概要
鈴木京香の主演で、湊かなえの人気ミステリー小説「夜行観覧車」をドラマ化。高級住宅街のエリート一家で起きた殺人事件を3世帯の家族を中心に描いたサスペンス。ドラマは、事件を通して3つの家族の悩みを浮き彫りにし、家族の絆や生きる意味を問いかける。原作には描かれなかった事件前、事件後も描き、新たな息吹を吹き込む。
キャッチコピーは、「もう、戻れない。」
原作
『小説推理』に2009年8月号から2010年3月号まで連載された後、2010年6月に双葉社から単行本が刊行され、2013年1月に文庫化された。
夜行観覧車(2010年6月 双葉社 / 2013年1月 双葉文庫)
ストーリー
坂の上にある高級住宅街「ひばりが丘」に念願のマイホームを建てた遠藤真弓(鈴木京香)だが、娘の家庭内暴力や帰宅しない夫、自治会婦人部長・小島さと子(夏木マリ)からのいじめなど悩みを抱える。そんな中、住宅街で殺人事件が発生する。事件が起きたのは、遠藤家ではなく、向かいの豪邸で幸せに暮らしていたエリート医師の高橋家だった。被害者は主人・弘幸(田中哲司)。弘幸の妻・淳子(石田ゆり子)が容疑者に浮上し、息子・慎司(中川大志)は事件直後に失踪してしまう。「ひばりが丘」に住む遠藤家、高橋家、小島家を中心にストーリーが展開し、事件の真相が描かれる。
キャスト
横浜市坂留区ひばりヶ丘
遠藤家
遠藤 真弓 - 鈴木京香
丘の上に一戸建ての家を持つことは現在の経済状況では無謀な決断だっだが、狭いマンション暮らしから脱却し、35年の住宅ローンを覚悟して昔から夢に見ていたひばりヶ丘に家を建てる。旧姓:中村。
2013年1月22日から4年前、日本最大級の観覧車・ハーバー・アイが未だ竣工されていないときに引っ越してくる。ひばりヶ丘婦人会の付き合いなどで家計のやりくりが苦しくなり、ベニースーパーでパートを始める。
遠藤 啓介 - 宮迫博之(雨上がり決死隊)
真弓の夫。ヤマベ工務店営業部第一課。社内で早期優遇退職を募っていることに一抹の不安を感じている。
高橋家の塗装工事を請け負ったときに弘幸と話している内に会社から独立する話題になり、資本金1000万円を融資しても良いと提案を受ける。
遠藤 彩花 - 杉咲花
真弓・啓介の娘。横浜市立浦浜小学校児童。目標にしていた清修学院中等部の入学試験に失敗する。受験に失敗後、公立の浦浜中学に入学し、仲良しの志保らと同じ学校に通えることを喜ぶ。
だが、慎司に興味を持った志保から彼の名前を聞かれたときに知らないと答えてしまい、仲良しグループから仲間はずれにされる原因を作ってしまう。
高橋家
高橋 淳子 - 石田ゆり子
弘幸の後妻。一般家庭の家に育ちひばりヶ丘とは無縁の生活を送っていたが、開業医の夫と結婚してから生活が一変する。
歳が近い友人がいないことを寂しく思っていた時に遠藤家が引っ越してきて、婦人部部長・小島から陰湿な嫌がらせを受けている真弓を助けたことで家族ぐるみの付き合いをするようになる。
高橋 弘幸 - 田中哲司
整形外科病院開業医。2013年1月22日、何者かに自宅で撲殺される。
高橋 良幸 - 安田章大(関ジャニ∞)(少年期:庄司龍成)
長男。弘幸と前妻との間に産まれる。京都大学医学部に合格し、実家から離れて一人暮らしを始める。
高橋 比奈子 - 宮ア香蓮
長女。清修学院高等部生徒。父親が撲殺された日に弟の試験勉強の妨げにならないよう配慮して、親友・歩美の家に泊まりに行っていた。
高橋 慎司 - 中川大志
次男。彩花と同い年。父親が撲殺された事件当夜、坂の下のコンビニで買い物してから行方が分からなくなる。清修学院中等部に入学後、学校の成績は散々だったが、1年ながらバスケットボール部のレギュラーに選ばれる。男性アイドルの高木俊介(演:中川大志)とよく似ている。
田中 晶子 - 堀内敬子
淳子の妹。パート先での真弓の同僚。
田中 浩次 - 榊英雄
晶子の夫。義兄が自宅で殺害されてから淳子や慎司が行方不明になっており、身内が殺人を犯したかもしれない状況で比奈子を預かることに難色を示している。
自治会婦人部
安藤 美千代 - 長谷川稀世
倉井 雅子 - 大崎由利子
春崎 修子 - 長野里美
月岡 朝子 - 津村純子
小島 さと子 - 夏木マリ
部長。遠藤家が引っ越してきたあくる日に大量のごみを出されて、迷惑を掛けられたことに根に持ち、嫌がらせを始める。何か嫌なことや問題が生じるとニューヨークに暮らす息子に電話して愚痴を零している。
横浜市立浦浜中学校
村田 志保 - 吉田里琴
小学生の時は彩花と仲が良かったが、中1の時にバスケットボールの試合で慎司に一目惚れをしたのを機に、慎司と仲のいい彩花を仲間はずれにしていじめていく。アイドルの高木俊介に憧れており、それによく似た慎司に熱を上げている。
佐伯 南 - 岡本夏美(おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!)
