毎回放送翌週の月曜0:40 - 1:09(日曜深夜)に同局で再放送される。
キャッチコピーは、「もし、偶然手にした宝くじが、2億円の当たりくじだったら…。」
概要
佐藤正午の小説『身の上話』を原作としたサスペンス仕立ての連続ドラマ。戸田恵梨香が演じる平凡な人生を送っていた主人公・ミチルが、あるとき2億円の宝くじの当たりくじを手にいれたことから、ミチル自身をはじめその周辺の人々の運命が狂いだす物語を、ミチルの夫と名乗る男が妻の身の上話を語るという形で描く。
本作はテレビマンユニオン所属の合津直枝が、演出・脚本・プロデュースを1人で手がけるという珍しい制作体制がとられている。放送は2013年であるが、撮影は前年2012年の10月から行われ、11月20日にクランクアップしており、長崎県、東京都、京都市で撮影が行われた。
ストーリー
地方の書店に勤める平凡な女・古川ミチル(戸田恵梨香)は、地元名士の息子・上林久太郎(柄本佑)と付き合いながらも、東京の出版社の営業マン・豊増一樹(新井浩文)と不倫関係になる。不倫相手を見送りに行くつもりが、東京までついてきてしまい、そのまま居つく。しかし、職場の仲間に頼まれて買った宝くじが2億円の当選券だと分かり、流転の人生が始まる。ドラマは「ミチルの夫」と名乗る謎の男(大森南朋)の語りで展開し、ミチルには予測不能な事件が次々と降りかかる。最後の最後で、驚愕の真実が明かされる。
出演
古川 ミチル - 戸田恵梨香(幼少期:堰沢結衣)
地元長崎にある広林堂書店で働く書店員。幼い頃に母と死別した以外は平凡な人生を歩み、進学を希望していたが、父の言いなりに書店に縁故採用され就職している。恋人の久太郎とは結婚を考える間柄だが、このまま彼と結婚するのは「何か違う」と思い、東京から来る豊増を退屈な世界から連れ出してくれる「王子様」のように思い、不倫の関係を持っている。
竹井 輝夫 - 高良健吾
ミチルより2歳年下の幼馴染で地元の後輩。沢田早苗の甥で東京の大学に進学する。ミチルからは男性として意識されておらず、ゲイだと思われているが、幼い頃からずっとミチルを想い続けている。
上林 久太郎 - 柄本佑
ミチルの彼氏。上林宝飾店の経営者を父親に持つ、苦労知らずの跡取り息子。人は良いが、誕生日のデートにファミレスを選ぶなどセンスがずれており、ミチルの内心の不満に気付かない。
高倉 恵利香 - 寺島咲
竹井の大学の後輩。ミチルとも親しくなる。自称・竹井の交際相手だが、久太郎殺害以来、竹井を恐れるようになる。
豊増 一樹 - 新井浩文
ミチルの不倫相手。光潤社書籍販売部主任。ミチルだけでなく、立石とも性的関係にある。派手な女性関係の一方でカラ出張などで会社の経費を使い込んでおり、ついには解雇され妻にも捨てられる。
ミチルの夫 / 語り - 大森南朋
バスの運転手。第9話終盤まで劇中には登場しない。境町バスターミナルでミチルに出会い、声をかける。本名は香月 憲剛(こうづき けんご、最終話のみ本名でクレジット)。前妻を殺害していた。
広林堂書店
初山 春子 - 安藤サクラ
ミチルの友人で同期入社。
立石 武子(タテブー) - 濱田マリ
ミチルの先輩社員。単行本担当者。
沢田 早苗 - 浅田美代子
ミチルの上司。店長代理。竹井のおばにあたり、独身のまま長い間、寝たきりの母(竹井の祖母)を介護し、最期を看取る。
ミチルの家族
古川 千秋 - 波瑠
