キャッチコピーは「事件を解く鍵は、名作の中に――」。
原作
『ビブリア古書堂の事件手帖』(ビブリアこしょどうのじけんてちょう)は、三上延による日本のライトミステリ小説シリーズ。イラストは越島はぐ。メディアワークス文庫(アスキー・メディアワークス)より刊行されている。
概要
古書に関して並外れた知識を持つが、極度の人見知りである古本屋の店主・栞子(しおりこ)が、客が持ち込む古書にまつわる謎を解いていく。作中で扱っている古書は実在のものである。
2012年1月、発行部数がシリーズ累計103万部となり、メディアワークス文庫で初のミリオンセラー作品となった。累計発行部数は2012年4月時点で200万部、第3巻が発売された同年6月時点で300万部を突破した。
2012年本屋大賞にノミネートされた。文庫本のノミネートは初。
2つの漫画版が連載中。一つは角川書店の漫画雑誌『アルティマエース』、『月刊Asuka』版。作画はナカノ。もう一つは講談社の漫画雑誌『good!アフタヌーン』版。作画は交田稜。
既刊一覧
1 ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜 2011年3月25日 ISBN 978-4-04-870469-4
2 ビブリア古書堂の事件手帖2 〜栞子さんと謎めく日常〜 2011年10月25日 ISBN 978-4-04-870824-1
3 ビブリア古書堂の事件手帖3 〜栞子さんと消えない絆〜 2012年6月23日 ISBN 978-4-04-886658-3
テレビドラマ
概要
古都・鎌倉の片隅にある古書店・ビブリア古書堂を舞台に、古書にまつわる謎や秘密を解明し、時を超えて人と人との絆を紡いでいくミステリー。
キャッチコピーは「事件を解く鍵は、名作の中に――」。
ストーリー
鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古書店・ビブリア古書堂。店主の篠川栞子(剛力彩芽)は、若くてきれいな女性だが、初対面の人間とはうまく接することができない極度の人見知り。だが、古書に関する知識は右に出る者がいないほど豊富で、本について話す時には人見知りということを忘れさせるほど。そんな栞子が、さまざまな古書にまつわる謎や、そこから紡ぎだされる人間同士の深い絆を読み解いていく。
キャスト
( ) 内は設定年齢
ビブリア古書堂
篠川 栞子 (23) - 剛力彩芽
店主。
原作の栞子は物語の開始時点では入院しているが、ドラマではこの怪我とそれにまつわる事件は中盤のクライマックスとして盛り込まれているため、初登場時は負傷していない。ただし足首を骨折しただけで一週間程度で退院と、かなり軽い怪我に改変されている。
五浦 大輔 (30) - AKIRA(幼少期:橋爪龍)
アルバイト店員。
原作では強面とされているが、そちらでは使っていないメガネを掛けた青年になり、演じるAKIRAは「原作よりも少し清潔感のあるイメージ」「現代っ子かつ楽天的なキャラクター」という印象を述べている。また、原作では大学卒業後内定していた会社の倒産で就職できなかった23歳であったのが、ドラマでは大学卒業後に就職した会社が倒産しフリーターとなった30歳と言う設定になっている。
志田 肇 (52) - 高橋克実
せどり屋。智恵子の失踪前に、古書の目利きの能力を買われて彼女の誘いでホームレスからビブリアの居候となり、建物の一室を倉庫兼寝床として暮らす。篠川家の家事も引き受けている。
志田は原作ではホームレスのままであり、肇という名がつくのはドラマ独自の設定。原作では栞子と大輔の二人が謎に挑む展開であったが、ドラマでは志田を彼らの推理や関係に影響を与えるキーパーソンとして投入し、「謎解きトリオ」で事件に挑む展開に変わっている。
その他
笠井 菊哉 (29) - 田中圭
せどり屋。『落穂拾ひ』にまつわる事件をきっかけにビブリアに出入りするようになる。
小菅 奈緒 (18) - 水野絵梨奈
高校3年生。『落穂拾ひ』にまつわる事件をきっかけに、ビブリア古書堂の常連客となる。兄と妹がいて、妹・結衣は名門女学館に通っている。