彩花の仲良しグループの一員だったが、志保のいじめに協力する。
堂島 陽佳 - 町田佳代
志保、南と共に彩花をいじめる。
小久保 - 春川恭亮
彩花たちの担任教師。
清修学院
鈴木 歩美 - 荒井萌
比奈子の親友。
林 ゆかり - 沢井遥 / 木下 里沙 - 普天間みさき
比奈子の同級生。
吉川 みどり - 大谷英子
比奈子の担任。
神奈川県坂留警察署
「ひばりヶ丘医師殺人事件」の捜査本部が設置されている。
藤川 亙 - 南圭介
結城の部下。
山村 - 春海四方
結城の同僚刑事。
結城 哲也 - 高橋克典
刑事部第一課第一係長 警部補。真弓の大学時代の同級生。妻と離婚し小学6年生になる息子とは5年も会っていない。
その他
野上 明里 - 滝裕可里
良幸の彼女。
小島 雅臣 - 小泉孝太郎
さと子の息子。母親から「マー君」と呼ばれる。赴任先のニューヨークから一時帰国し、日本に戻ってくるのは3月頃になると母親に話す。
妻・里奈が妊娠し、母と一緒に暮らす家では常に監視されているみたいで気が休まらないと、妻の実家で暮らすことにしたと断言する。
うえむら - AI(Special Thanks / 最終話)
真弓の同僚。
スタッフ
原作 - 湊かなえ『夜行観覧車』(双葉文庫)
脚本 - 奥寺佐渡子、清水友佳子
音楽 - 横山克
演出 - 塚原あゆ子、山本剛義、棚澤孝義
演出協力 - 塚原あゆ子
演出補 - 棚澤孝義、佐藤敦司
タイトルCG - 小林恵美
CG - 中村大輔
警察監修 - 伊藤鋼一
医療指導 - 浮山越史
メタルビーズ監修 - 倉橋潤子
ピアノ指導 - 丸山いづみ
ヴァイオリン指導 - 竹内いづみ
プロデュース - 新井順子
協力プロデュース - 橋本孝
プロデューサー補 - 高野英冶
製作 - TBS、ドリマックス
主題歌 - AI「VOICE」(EMIミュージック・ジャパン)
各話あらすじ(2013.1.18 - 2013.3.22)全10話 平均視聴率 11.55%
第1話 2013年1月18日「高級住宅街の殺人!渦巻く悪意…家族崩壊」 (初回15分拡大 22:00〜23:09)
ひばりケ丘に住む遠藤真弓(鈴木京香)は、向かいに住む高橋淳子(石田ゆり子)の家の前に救急車が止まっていることに気付く。真弓の夫・啓介(宮迫博之)は、青ざめた顔でドアののぞき穴からのぞいている。娘・彩花(杉咲花)は薄暗い荒れた部屋で、頭を抱え込むように丸まっている。夜の住宅街に救急車の音が響き渡る中、遠くから淳子の息子・慎司(中川大志)は、錯乱した淳子が家から出てくる様子を見詰めていた。そして近所には、ひばりケ丘自治会婦人部の部長・小島さと子(夏木マリ)が住んでいる。事件を担当する刑事・結城(高橋克典)は、聞き込みを始めるが、ひばりケ丘全体にえたいの知れない違和感を覚える。
第2話 2013年1月25日「美しい街に隠された秘密…謎の失踪」
2013年1月22日、事件当日。刑事の結城(高橋克典)が、殺害された高橋(田中哲司)の娘・比奈子(宮崎香蓮)に話を聞きにやって来た。その日、友達の家に泊まりに行っていた比奈子は、弟・慎司(中川大志)の行方が、事件を境に分からなくなっていることを知らされ、不安な気持ちが増す。そんな中、高橋の妻・淳子(石田ゆり子)は病院の診察台に横たわり、処置を受けながらぼんやりと宙を見詰めていた。そのころ、向かいに住む真弓(鈴木京香)は、日々繰り返される娘・彩花(杉咲花)の暴力に耐えるしかなかった。真弓の夫・遠藤(宮迫博之)は、今日も寝たふりをしている。真弓は、この事件が起きたのが自分の家族ではなく、高橋家で起きたことに違和感を抱いていた。2010年春。真弓は遠藤と一緒に、公立中学校の制服を着た彩花と入学式に楽しく向かっていた。彩花は、私立中学校の受験には失敗したが、小学校からの親友・志保(吉田里琴)たちと、また一緒に学園生活を送れることに胸を膨らませていた。しかし、志保たちの接し方の変化に彩花は気が付くが、真弓は気付かないでいた。
第3話 2013年2月1日「狂い始める家族の歯車…逃亡する母子」
