概要
舞台は本土復帰40周年となる沖縄の架空の島。
「食堂かたつむり」の作家・小川糸の小説を原作に、都会で家族を築くことに疲れた人たちが島を訪れ、そこで交流しながら精神的にもハードな“お産”を成し遂げる様を女性の葛藤や力強さに焦点をあてて描く、ハートウォーミングな物語。
ストーリー
幸せになるはずの結婚生活も束の間、夫・達也(溝端淳平)にいきなり蒸発されて途方にくれる主人公・小野寺まりあ(仲里依紗)は、以前に達也が口にしていた沖縄にあるハート形の島へ向かう。
一方それより前に、東京で助産師として働く鶴田亀子(余貴美子)は、堕胎をあたり前だと思うギャルや理想とする自然分娩が病院の都合で曲げられることに嫌気がさしていた折、宝くじで大金を当て世界旅行に出発。ところが最初に立ち寄った沖縄の離島が助産師不足に悩んでいるのを知り、そこに理想の助産院をつくることを決心する。
そんな世代が違う女ふたりがある日、南の島で再会?!
「イチャリバチョーデー」“行き逢えば皆、兄弟”という沖縄ことばそのままに、まりあを優しく包んでいく亀子先生を始めとする島の人々。やがて、互いに助け合いながら自然の摂理に身をまかせる生き方にふれ、まりあはしなやかに脱皮していく――。
登場人物
つるかめ助産院
小野寺 まりあ - 仲里依紗(幼少期:小林星蘭)
旧姓:安西。まりあが幼いころに読んだ「おじいさんのツリーハウス」の絵本の話しを達也に聞かせる。
お互いまだ若いので子供を育てるには早過ぎる、今は2人の生活を楽しみたいという達也の言葉に閉塞感を抱いていた。突然消えてしまった夫の消息を探すために以前、話していた「ハートの形をした南の島」へ行く。
都会で美容師をしていた経験を活かし、亀子の勧めもあって、助産院内にHair Salonまりあを開く。
鶴田 亀子 - 余貴美子
助産師。妊娠中絶の手術費用が払えないキャバクラ嬢が料金の代わりとして置いて行った宝くじが偶然に当選し、現実世界に辟易していた状況でもあったので、そのお金を使って沖縄の島へ旅立つ。
そこで島の長老と出会い、島で助産院を開院することになる。
天城 里見 / サミー - 中尾明慶
助産院で雑務などを担当している青年。
エミリー - 佐藤仁美
看護師。3人の子供がいる。
パクチー嬢 - 水崎綾女
ベトナムから美波間島に助産を学びに来ている研修生。
長井 朗 / 長老 - 伊東四朗
美波間診療所医師。専門は産婦人科。休暇のために島を訪れていた亀子に島に残って、助産院を開院してみないかと勧める。 自称「タコ採り名人」 海にタコを採りに行き意識不明になる。
島の人々
ピーさん - 岡本麗
主婦。船で気分が悪くなったまりあを介抱する。
丘ッチ - 西尾まり
主婦。ご飯のオカズをつるかめ助産院に持ち寄って、仲良く談笑しながら食事を一緒に食べている。
田上 チエ - 久保田磨希
島でまりあと出会った途端に産気づく妊婦。
田上 真一 - 藤木勇人
8人の子供を育てている大家族の父親。まりあが島へ来たときに9人目の子供が産まれる。
田上 睦美 - 黒木瑠七
田上家六女。
田上 栄斗 - 長谷川征海
田上家八男。
大野原 タエ / おばぁ - 平良とみ
美波間島で「パーラーハジメ」を営んでいる。
徳野 和雄 / トクさん - 柳沢慎吾
漁師兼島で唯一のタクシー運転手。
上原 サヨリ - 有村架純
自分が子供を授かったことを亀子から聞いたときに、体を飛び跳ねて喜ぶ。未婚の母になるかもしれないが、それでも産む決意は揺らがないでいる。
上原 理恵 - 麻生祐未
