『実験刑事トトリ2』は、NHK『土曜ドラマ枠』(21:00〜22:00)で、2013年10月12日から同年11月16日まで放送された。全6回。
概要
大学の動物生態学の研究者だったが警察官中途採用試験を受けて警視庁捜査一課に配属された43歳の新人刑事・都鳥博士が、28歳の若手で熱血漢の先輩刑事・安永哲平を相棒に事件を解決していく倒叙ミステリ。
『妖怪人間ベム』やアニメ『TIGER & BUNNY』などを手掛けてきた西田征史のオリジナル脚本。三上博史のNHKの連続ドラマ初主演作となり、三上が都鳥という役柄に惹かれ、「面白みを見つけられなかった」としてこれまで避け続けてきた「推理物」の刑事役を初めて演じた作品でもある。また、脚本の西田の人脈で『TIGER & BUNNY』のキャラクター原案を担当した漫画家の桂正和が出演する(発表時は出演回は公表されておらず、後に第4話に出演した)。
キャッチコピーは「完全犯罪と戦え。」(第1シリーズ)、「完全犯罪に負けるな。」(第2シリーズ)。
ストーリー
大学の研究室で動物生態学を研究していた主人公・都鳥博士(三上博史)は、警視庁の中途採用試験に合格して43歳にして捜査一課に刑事として配属される。その中年の新人の教育係として、コンビを組むことになったのは正義感の強い28歳の若手刑事・安永哲平(高橋光臣)。論理的思考で仮説を立て、緻密な実験で裏付け捜査を進める風変わりな年上の新人と、まっすぐな青年刑事はぶつかり合いながらも、協力して犯人を追い詰める。
キャスト
都鳥 博士 - 三上博史
43歳。警視庁捜査一課の中年刑事。以前は数々の賞を受賞するほどの新進気鋭の動物学者として名を馳せていたが、これからも高い評価を貰い続けるだろうという未来図に物足りなさを感じ、自身の能力を活かすため警察官の中途採用試験を受け、その論理的思考力を買われ刑事となる。如何なる時でも何事にも論理的なスタンスで臨む風変わりな性格で、それ故意図せず他人を不快にする言動を取ったりもする。年下の安永に対して謙虚に接するなど偉ぶった態度は取らないが、前述の刑事となった理由のように能力の高さを自負する一面もある。事件の捜査においても論理的思考に基づくアプローチを展開し、自ら仮説を立てて実験する。時折、動物に関する知識を用いて含蓄のある言葉を述べることがある。尚、動物学者だったが、動物に愛着は無い。
安永 哲平 - 高橋光臣
28歳。警視庁捜査一課の若手刑事。都鳥の新人教育を任命され、彼とコンビを組む。根が真っ直ぐでひたむきな性格の青年。1年前に事件が自殺だったにも関わらず誤認逮捕をして、世間や警察内から非難された経験がある。新人なので敬語で話さないで欲しいという都鳥の希望により「都鳥君」と君付けで呼んでいるものの、年上に対するやり辛さを感じながら都鳥のペースに振り回されていく。都鳥の実験では実験台として協力させられる事が多い。やがて都鳥の言動に触れて、誤認逮捕のトラウマを脱した後は都鳥に相棒としての信頼感を寄せるようになる。
マコリン - 栗山千明
タレント。自身が出演する劇中のTV番組内に登場する。活動内容は司会や歌手、グルメレポートと手広い。主にロリータ・ファッションの衣装を着た不思議ちゃんキャラで売り出しており、時折語尾に「〜の」とつけて話している。最終回で本当は29歳の年齢を23歳とサバを読んでいた事が判明し、不思議ちゃんキャラを捨てた。
劇中で着用される衣装は甘ロリの代表的ブランド、metamorphose temps de filleなどから提供されている。
川中 弥生
演 - 高橋愛
捜査一課の職員。(第2シリーズから出演)
三船 隆昭
演 - 笹野高史
警視庁捜査一課の部屋長。安永を都鳥の教育係に任命し、都鳥の対応に戸惑う安永を言葉巧みにその気にさせる。かつて交通機動隊の白バイ隊員だった経歴を持ち、愛車のナナハンを壊れるまで相棒として大事にしていた。
タイトルナレーション - 益岡徹
スタッフ
脚本 - 西田征史
制作統括 - 谷口卓敬
音楽 - 佐橋俊彦
演奏 - フェイスミュージック
第1シリーズ
演出 - 田中健二、堀切園健太郎
美術 - 西之原豪
技術 - 伊藤潤
音響効果 - 菅野秀典
撮影 - 榎本清
照明 - 鈴木克明
映像技術 - 両角剛穀