ミチルの妹。美容専門学校に通う。姉の生き方は「風まかせ」に流されるままだと考え、早くから自立した道を目指している。
古川 志摩子 - 滝沢涼子
ミチルの義母。継徳の後妻。
ミチルの実母 - 鍵本景子
ミチルが幼い時に病気で死亡している。
古川 継徳 - 平田満
ミチルの父親。釣り船店ふるかわ丸を営んでいる。
その他
宝くじ売り場の女(長崎) - 大島蓉子
ミチルに宝くじを売った売り場の係員。
宝くじ売り場の女(東京) - 田島令子
ミチルが宝くじの当選を確認した売り場の係員。
しゃぶしゃぶ屋店員 - 蛍雪次朗
ミチルと一樹が食事に行ったしゃぶしゃぶ店の店員。
豊増 妙子 - 遊井亮子
一樹の妻。夫との間に子供が欲しいと真剣に考え、不妊治療に励んでいる。
山本 トキ子 - 堀杏子
宝くじを当てたミチルの担当者。銀行お客様サービス課行員。
書店主 - 春海四方
ミチルが東京でバイトする書店の店主。
三根男 - 遠山俊也
継徳の漁師仲間。
大浦 杜夫 - 石橋蓮司 / 大浦 真知子 - 梅沢昌代
高速バスの車内でミチルに声を掛け、一緒に京都観光をしないかと提案する老夫婦。交通事故で娘を亡くす。
スタッフ
原作 - 佐藤正午『身の上話』
脚本・演出 - 合津直枝(テレビマンユニオン)
音楽 - 梅林茂
演奏 - ARIGAT-ORCHESTRA
制作統括 - 加賀田透、合津直枝(テレビマンユニオン)
制作著作 - NHK、テレビマンユニオン
主題歌 - U-KISS「ALONE」
各話あらすじ(2013.1.8 - 2013.3.12)全10話 平均視聴率 6.06%
第1話 2013年1月8日「平凡な女」
長崎県の小さな町の書店に勤めるミチル(戸田恵梨香)は、宝飾店の跡取り息子・久太郎(柄本佑)と交際して1年になるが、結婚には踏み切れないでいた。ミチルのささやかな秘密は、東京から来る出版社の営業マン・豊増(新井浩文)との不倫の恋だった。ある日、ミチルは帰京する豊増を見送りに行くため、職場の同僚で同期入社の初山(安藤サクラ)に相談し、「歯医者に行く」という口実で店を抜け出す。その際、職場の沢田(浅田美代子)、立石(浜田マリ)、そして初山から宝くじを買ってくるよう頼まれる。宝くじを買ったミチルは豊増に会いに行くが、彼と別れがたくなり、気まぐれに豊増と一緒に飛行機に乗ってそのまま東京に行ってしまう。
第2話 2013年1月15日「嘘」
ミチル(戸田恵梨香)は、東京で豊増(新井浩文)との一夜を楽しみ長崎に帰るつもりだったが、翌朝の飛行機に乗り遅れて帰る気を失い、実家や職場にうそをついて東京に居着いてしまう。ミチルは地元の後輩・竹井(高良健吾)の部屋に転がり込み、豊増との関係を続けるが、彼女のうそに気付いた上司・早苗(浅田美代子)は激怒し、父・継徳(平田満)は立場がない。そして、持っていた宝くじが2億円の当せん券だと分かる。
第3話 2013年1月22日「宝くじ」
ミチル(戸田恵梨香)は、宝くじが2億円の当せん券だと分かり、思いがけない幸運に酔いしれる。だが、宝くじの購入を頼まれた先輩・武子(浜田マリ)から「宝くじを送って」と連絡があり、落胆する。しかし、頼まれた枚数より1枚多く買ったことに気付いたミチルは、当せん券は自分のものと決め、残りの宝くじと釣り銭を同僚の春子(安藤サクラ)に送ることにする。それは、故郷にはもう帰らないというミチルの決意の表れだった。
第4話 2013年1月29日「秘密」
