「ビブリア古書堂」の店主・篠川栞子(剛力彩芽)のもとに、古書の査定をしてほしいと五浦大輔(AKIRA)がやってくる。大輔が持ち込んだのは、亡くなった祖母・絹子(赤座美代子)の蔵書『夏目漱石全集』全三十四巻で、その『第八巻 それから』に「夏目漱石」、人物は不明だが「田中嘉雄様へ」と署名があったため、サインが本物なら高く売れるのでは、と期待した母・恵理(松坂慶子)から頼まれたものだった。
本を手にじっと考え込んだ栞子は、やがてサインは偽物だと言った。長く待たされしびれを切らした大輔は礼を言い立ち去ろうとするが、栞子はサインを書いたのは祖母自身としか考えられない、と話す。唐突な話に、証拠はあるのかと尋ねた大輔に、栞子は祖母にまつわる驚くべき推論を展開していく。
プライバシーに関わるが、と前置きした上で栞子が話したのは、絹子は事前に持っていた『第八巻 それから』を隠すために『夏目漱石全集』三十四巻を買い求め、その後、重複した第八巻を処分したのだろう、と言うことだった。さらに、「夏目漱石」のサインを偽装したのも、あらかじめ書かれていた「田中嘉雄」を隠すためだった、と。「田中嘉雄」は絹子に本を贈った人物で絹子の大事な人だったのだろう、と言う栞子は、大輔という名前を付けたのは絹子だったか、また絹子が結婚したのは1962年より前か後か、と聞いた。
後日、大輔が「ビブリア古書堂」を訪ねると、そこに栞子の弟・文也(ジェシー)がいた。大輔はやがて現れた栞子に、恵理に確認した結果、自分の名付け親は絹子で結婚は1959年だったこと、しかも密かに好きな人がいたことがわかったと話した。本を見ただけでなぜそこまでわかるのか、と興奮気味の大輔に、栞子は困惑し言葉を濁す。
その後、失業中のためハローワークに行った大輔は、相談員(内田篤人)から体格だけで警備員の仕事を勧められたことに気落ちする。その足で行きつけの甘味処に立ち寄ると、店主・藤波明生(鈴木浩介)と店員・横田奈津実(北川弘美)が声をかけてきた。いっそのこと、ここに就職させてほしいと頼む大輔に藤波は、新入りのアルバイト・佐々木亜弥(トリンドル玲奈)を紹介する。そこへ、別のアルバイト・橋本さやか(内藤理沙)があんみつが出来たと告げる。その行方に興味をもった大輔があんみつを目で追うと、その先に栞子がいた。栞子は古書を買い付けた帰りだった。
大輔は、栞子を手伝い大量の古書を「ビブリア古書堂」まで運んでやる。荷ほどきが終わり積み上がった古書を眺めた大輔は、自分は本を読むと気分が悪くなる体質だと明かした。やがて、栞子が言っていた1962年には何があったのか、と聞くが答えは得られない。
自宅に戻った大輔は、絹子の葬儀のときに撮られた写真を眺めていた。親類の中で自分と恵理だけが長身であとはみんな背が低い、と感想をもらした大輔に、恵理が思い出したように、見慣れない老人で背の高い人が葬儀に来ていたと言った。何かを感じた大輔は、葬儀の芳名帳をめくり、そこに「田中嘉雄」という名前を見つけた。さらに書かれていた「文京区春日二丁目」という住所を訪ねるが、本人に会うことはできなかった。
後日、栞子を訪ねた大輔は、すべてを話して欲しいと頼んだ。意を決した栞子は、主人公が人妻と恋に落ちる『それから』という物語は、「田中嘉雄」の願望そのもので、絹子へのラブレターだったのだろうと言った。さらに、値札から『漱石全集』を購入したのが栞子の祖父が営んでいた頃の「ビブリア古書堂」だとわかり、そうすると購入年は1962年、絹子が結婚したのが1959年のことだから、「田中嘉雄」と絹子は不倫関係にあったと推測できるという。しかも、『それから』の主人公が「代助(だいすけ)」だということ、大輔が訪ねた「文京区春日二丁目」が小説の舞台になった場所であることも教えられた。自分と恵理だけが背が高かったのは偶然じゃなかったのだ、と大輔はしみじみと言った。
出生の秘密を知るもどこかすっきりした大輔は栞子に礼を言い、店を後にしようとした。すると栞子は大輔にこの店で働いてみないか、と言った。自分は本が読めないのだ、と驚く大輔に古書店の人間に必要なのは、本の内容ではなく市場価値の知識だと説く栞子。迷いながらも大輔は、その申し出を受けることにした。
後日、大輔が「ビブリア古書堂」にいると、志田肇(高橋克実)がやってきた。ふてぶてしい態度で「栞子は?」と聞いた志田は、奥から現れた栞子に小山清の『落穂拾ひ』が盗まれたと言った。それを聞いた栞子は…。
第2話 2013年1月21日「なぜ犯人は一冊だけ本を盗んだのか」
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早く次みたいです。