サヨリの母。娘が未婚で子供を産むことには強く反対していたが、亀子の「子供は島の宝もの」という言葉に気付かされ、島の人たちの助けを借りながら「おばぁ」になることを決める。
艶子 - 加藤貴子
最初の子供は死産。そのことが原因で夫とは不仲な関係になってしまい、現在は石垣島に1人で暮らしている。精神状態が不安定で体調が悪化し、つるかめ助産院に入院する。
おトク - 松田沙紀
姉さん - 坂本あきら
ゲエ介 - 明樂哲典
まりあの家族
小野寺 達也 - 溝端淳平
まりあの夫。デザイン会社勤務。まりあと結婚してから1年後、突然、家を飛出し会社を辞職して音信不通になる。
安西 豊 - 冨家規政
まりあの養父。
安西 涼子 - 賀来千香子
まりあの養母。豊の妻。実の子供を幼い時に亡くし、その後、まりあを乳児院から引き取り、養女として向い入れ育てる。
まりあの子ども (声) - 鈴木福
その他
渡 隆志 - 松島庄汰
川野 浩司 / コージ - 夕輝壽太
サヨリの子供の父親。教師になるという夢を諦めて、彼女と結婚することを決断するがそれにサヨリは反対して大学卒業まで待っているとプロポーズを一旦、白紙に戻される。
大野原 ハジメ - ゴリ
タエの息子。美波間島を18歳で飛び出し、都会で飲み屋を営んでいる。 まりあが達也の妻だと言うと態度が急変し、妹だと言い直すと安心して彼が以前、お店に来た状況を話し始める。
達也が仕事や家庭の悩みを抱えており、その悩みに対して「全部辞めて、楽になれ」とアドバイスしてしまったと告白する。
スタッフ
原作:小川糸「つるかめ助産院」(集英社刊)
脚本:水橋文美江
音楽:吉俣良
演出:佐々木章光、古厩智之
音響効果:亀森素子、岩熊展史、辻田昇司
協力:沖縄県竹富島の皆さん
撮影協力:沖縄県竹富島、石垣市、千葉県匝瑳市
取材協力:沖縄県渡名喜村、鹿児島県徳之島町
助産考証:岡本喜代子(日本助産師会会長)
医療考証:山本昌督、依光たみ枝(沖縄県立中部病院)、冨名腰文人
美容指導:佐藤圭太
三線指導:宮里英克
沖縄ことば指導:今科子
フードコーディネーター:はらゆうこ
制作統括:菅原浩、黒沢淳
制作・著作:NHK、テレパック
主題歌
ポルノグラフィティ「カゲボウシ」(SME Records)
各話あらすじ(2012.8.28 - 2012.10.16)全8話 平均視聴率 8.13%
第1話 2012年8月28日「嵐の前の旅立ち」ラテ欄「女ふたり波乱の漂着」
誕生日にプロポーズされた、まりあ(仲里依紗)は小野寺(溝端淳平)と新婚生活をスタートさせる。だが、子供を持つことへのわだかまりから次第に虚無的になる。一方、独り身の助産師・亀子(余貴美子)は、もらった宝くじで大金を当て東京の病院を退職。気分新たに沖縄の離島へ旅立つが、そこで出会った長老と呼ばれる医師・長井(伊東四朗)から、島の助産院を継いでほしいと懇願される。そして1年後、東京で小野寺が失踪する。
第2話 2012年9月4日「ゴエンの契り」
新婚間もなく、夫の小野寺(溝端淳平)の失踪中に妊娠が発覚した、まりあ(仲里依紗)。小野寺を捜しに行った沖縄の美波間(みはま)島から東京に戻ると、小野寺に行きつけのバーがあったことを聞き、そこを訪ねる。バーのママ・ハジメ(ゴリ)の話から、小野寺が仕事や妻のことで悩んでいたことを初めて知る。一方、島では、まりあを案ずる助産師の亀子(余貴美子)が、長老・長井(伊東四朗)から武骨な励ましを受けていた。そして、再び島を訪れたまりあは、赤ちゃんの誕生100日を祝う島の宴会に連れていかれる。
第3話 2012年9月11日「新たなさざ波」ラテ欄「居候中のプロポーズ」