事件当日朝、高橋家の面々が朝食を取っていると、中学校最後のバスケットボールの試合がある慎司(中川大志)は、朝食にほとんど手を付けずに、元気なく席を立った。部屋に戻った慎司は、自分のスポーツバッグがないことに気付く。部屋中を必死に捜し、ごみ収集所のごみの中をも捜す。すると、そんな慎司の元にさと子(夏木マリ)がごみ袋を持って近づいてきた。そのごみ袋を見た慎司は、血の引いたような顔になる。一方、遠藤家では、朝から彩花(杉咲花)が母・真弓(鈴木京香)に暴言を浴びせていた。彩花は、学校での休み時間に、慎司のことが好きな同級生の志保(吉田里琴)から、バスケの試合後に、志保と慎司の仲を取り持てと強要される。放課後、試合会場に彩花らは向かうが、会場に慎司はいなかった。不機嫌になった志保は、なぜいなかったのかを慎司本人に聞けと、彩花に強いる。一人重い足取りで家路に向かう彩花は、通りの向こうに、慎司の姿を見掛ける。彩花は、慎司の後ろを少し離れて付いていくと、あてもない様子で歩いていた慎司が、ふいに振り返り、彩花に声を掛けてくる。
第4話 2013年2月8日「夫の秘密と嘘…兄妹たちの残酷な現実」
事件翌日、殺害された高橋(田中哲司)の妻・淳子(石田ゆり子)が、搬送された病院から行方をくらまし消息不明になり、事件直後に姿を消した次男・慎司(中川大志)の足取りも依然、つかめていなかった。また、京都在住の長男・良幸(安田章大)とも、まだ連絡が取れていなかった。だが結城(高橋克典)ら刑事は、消えた慎司、淳子の身柄が確保されれば、この事件の解決は長引かないと考えていた。しかし、高橋家の向かいに住む遠藤(宮迫博之)が、殺害された高橋から借金をしていたことが記された借用書が出てくる。遠藤の勤める工務店を訪れた結城が、彼に事件当時のアリバイと借金のことを確認すると、遠藤は動揺しながらも否定する。怪しんだ結城は、淳子が行方不明になったことを遠藤に告げ、その場を去る。そのころ、遠藤の妻・真弓(鈴木京香)は、さと子(夏木マリ)から、事件当時、遠藤が高橋家から出てくるところを目撃したと言われたことを思い出し、もやもやした気持ちを抱えながらパート先へ向かう。働いていると、休みだったパート仲間の晶子(堀内敬子)が車で現れる。真弓は、その助手席に高橋家の長女・比奈子(宮崎香蓮)が乗っていることに気付き、驚くが、比奈子が晶子のめいだったことを知り、力づけようと声を掛ける。
第5話 2013年2月15日「加速する悪意…暴走する娘と母の叫び」
事件3日後、高橋(田中哲司)殺害事件の捜査をしている刑事・結城(高橋克典)らは、ひばりケ丘を仕切っているさと子(夏木マリ)に話を聞きに訪れる。さと子は「大事な手掛かりを教える」と言い、事件のあった高橋家の向かいに住む遠藤(宮迫博之)が、事件直後、高橋家から出てきたのを目撃したと教える。事件後から失踪している高橋の妻・淳子(石田ゆり子)と遠藤につながりを感じる結城は、遠藤の張り込みを後輩の藤川(南圭介)に命じる。そのころ、関西で1人暮らしをしている高橋家の長男・良幸(安田章大)は、大学の研究室にこもっていたため、事件を一切知らないでいた。久しぶりに部屋に帰ってきた良幸は、部屋にいた恋人・明里(滝裕可里)から、置きっ放しにしていた携帯電話を見せられる。それには、良幸の妹・比奈子(宮崎香蓮)から、事件のことで不安な気持ちを伝えるメールが入っていた。
第6話 2013年2月22日「悲しい罪の告白…ついに、犯人逮捕!?」
真弓(鈴木京香)に逃亡中の淳子(石田ゆり子)から連絡があり、二人は高台の公園で待ち合わせをする。真弓は、淳子のやつれた表情に驚くが、事件の翌日、淳子が夫・遠藤(宮迫博之)と会っていたことを確認。淳子は、真弓を裏切ることはしていないと言うのみだった。一方、横浜に戻った良幸(安田章大)は、横たえられた高橋(田中哲司)の遺体に触れ、初めて父親の死を実感する。実家に帰ってきた良幸と妹・比奈子(宮崎香蓮)は、中傷ビラで覆われた、わが家を見て深く傷つく。そのころ、観覧車を眺めながら自転車を押している彩花(杉咲花)に、刑事・結城(高橋克典)が声を掛ける。結城は、観覧車を見上げながら、離婚した妻と、離れて暮らす息子のこと、また、彩花の母・真弓とは大学の同級生だったことを話し始める。