記録 - 小林澄枝
編集 - 石川真紀子
警察考証 - 久保正行
動物学考証 - 上田恵介
第2シリーズ
演出 - 中島由貴、黒崎博
美術 - 高橋泰代
技術 - 大塚豊
音響効果 - 菅野秀典
撮影 - 森純一
照明 - 笠原孝道
音声 - 鈴木克明
映像技術 - 吉永勇
記録 - 江川雅美
編集 - 田中美砂
美術進行 - 花田猛
各話あらすじ(2012.11.3 - 12.1)全5話 平均視聴率 7.04%
第1話 2012年11月3日「実験刑事誕生〜完全犯罪のレシピ」 視聴率 6.3%
大学の研究室で動物生態学を研究していた主人公(三上博史)が、ある思いがあって警視庁の中途採用試験を受験し、合格する。さまざまな実験を繰り出しながら捜査に当たる風変わりな新人刑事と、真っすぐな青年刑事(高橋光臣)が、時にぶつかり、時に助け合いながら、犯人へと迫っていく。作・西田征史、演出・田中健二。 警視庁捜査1課の青年刑事・安永(高橋)は、警視庁の中途採用試験に合格して捜査1課に配属されることになった都鳥(三上)の教育係を言い渡される。前職は動物生態学の学者だったという43歳の後輩・都鳥は何かと風変わりで、安永はどうにもやりづらい。有名な料理研究家・ゆかり(中越典子)のアシスタント・映子(松本まりか)の遺体が山中で発見される。都鳥は、ゆかりの夫・泰彦(安田顕)が怪しいと言う。
第2話 2012年11月10日「女はドレスに罪を隠す」 視聴率 8.2%
著名なファッションデザイナーの真沙美(夏木マリ)は、自らの会社の共同経営者である和子(黒田福美)から引退を勧告されていた。かつて一世を風靡(ふうび)した真沙美だが、今では彼女のセンスは時代からずれてしまい、売れ行きが大きく落ち込んでいたのだ。真沙美はデザイナーとしての自身の地位を守るために、和子を殺す完全犯罪を実行。都鳥(三上博史)は、真犯人に迫るべく直感を働かせ、論証を積み重ねていく。
第3話 2012年11月17日「偽りのメロディ〜完全犯罪を調律せよ」 視聴率 7.7%
音楽大学のピアノ科准教授・小岩井(山口馬木也)には、学長の娘・愛子(木南晴夏)との結婚話が持ち上がっていた。小岩井は、長く付き合っている売れない歌手の梓(佐藤仁美)と別れようとするが、彼女はそれを受け入れない。手を焼いた小岩井は自殺に見せかけて梓を殺害する。梓のアパートの部屋の何げない情景から、都鳥(三上博史)は自殺と見えた梓の死が仕組まれた完全犯罪だと見抜き、それを切り崩していこうとする。
第4話 2012年11月24日「僕が傑作を書く時」 視聴率 6.9%
漫画家の船木はじめ(中尾明慶)と黒田明(落合モトキ)は、ストーリーと作画をそれぞれが分担する漫画家ユニットとして大成功を収めていた。そんな中、敏腕編集者・柳沢(野間口徹)が黒田に独立を勧め、彼は柳沢と一緒に活動していくことを決意。船木と黒田のコンビは解消となる。すると、船木は柳沢を殺害し、その犯人が黒田であるかのように偽装。事件を知った都鳥(三上博史)は、複雑な犯行を読み解こうとする。
最終話 2012年12月1日「二人の絆〜実験刑事が最後に見たもの」 視聴率 6.1%
大手音響機器メーカーの社長である石峯(竜雷太)は、腹心の部下の和田(鶴見辰吾)の裏切りで社長職を解任される。興奮した石峯は和田につかみかかろうとして転倒して足を骨折し、車いすでの生活を余儀なくされる。石峯は老齢であり、リハビリもしようとせずに車いすを使っていたが、それこそが人目を欺くための彼の策略だった。1年後、石峯邸の1階で和田が殺される。その時、石峯は2階の自室にいたと言い張る。都鳥(三上博史)の推理が始まる。
番組公式サイト
(実験刑事トトリ - Wikipedia)
実験刑事トトリ2
概要
実験刑事トトリ2実験刑事トトリ2三上博史が演じる動物生態学の研究者から40代にして刑事に転身した風変わりな主人公・都鳥博士が再び帰ってきた。高橋光臣扮する相棒のバカ正直な若手刑事・安永哲平と共に、前シリーズ以上に手ごわい犯人たちが仕掛けた犯罪トリックを見破っていく。
ストーリー
動物生態学の研究者から、警視庁の中途採用試験に合格して刑事となった主人公・都鳥(三上博史)。その論理的思考で仮説を立て、緻密な実験で裏付け捜査を進める風変わりな“実験刑事トトリ”と、まっすぐな青年刑事・安永(高橋光臣)のコンビが、世界的な女性建築家・久保美千代(木野花)の仕掛けた殺人トリックに挑む。