蒸発中の夫・小野寺(溝端淳平)への思いを引きずりつつ、まりあ(仲里依紗)は美波間(みはま)島に移住する。そこに出産のトラウマ(心的外傷)を抱える艶子(加藤貴子)という女性が現れ、助産院は一時緊張状態に。そんな中、小野寺が島にやって来たという知らせが、長老・長井(伊東四朗)から亀子(余貴美子)の元に入る。それを聞かされたまりあは、そわそわするものの、小野寺が待っているという、おばぁ・タエ(平良とみ)のパーラーへ亀子と共に向かう。
第4話 2012年9月18日「もう捨てないで」
妊娠中のまりあ(仲里依紗)は美波間島の助産院でささやかな美容サロンを開き、ようやく居場所を見つけた。そんな折、夫の小野寺(溝端淳平)が島にやって来る。助産師の亀子(余貴美子)は二人の仲を心配するが、同じタイミングで訳ありの妊婦、艶子(加藤貴子)の陣痛も始まる。まりあはスタッフのサミー(中尾明慶)から艶子の秘密を聞いてしまう。一方、小野寺は、おばぁ(平良とみ)の店で待ちぼうけを食い、東京へ戻ろうとする。亀子は、まりあに夫を追い掛けるよう告げる。
第5話 2012年9月25日「妊婦心と秋の空」ラテ欄「潮騒、涙・妊婦乱高下」
親に捨てられた経験があるまりあ(仲里依紗)は、忘れたはずの夫・小野寺(溝端淳平)との再会をめぐり、頼りにしていた亀子(余貴美子)からも捨てられた気になり行方不明に。小野寺は亀子と共に捜索するが、そこで初めて、まりあの出生の事情を知り、まりあとの結婚生活で感じていた彼女との壁をようやく理解し始める。一方、亀子は、崖の上で自分に似た幽霊のような者を見て一瞬たじろぐが、視線の先にまりあを発見する。
第6話 2012年10月2日「母の想い」ラテ欄「母と娘の一番長い日」
まりあ(仲里依紗)から批判的な手紙をもらった養母の涼子(賀来千香子)が島にやって来て、まりあは引きこもってしまう。亀子(余貴美子)はまりあに、涼子と向き合うよう、説く。実の娘を亡くしている涼子は、まりあが島の助産院で産むことに反対する。涼子に逆らったことのなかったまりあは、面と向かって養母を説得することができず、心配する周りの人たちが手を替え品を替え涼子に、亀子の助産院の良さをアピール。しかし、その場の空気が読めないパクチー嬢(水崎綾女)が、助産院で母を亡くしたと言いだす。
第7話 2012年10月9日「涙そうそう」ラテ欄「真ごころの励まし」
つるかめ助産院の嘱託医だった長老・長井(伊東四朗)が海の事故で亡くなってしまう。タコ釣りが自慢だった長井をしのんでタコずくめの料理が食卓に並ぶ。支えをなくし意気消沈する亀子(余貴美子)を何とか励まそうとするまりあ(仲里依紗)だが、新しい嘱託医が見つからないと助産院が存続できず、亀子に赤ちゃんを取り上げてもらえないことが分かると、彼女自身も途方に暮れてしまう。一方、東京では、まりあの母・涼子(賀来千香子)が、まりあが遠ざけている夫の小野寺(溝端淳平)に大きな決断を迫る。
最終話 2012年10月16日「新しい人生の始まり」ラテ欄「命産む最後の絶叫」
小野寺(溝端淳平)は、まりあ(仲里依紗)のおなかの中の子供が実は自分の子供で、望んでいる美波間(みはま)島での出産を諦めたと、サミー(中尾明慶)から聞き、助産院存続に必要な産科医探しに奔走する。上京して、そんな小野寺の姿に嫉妬したサミーは、島に帰ってきても、まりあに小野寺のことを話そうとしない。一方、亀子(余貴美子)はまりあの本心を探ろうとするが、まりあは一人で出産に臨む意思に変わりはないと言う。やがて、出産の時が来る。
各話視聴率
番組公式サイト
(つるかめ助産院 - Wikipedia)