篠川 文也(しのかわ ふみや) (18) - ジェシー
栞子の弟。
原作では妹の文香だったが、ドラマでの設定は弟。
篠川 智恵子 (46) - 安田成美
栞子・文也の母。10年ほど前から失踪中。
五浦 恵理 (53) - 松坂慶子
大輔の母親。鎌倉の老舗銘菓店の経理担当で、夫とは離婚している。
CAFE廿庵
CAFE廿庵(カフェにじゅうあん)は、ドラマオリジナル設定の甘味処。ビブリア古書堂近所にあり、しばしば栞子周辺の事件関係者の対話や、人間関係に関する噂話の舞台となる。
藤波 明生 (38) - 鈴木浩介
店長。ドラマオリジナルキャラクター。北鎌倉の名家の出身で、カフェは趣味的に運営している。オネエ言葉で話し、噂話や人間関係に強い興味を示す人物だが、自分が詮索されることは嫌がる。また、自ら噂を周囲に広めてしまうこともある。
横田 奈津美 (30) - 北川弘美
店員。大輔の高校時代の同級生。
佐々木 亜弥 (20) - トリンドル玲奈
新人アルバイト店員。
橋本 さやか (23) - 内藤理沙
キッチン担当店員。
スタッフ
原作 - 三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫)
脚本 - 相沢友子、岡田道尚、早船歌江子
音楽 - ☆Taku Takahashi(m-flo / block.fm)&ARTIMAGE CREW
演出 - 松山博昭、宮木正悟、長瀬国博
監督補 - 長瀬国博
演出補 - 長野晋也、野田悠介
タイトルバック・VFX - 山本雅之
タイトルバック協力 - QUINOGRAFIX
タイトルロゴ - FOUR TRICK
劇中イラスト - 千原櫻子
エンドロール構成 - 早船歌江子、藤澤亮佑
エンドロール挿絵 - 吉良進太郎
アクション指導 - 下村勇二、佐々木修平
吹き替え - 日野綾子、川本耕史
劇中影絵 - 影絵劇団夢屋(第9話)
文芸協力
夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店 / 第1話)
小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫 / 第2話)
ヴィノグラードフ・クジミン著 / 西牟久雄・野村良雄訳『論理学入門』(青木文庫 / 第3話)
アントニイ・バージェス著 / 乾信一郎訳『時計じかけのオレンジ 完全版』(ハヤカワ文庫 / 第5話)
藤子・F・不二雄プロ / 藤子スタジオ / 小学館 / 小学館クリエイティブ / 藤子・F・不二雄 藤子不二雄A『UTOPIA 最後の世界大戦』(第7話)
チェブラーシカ・プロジェクト / ウスペンスキー作 いじゅういんとしたか訳『チェブラーシュカとなかまたち』(新読書社 / 第9話)
古書監修 - 東京都古書籍商業協同組合、落合教幸(立教大学大衆文化研究センター / 第10話)
プロデュース - 小原一隆、藤野良太
ラインプロデュース - 多治見薫
プロデュース補 - 羽鳥秋乃
制作 - フジテレビドラマ制作センター
制作著作 - フジテレビ
主題歌:E-Girls「THE NEVER ENDING STORY」 - E-Girlsは小菅奈緒役の水野絵梨奈が所属するガールズ・パフォーマンス・プロジェクト。楽曲は1985年の映画『ネバーエンディング・ストーリー』の主題歌だったリマールの同名曲のカバー。
各話あらすじ(2013.1.14 - 2013.3.25)全11話 平均視聴率 11.33%
第1話 2013年1月14日「偽のサインと古書に秘められた謎」 (初回15分拡大 21:00〜22:09)
ビブリア古書堂の店主・栞子(剛力)の元に、古書の査定のため大輔(AKIRA)がやって来る。大輔が持ち込んだのは、亡くなった祖母の蔵書。その本に「夏目漱石」と署名があったため、署名が本物なら高く売れるのではないかと、彼の母・恵理(松坂慶子)から頼まれたものだ。本を手に、じっと考え込んだ栞子は、署名は偽物だと言う。大輔が礼を言い、立ち去ろうとすると、栞子は署名を書いたのは彼の祖母自身としか考えられないと話す。唐突な話に、証拠はあるのかと尋ねる大輔に、栞子は驚くべき推論を展開する。数日後、再び古書店にやって来た大輔は、栞子からこの店で働いてみないかと誘われる。
