にあるのを知っていたことだ。『錯乱』は、聡子が志田から買った本、つまり、一昨日以降に書斎に入らなければ、存在を知りようがない本なのだ。そこを指摘された昴は犯行を認めたが、本を持ち出したのは売買から『春と修羅』を守るためだと言った。それは昴にとって大事な一冊で、祖父から本のなかに秘密があるとも聞いていた。「テナルデイ軍曹に気をつけろ」という謎解きのヒントを与えられていたが、結局、謎は解けなかった、と昴は話した。栞子は、昴の部屋に飾られた鶴岡八幡宮が描かれた絵について聞く。絵は、祖父の葬儀の日に聡子から渡されたもので、聡子曰く、昴が生まれた年に祖父が描いたもので、褒美として託されていたという。

 翌日、聡子が『春と修羅』を取りに「ビブリア古書堂」にやってくる。しかし、栞子はこの本は渡せないと言った。驚く聡子に、この汚れた本は宮沢賢治自身が書き込みをした「手入れ本」で、もう一冊のきれいな初版本よりもはるかに希少価値が高いのだ、と説明。さらに、祖父はこの本を昴に遺したのではないか、とも話した。聡子が昴に与えた絵には、鶴岡八幡宮の背景にあるべき大銀杏がなかった、大銀杏が強風で倒れたのは2010年のことだから明かに昴が生まれた後に描かれたことになると言い、本物の褒美は、『春と修羅』だったのではないか、と聞いた。また、「テナルデイ軍曹」は、「人から金品を奪う泥棒」として『春と修羅』にも出てくる人物で、つまり、祖父は聡子がテナルデイのように昴から本を奪うことを予見していたのだろう、と言う。それでも、本を聡子に託したのは、そうすることで不仲だった昴と交流する機会を持たせようとしたのではないか、と話し、大輔が何も言えない聡子に本を手渡した。

 そんな日の夜、閉店準備をしていた栞子は、もし自分が困ったときには助けてくれるか、と大輔に聞いた。例えばの話だが、と言いつつも、その様子を物陰から見つめる人物がいて…。

第1話 2013年1月14日「偽のサインと古書に秘められた謎」
第2話 2013年1月21日「なぜ犯人は一冊だけ本を盗んだのか」
第3話 2013年1月28日「本日のお客様は脱走犯!?」
第5話 2013年2月11日「今回は、結末が2つです」

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