第7話 2013年3月1日「事件の夜夫が見たモノ…狂った母2人」
刑事・結城(高橋克典)に追い詰められた淳子(石田ゆり子)は、自分が犯人だと自供を始める。しかし、動機も不明、凶器も見つからず、次男・慎司(中川大志)も行方不明のままだった。一方、帰宅した遠藤(宮迫博之)は、出迎えた妻・真弓(鈴木京香)と共に結城らがいることに気付く。結城は遠藤に事件当日のことを聞き始める。結城らが帰った後、極度の緊張が解けて放心状態になった遠藤は、真弓と言い合いになり、ひばりケ丘に家を建てるんじゃなかったと言って出ていってしまう。そんな中、良幸(安田章大)と比奈子(宮崎香蓮)は、ビジネスホテルで生活を始めた。比奈子は母・淳子が父・高橋(田中哲司)を殺害したという自供を認めないでいた。すると良幸は、3年前に慎司が誰にも言えずに苦しんでいた「ある事」を比奈子に話し始める。そのころ、自治会に参加した真弓は、ひばりケ丘全体を揺るがす、さと子(夏木マリ)の信じられない発言に動揺する。
第8話 2013年3月8日「殺された父の本性!?許し合えない親子」
真弓(鈴木京香)は、暴れる彩花(杉咲花)を突き倒して彼女の口をふさぐが、彩花は激しく抵抗する。さと子(夏木マリ)は、真弓が彩花に馬乗りになり、首を絞めているような姿を目撃する。一方、マスコミの目をかいくぐって、ひばりケ丘の自宅に戻った良幸(安田章大)と比奈子(宮崎香蓮)は、自室にうずくまる慎司(中川大志)を見つける。良幸にすがって泣きだす慎司は、警察に行く前にどうしても話しておきたいことがあると言い、父・高橋(田中哲司)と母・淳子(石田ゆり子)、そして自身だけが知っている衝撃的な出来事を話し始める。
第9話 2013年3月15日「最終章〜前編〜事件の夜の家族の悲劇」
事件7日後。警察署の廊下で慎司(中川大志)は刑事・結城(高橋克典)に、父・高橋(田中哲司)を殺害したのは自分だから、母・淳子(石田ゆり子)を帰してほしいと言いだす。その話を聞いた淳子は結城に、慎司に会わせてほしいと懇願する。慎司の兄・良幸(安田章大)と姉・比奈子(宮崎香蓮)は、慎司を引き取るために親戚の晶子(堀内敬子)の元に身を寄せることにしたが、晶子の夫から2、3日したら出ていってほしいと言われてしまう。そんな折、結城から電話があり、慎司本人の強い希望で、晶子の家ではなく児童養護施設に入ることになったと知らされる。良幸と比奈子が、真弓(鈴木京香)の車で施設にやって来たその時、結城が施設職員に慎司を託していた。慎司は、駆け寄る比奈子たちに気付くが、振り返らず、職員と共に屋内へ入っていく。同じころ、志保(吉田里琴)たちと下校する真弓の娘・彩花(杉咲花)は、志保にかばんを川に放り投げられる。志保が彩花に、そのかばんを取りに行けと命令すると、彩花はかばんをじっと見詰め、川へ入り始めていく。
最終話 2013年3月22日「犯人が語る事件の動機…家族の未来」
事件9日後。ひばりケ丘に報道陣を集めた良幸(安田章大)は、比奈子(宮崎香蓮)を引き連れ、事件と高橋家の秘密について語りだす。刑事の結城(高橋克典)に保護された良幸と比奈子は、慎司(中川大志)と再会するが、会うなり慎司は良幸につかみかかる。そして慎司は、今まで黙っていた事件の真相を話しだす。一方、良幸の会見のニュースを見ていた真弓(鈴木京香)、遠藤(宮迫博之)、彩花(杉咲花)が釈然としない思いでいる中、遠藤の携帯電話に着信がある。遠藤が玄関から出ていくと、通りには携帯電話を持った結城が立っていた。
各話視聴率
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(夜行観覧車 - Wikipedia)
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