第2話 2013年1月21日「なぜ犯人は一冊だけ本を盗んだのか」
栞子(剛力彩芽)と大輔(AKIRA)は、本を盗まれたという志田(高橋克実)から話を聞く。ある寺に自転車で行った志田は、自転車に荷物を残してその場を離れたが、背後で自転車が倒れる音がして振り返った。そこには女子高生らしい少女(水野絵梨奈)がいて、志田は彼女に、自転車を起こしてくれるよう頼んでその場を離れた。だが、戻った時には「落穂拾ひ」の1冊だけがなくなっていて、少女が本を持ち去ったと志田は断言する。話を聞いた栞子は、少女がその本を持ち去った理由が、彼女を捜す鍵になると話す。栞子から、自転車と他の本はどうなったかと聞かれた志田は、自転車はその場に放置され、本は友人の笠井(田中圭)が拾い集めてくれていたと答える。大輔は、栞子の提言で笠井と会う。
第3話 2013年1月28日「本日のお客様は脱走犯!?」
栞子(剛力彩芽)の店に、クジミンの「論理学入門」を買い取ってほしいと言う男(中村獅童)がやって来る。その男は買い取り表に「坂口昌志」と書き、明日また来ると言って立ち去る。男が置いて行った本の最後のページには、刑務所で受刑者の私物を示す「私本閲覧許可証」が貼られていた。店に来ていた藤波(鈴木浩介)は、近所の刑務所から受刑者が脱走したと話し、さっきの男がそうなのでは、と推量する。報道された脱走犯の人相もさっきの男とそっくりで、心配した志田(高橋克実)は、店頭に出ないように栞子に告げる。そこへ、坂口の妻だと名乗る女性(佐藤江梨子)が現れる。彼女は店番をしていた大輔(AKIRA)に、坂口が売りに来た本を返してほしい、と頼む。
第4話 2013年2月4日「鍵のかかった部屋から盗まれた本」
栞子(剛力彩芽)は大輔(AKIRA)を連れ、本を買い取るため客の自宅に出張する。依頼者の聡子(森口瑤子)は、3カ月前に他界した父親の蔵書を処分してほしいと希望。蔵書は主に純文学や詩集で、中には初版本など貴重なものもあった。聡子は買い取りとともに、昨日書斎から盗まれた「春と修羅」の初版本を取り戻してほしいと依頼。父親は初版本を2冊持っており、状態の良くない方が盗まれたと話す。聡子は、遺産のことでクレームを付けに来た兄・一郎(大河内浩)と姉・小百合(峯村リエ)を疑い、電話で問い詰めたが、二人とも否定しているという。話を聞いた栞子は、二人の服装について尋ねる。
第5話 2013年2月11日「今回は、結末が2つです」
栞子(剛力彩芽)は、本を寄贈するため女子校を訪ねる。本は教員の杉浦(阿南敦子)が選別し、数冊が「中学生には不適切」という理由で返却される。栞子は、文学的評価が高い本を、暴力描写などがあるだけで除外するのはもったいないと言うが、杉浦は「時計じかけのオレンジ」を読み、学校を批判する感想文を提出した生徒がいたと話す。同じころ、志田(高橋克実)に借りた本を返しに、奈緒(水野絵梨奈)がビブリア古書堂にやって来る。沈んだ表情の奈緒は志田に心配され、中学生の妹・結衣(森迫永依)が万引きをして、学校を停学になっていると明かす。また先日、結衣の書いた読書感想文が学校で問題視されることもあったという。それは「時計じかけのオレンジ」を読んで書かれたものだった。
第6話 2013年2月18日「脅されているんです、異常な男から」
何者かに石段の上から突き落とされた栞子(剛力彩芽)は、救急車で病院に運ばれる。足首の骨折だけで済んだ栞子は、大輔(AKIRA)に、病室に持ち込んだ金庫から太宰治の「晩年」を取り出すように頼む。そして、この本を狙う男に突き落とされたのだと明かす。栞子の祖父の代から引き継がれている「晩年」は、作者の署名が入っていて、500部ほどしかない初版本の中でも大変希少なものだ。その存在を知った人物から、譲ってほしいというメールが何度も来るようになり、警戒していたところ、今回の事件が起こったという。栞子の入院中に、大輔は一人で店を切り盛りするが、古書の知識がないため苦労する。そんな大輔の様子を見に、奈緒(水野絵梨奈)や藤波(鈴木浩介)がやって来る。そんな折、ワゴンの中の本にガソリンが掛けられる事件が起こり、大輔は危機感を覚える。