美千代と仕事でペアを組む建築家・内藤(丸山智己)は、アシスタントの有香(大和田美帆)との結婚を機に独立を申し出る。有香の強引な営業によって次々と顧客を奪われてしまった美千代は有香の殺害を計画し、実行に移す。美千代を疑う都鳥と安永は、その完璧なアリバイを何とか突き崩そうと奮闘する。
各話あらすじ(2013.10.12 - 11.16)全6話 平均視聴率 5.70%
第1話 2013年10月12日「罪深き建築家の肖像〜実験刑事ふたたび」 視聴率 5.0%
世界的な建築家・美千代(木野花)は仕事でペアを組む建築家・内藤(丸山智己)から独立を切り出される。アシスタントの有香(大和田美帆)との結婚を機に、自分の力を試したいというのだ。しかし、美千代は自分の顧客が有香の強引なセールスによって、内藤の新しいアトリエへと奪われていることを知り、有香の殺害を計画。警視庁捜査一課の都鳥(三上博史)と安永(高橋光臣)は、美千代の完璧なアリバイを突き崩そうとする。
第2話 2013年10月19日「鍵をかけた科学者」 視聴率 6.1%
新エネルギーの開発研究に日夜取り組む大学の准教授・望月(萩原聖人)は、指導教授の二階堂(国広富之)の研究テーマには限界があり、自分の研究こそが人類の未来に役立つと信じていた。自分の研究する化学薬品の開発が成功すれば、エネルギー革命が起こることは間違いない。その思いを胸に秘めた望月は、科学によるトリックを用いた二階堂の殺害を考え、都鳥(三上博史)たちの目を欺こうとする。
第3話 2013年10月26日「偽りの断崖〜写真家の仕掛けたわな」 視聴率 6.0%
写真界の第一線で活躍する知里(横山めぐみ)は、桃井(藤田玲)という青年から脅迫を受けていた。桃井を殺害するため、知里は時間的にも場所的にも完全なアリバイをねつ造し、犯行に及ぶ。臨場した都鳥(三上博史)と安永(高橋光臣)は捜査に着手。桃井は殺害されたと推測する都鳥だが、写真家ならではの巧妙なトリックをなかなか見破ることができず、捜査は難航する。そして、知里の犯行の真の狙いは意外なところにあった。
第4話 2013年11月2日「ビリヤードが終わったあとに」 視聴率 3.8%
世界大会出場を控えるプロのビリヤード選手・楠木(成河)は、自らが経営するプールバーの常連・池山(金井勇太)を自宅に招いた。そこで楠木は、ビリヤードの技術をインターネット中継で披露している最中に、池山に危うく殺害されかけるという偽装をし、正当防衛のふりをして池山の命を絶った。都鳥(三上博史)と安永(高橋光臣)の捜査が進み、やがて楠木と池山の複雑な関係が明るみに出る。
第5話 2013年11月9日「秘密〜ある小説家の死について」 視聴率 5.4%
※「 2013NHK杯フィギュア「女子シングル・フリー/表彰式」(19:30〜21:15)」を放送のため、開始時間変更(21:30〜22:30)。
作家事務所の社長・和久井(ムロツヨシ)は、マネジメントする小説家・宮部(三谷六九)の遺体を始末するため、現場の執筆部屋が荒らされているように装った上でアリバイを作り、離れた場所で遺体を焼き捨てる。翌日、捜査のため執筆部屋を訪れた都鳥(三上博史)と安永(高橋光臣)は、和久井と対面。和久井は安永の高校時代の先輩だった。和久井を信じたい安永は冷静さを失うが、都鳥は和久井の周辺を丹念に調べ始める。
最終話 2013年11月16日「学園がけがされるとき〜森と迷宮」 視聴率 7.9%
私立学園の理事長・亜希子(岸本加世子)は、学園の経理をめぐる不正にひそかに手を染めていて、そのことを若い教師・香織(吉田羊)から強く非難される。亜希子は香織の口を封じるための犯行を計画し、初等科の合唱部の合宿訓練を利用して香織を殺害する。殺害現場と亜希子がいた建物の間の距離を考えると、亜希子の犯行は絶対に不可能。都鳥(三上博史)は、この殺人に仕掛けられた大胆なトリックに迫ろうとする。
番組公式サイト
(実験刑事トトリ - Wikipedia)
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