2億円の当せん金を銀行に預けたミチル(戸田恵梨香)は、当せんを誰にも告げられないことに、いら立ちを覚え、豊増(新井浩文)との間にも微妙な距離ができていた。地元・長崎では、久太郎(柄本佑)がミチルの居所を捜していた。ミチルは新しい生活を始めるため、竹井(高良健吾)の部屋を出て、新しいマンションに移り住む。竹井の友人・恵利香(寺島咲)と引っ越し祝いをしている時、思わぬ訪問者が現れる。
第5話 2013年2月5日「後始末」
ミチル(戸田恵梨香)のマンションを突然、久太郎(柄本佑)が訪ね、ミチルを驚かせる。久太郎は豊増(新井浩文)にミチルの居所を聞いたという。抵抗するミチルを連れ戻そうとした久太郎を、恵利香(寺島咲)がフライパンで強打し、久太郎は倒れ、動かなくなる。そこに現れた竹井(高良健吾)は、久太郎を病院に連れていこうとするミチルに、初めて冷酷な素顔を見せる。
第6話 2013年2月12日「疑念」
※ニュース拡大のため放送時間が変更(22:56〜23:25 )。
竹井(高良健吾)は、久太郎(柄本佑)の遺体を車に乗せ、どこかへ運び去った。ミチル(戸田恵梨香)は、殺人現場となったマンションを引き払おうとするが、不自然な行動は怪しまれると竹井に止められる。ミチルは豊増(新井浩文)に紹介された東京の書店で働き始めるが、豊増への思いは既にうせていた。使い込みが発覚し追い詰められた豊増は、仕事帰りのミチルを待ち伏せる。
第7話 2013年2月19日「別れ話」
窮地に立たされた豊増(新井浩文)はミチル(戸田恵梨香)に「君のために破滅した」と言い、一緒に逃げてほしいと頼み込む。だが、ミチルは預金を下ろして豊増に500万円を用立てることにし、豊増との別れを決意した。しかし豊増は、約束の時間にミチルのマンションに現れなかった。久太郎(柄本佑)の死以来、沈み込んでいた恵利香(寺島咲)はミチルに、竹井(高良健吾)が怖いと打ち明ける。
第8話 2013年2月26日「正体」
ミチル(戸田恵梨香)は竹井(高良健吾)から、恵利香(寺島咲)が自殺したと知らされ、がくぜんとする。竹井は、祖母の葬儀のため長崎に帰っていた。そこで、ミチルが宝くじの当せん金2億円を持ち逃げしたのではないかという武子(浜田マリ)の言葉を耳にする。恵利香の遺品の中に豊増(新井浩文)が残したメモを見つけたミチルは、豊増の身に何が起きたのかを悟り、ぞっとする。ミチルは、真相を話してほしいと竹井に迫る。
第9話 2013年3月5日「放浪」
竹井(高良健吾)の恐るべき正体を知ったミチル(戸田恵梨香)は、彼をフライパンで強打しマンションを飛び出す。放浪の旅に出たミチルは、京都で出会った初老の夫婦に心を動かされ長崎に戻るが、父・継徳(平田満)の思いに触れ、黙って故郷を後にする。偶然たどり着いた町で、ミチルは路線バスの運転手・香月(大森南朋)と出会う。そして、武子(浜田マリ)も失踪したといううわさが流れる。
最終話 2013年3月12日「告白」
ミチル(戸田恵梨香)は香月(大森南朋)に、故郷を捨ててからの身の上話を語りだす。香月の母・聖子(吉村実子)が営む食堂を手伝うようになったミチルは生気を取り戻し、香月とも少しずつ心を通わせていく。ある日、食堂の客が書いたブログでミチルを見つけた竹井(高良健吾)から電話があり、ついにミチルは、これまでの全てを香月に打ち明ける。そして、香月の前に現れた竹井は、香月が抱える秘密をも調べ上げていた。
各話視聴率
番組公式サイト
(書店員ミチルの身の上話 - Wikipedia)
タグ:書店員ミチルの身の上話