第7話 2013年2月25日「複数の真実」
書籍の買い取りを希望する須崎(井浦新)が、ビブリア古書堂を訪れる。須崎は、足塚不二雄の「UTOPIA最後の世界大戦」は幾らで買い取るか、と栞子(剛力彩芽)に聞く。その言葉に表情を変えた栞子は、実物を見た上だが、100万円単位になるのでは、と返答する。すると須崎は満足そうな表情を浮かべ、車を移動してくると言って店を出ていく。だが、その後、何時間たっても彼は戻ってこなかった。その後、栞子と大輔(AKIRA)は、買い取り表の住所を頼りに須崎を訪ねる。二人を部屋に入れた須崎は、膨大な古書漫画のコレクションを見せ、さらに、栞子の母・智恵子(安田成美)と自分の接点を語り始める。
第8話 2013年3月4日「真犯人はビブリアにいる」
栞子(剛力彩芽)とは親の代から付き合いがあるという、古書店店主の滝野(柏原収史)が来訪する。志田(高橋克実)は、滝野を栞子の幼なじみ兼相談役だと大輔(AKIRA)に紹介。大輔が、栞子の役に立っている滝野をうらやましく思う一方、滝野は本が読めない大輔を冷めた様子で見る。そんな折、大輔は栞子に頼まれ、古書店同士の古書交換会に一緒に出掛ける。栞子は値段が張る絶版のSF文庫に入札するが、他店の店主・井上(佐野史郎)に競り負けてしまう。その夜、栞子は自宅から持ち込んだ「たんぽぽ娘」の本を「絶版文庫」の棚に出すことに。高値を付けたその本に大輔が興味を示していると、井上がやって来て、自分が落札した「たんぽぽ娘」を返すよう迫る。
第9話 2013年3月11日「タヌキとワニとイヌが出てくる絵本」
定休日に古書店巡りをすることに決めた栞子(剛力彩芽)と大輔(AKIRA)は、写真集専門の古書店へ行く。ギャラリーを併設したその店で、二人が写真を見ていると、フォトグラファーの晶穂(矢田亜希子)から声を掛けられる。晶穂は、大輔の高校の同級生で、元恋人だった。大輔は栞子に、晶穂を紹介。栞子が古書店を営んでいると話すと、晶穂はある絵本を探してほしいと頼む。タイトルや作者は覚えていないが、晶穂は覚えている限りの内容を説明。栞子は、知っている気がするが、それ以上は分からないと答える。後日、新たに思い出したことがあると、晶穂がビブリア古書堂を訪ねて来る。
第10話 2013年3月18日「江戸川乱歩・少年探偵団」ラテ欄「江戸川乱歩!?」
古書に関する特別な相談があると電話で依頼され、栞子(剛力彩芽)と大輔(AKIRA)はとある洋館へ。依頼人の慶子(高樹澪)は江戸川乱歩の筋金入りのマニアで、書庫には見事なコレクションが揃っていた。大輔はその中の1冊に、井上(佐野史郎)の古書店の値札を見つける。病気で話せない慶子に代わり妹・邦代(松田美由紀)が話したところによると、慶子は亡夫が残した乱歩ゆかりの金庫を開けられたら、本を全てビブリア古書堂に売るという。
最終話 2013年3月26日「乱歩が残した間違った暗号文!?」
母・智恵子(安田成美)に金庫の鍵を奪われたと確信する栞子(剛力彩芽)は、智恵子よりも先に暗号を解こうとする。栞子と大輔(AKIRA)が店に戻ると、智恵子がカウンターに座って本を読んでいた。智恵子は栞子に、金庫の中身は江戸川乱歩の「押絵と旅する男」の第一稿だと話す。その第一稿は、乱歩自身の手で破棄されたといわれていた。智恵子は、鹿山(須永慶)の父親と乱歩の接点を明かし、意外な事実に志田(高橋克実)も驚く。何としても第一稿を読みたい智恵子は、一緒に暗号を解くなら、第一稿以外の乱歩コレクションは山分けにしてもいいと、栞子に持ち掛ける。だが栞子は、鹿山が慶子(高樹澪)に残したものを届けたいだけだと、その提案を断る。
各話視聴率
『ビブリア古書堂の事件手帖』公式サイト
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(ビブリア古書堂の事件手帖 - Wikipedia)
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