ラテ欄「指名手配犯のテロリスト!潜伏生活する男女が純愛を守る殺人」
偽名を使ってレストランでボーイとして働く笹谷彰(板尾創路)は警視庁OBの法務大臣、大月宗太郎が来週、来店する事を知る。アパートに帰宅した笹谷は周囲に妻と偽っている結城浩美(月船さらら)に大月が店に来る事を報告。2人は夫婦を装いながら逃亡生活を送る爆弾テロの指名手配犯だった。テロリストの仲間たちを逮捕し、組織を壊滅状態にした大月を恨む2人。笹谷は顔を整形してまで逃亡を続け、大月を暗殺するチャンスを待っていたのだ。笹谷は爆弾で大月と心中するつもりでいた。
翌日、透は資料室から直美の父親、雄一の事件のファイルが消えた事に気付き、千葉(渡辺いっけい)にファイルを持ち出していないか確認。千葉は知らないと答えるが、閲覧記録には千葉の名前が残っていた。夕方、笹谷と浩美のアパートに組織を辞めた昔の仲間、柴田宏(金山一彦)が現われる。笹谷は一般人を装って恍けるが、柴田に声でバレてしまう。柴田は大月暗殺計画を警察に言うと脅して金をせびろうとしていた。浩美はたまらず金を渡して柴田を帰らせるが、笹谷は柴田の強請りはこれで終わらないと心配する。
夜、買い物帰りの浩美は松井(綾部祐二)に声をかけられる。松井は毒薬の説明をした後、毒薬の瓶を浩美に渡して去っていく。その頃、透は人通りを歩く千葉を偶然見かける。透が跡をつけると、千葉は路地裏で柴田に金を渡していた。後日、柴田は笹谷の留守中に再びアパートに現われる。浩美が金はもうないと言って追い返そうとすると、柴田は襲い掛かって肉体関係を強要する。事が終わると柴田は本棚から目当てのファイル(DVD)を見つけて内ポケットに隠す。浩美は帰ろうとする柴田を呼び止め、毒を一滴垂らしたコーヒーを柴田に飲ませる。
透は公安に千葉の事を根掘り葉掘り聞かれた後、千葉が不審な男(柴田)と会っていた事と関係しているかもしれないと直美に明かす。そして、透は直美に千葉が持ち出した雄一の事件のファイルの原本を見せる。雄一がホテルで亡くなった時、真っ先に駆けつけて、報告したのは若い頃の千葉だった。当時、千葉は捜査の応援で雄一の下についていた。その先の報告は原本からも抹殺されていて、透は千葉が雄一を殺害したという疑念を抱く。
松井はバーで大月にストロバキア大学の監獄実験について話していた。アルバイトの学生を看守役と囚人役に分けて長い間放置した心理実験。看守側の学生は1週間もせずに囚人側の友人に残忍な体罰やリンチ、虐待を行うようになったという。松井の手の火傷は看守役の友人に無理やり押された囚人の焼印だった。その時、松井は人には善も悪もなく、立場や環境、力が人を悪に変えると考えるようになったのだ。そして毒の話題になると、大月は毒を1本手元に置いておきたいと松井に頼む。
翌日、直美と透は千葉と柴田が密会している現場を目撃する。千葉は柴田から何かを受け取り、代わりに金を渡していた。直美たちは千葉と別れた柴田の尾行を始める。その時、柴田は突然苦しみ出して道に倒れ、直美は究極の毒と同じ症状だと気付く。柴田は「あいつら…。大月を…」と言い残して絶命する。浩美は新聞で柴田の死を確認すると、自分が毒で殺したと笹谷に打ち明ける。浩美は爆弾ではなく、この毒を使って大月を殺害すれば逮捕されずに済むと笹谷に持ちかける。浩美は全てを終わらせて普通の男女に戻り、笹谷と幸せな生活を送りたいと願っていた。
直美は千葉を呼び出し、柴田の事、そして雄一との関係を問い詰める。千葉は雄一が殺されたと思っているのかと確認。直美は雄一が自殺するはずがないと信じていた。千葉は「この件から手をひけ。お前もただじゃすまない」と厳しい口調で言い放って去っていく。この後、透は柴田が大月を爆弾で暗殺する計画をしていたテロ組織の一員だった事を突き止め、直美はテロ組織が毒を使って大月の暗殺しようとしていると考える。
大月の暗殺を明日に控えた笹谷と浩美。笹谷は家で待つように浩美を諭し、定時を過ぎても連絡がなかったら逃げろと伝える。浩美は笹谷から君の事が大事なんだと言われて嬉しく思う。翌日、直美は大月の秘書に電話して予定を聞き、午後1時に要人とお忍びで会食する事を知る。直美はその時に毒が使われるかもしれないと考え、透と共に急いで店へ向かう。その頃、千葉は店へ入っていく大月を物陰から見つめていた。そして食事が始まると、笹谷はスープをじっと見つめ、ひそかに毒の瓶を取り出して…。
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