概要
武井咲主演、江口洋介ら豪華キャストで綴る社会派ラブ&ファミリー・ストーリー。自らの過酷な運命に戦いを挑む少女と、壮絶な過去を背負い贖罪に生きる男との切ない愛、そして壮絶な家族の物語。武井が演じるのは、自分が出生届の出されていない「無戸籍児」であるという事実に直面した少女・玲。母の壮絶な過去と自らの出生の秘密を知っていく上で、江口扮する父親ほど年の離れた男・樹山と心を通わせていく。許されない罪を背負う樹山と時にすれ違い、引き裂かれながらも、2人は次第に距離を縮め…。贖罪と許しをテーマに、辛い運命に直面しながらも一歩踏み出そうともがく人々の姿を描く。
離婚後300日問題と無戸籍問題を取り上げたサスペンスラブストーリーである。
武井咲は前クールのテレビ朝日系ドラマ「Wの悲劇」から2クール連続の連ドラ主演であり、フジテレビ系列の連ドラは今作が初主演である。また、江口洋介はフジテレビ系「スクール!!」から1年半ぶりの連ドラ出演である。
キャッチコピーは「私は、ここにいるのに、どこにもいない。」
ストーリー
パティシエを目指す谷崎玲(武井咲)は、母親と妹との3人暮らし。貧しいながらも肩を寄せ合って生きてきた。高校を卒業した玲に、ある日、アルバイト先の洋菓子店で正社員に抜擢されるというチャンスが舞い込む。だが必要な書類を取りに、樹山龍一郎(江口洋介)が勤める区役所へ行くと、そこで自分には戸籍が存在しないという衝撃の事実を知る。一方、生活保護を受けるため、区役所に来ていた草野広太(中村蒼)は、なぜか玲と樹山のやり取りに耳を傾け、玲について調べ始める。
キャスト
谷崎 玲 (18) - 武井咲(幼少期:横溝菜帆 / 少女期:佳音)
パティスリー・シャルロットのアルバイト。純粋で誰にでも優しくフレンドリーな性格。パティシエールを目指し、フランス留学を希望していたが、自分の戸籍がないという事実を知り衝撃を受ける。高校在学中からバイトとして洋菓子店シャーロットに入る。そこで努力や才能が認められ、バイトながらアップルパイの担当を任されたり、社員に推薦される。今は店長と同僚の理解を得て、戸籍が得られるまで社員採用を待ってもらっている状態である。
樹山 龍一郎 (42) - 江口洋介
元新聞記者。南区役所臨時職員。過去の贖罪で片岡親子と同居している。戸籍がない状況で苦しむ玲に助言や励ましの言葉を送る。
谷崎家
谷崎 麻央 (14) - 小芝風花
玲の妹。感が鋭く、姉と母の行動を不信に思う。葉子の殺人未遂騒動が原因で、ラケットに落書きをされるなどのいじめに遭う。
谷崎 葉子 (39) - 木村佳乃
玲と麻央の母。北深医療センター介護士。DVが原因で別れた元夫の鮎川宏基に娘の存在を知られたくないという理由と、鮎川と離婚してから約10ヵ月後に長女・玲を出産し、玲を再婚相手である谷崎啓介の籍に入れることが出来なかったため、無戸籍者にさせてしまう。また、長女の戸籍を新しく作ることに難色を示す。玲は自分の娘だと言い張る鮎川を刺そうとし、そこで止めに入った父親を誤って刺してしまう。
谷崎 啓介 - 神尾佑
玲と麻央の父。14年前に事故で他界する。 葉子と入籍してから3ヵ月後に玲が産まれている。
谷崎 香緒里 (62) - 浅田美代子
玲と麻央の父方の祖母。葉子と玲には辛く当たり、麻央だけを溺愛する。
パティスリー・シャルロット
井川 さつき (24) - 原幹恵
社員パティシエール。製菓専門学校卒業後、社員として店に就職する。玲と同じく社内研修制度のパリ留学を希望しており、店長に優遇されている玲を見ているうちに、嫉妬心が芽生えていく。
西川 純 - 清水一希
バイト仲間。優しい性格で、玲が無断欠勤した夜に家を訪ねて励ましたり、無戸籍だとわかった後も何かと気遣ったりしている。
磯辺 隆 - 市橋正光 / 安藤 典子 - 松田沙希
玲の先輩社員パティシエ。怜の成長を温かく見守っている。
安倍川 衣里 - 橋本麗香
店長。さばさばした性格をしている。玲のパティシエールとしての努力と才能を高く評価し、正社員に推薦する。
南区役所
筒井 宗太郎 - 勝信
田所 光子 - 濱田マリ
市民課戸籍係。樹山の上司。明るく大らかな性格をしており、積極的に樹山へ仕事上の助言を行う。
その他
草野 広太 (21) - 中村蒼
生活保護の受給申請の相談をするために南区役所を訪れ、その時に見かけた玲に興味を持つようになる。無戸籍の人が集まるサイトで、「ウイスキーボンボン」というハンドルネームを使って玲の相談に応じている。実は玲と同じく無戸籍児で、これまで必死に1人で生きてきたため、義務教育もまともに受けていない。
中津 大輔 - RIKIYA
週刊東西編集部記者。新聞記者時代の樹山の後輩。今でも樹山を慕っており、新聞社への復職を訴える。
片岡 直人 - 笹原尚季
片岡 亜沙美 - 霧島れいか
青木 一真 - 清水伸
樹山が玲に紹介した戸籍裁判に置ける事例に精通している弁護士。
鮎川 宏基 (39) - 要潤
谷崎葉子の元夫。結婚していた当時、妻への過度な暴力をはたらき、そのことが原因となり離婚する。葉子の父親である夏目のもとをたびたび訪れてはお金を受け取っていた。当初、玲の前では温和な態度を取っていたが、後に本性を現す。
夏目 周作 (63) - 北大路欣也
谷崎葉子の実父。旭川精密機器株式会社社長。最近、玲たちが暮らす町に越してきた。玲が店頭で接客をしている時、必ず玲の作ったアップルパイを買っていた。葉子と鮎川の仲裁に入るが揉みあっているなかで誤って刺されてしまう。
スタッフ
脚本:渡辺千穂
演出:河野圭太、城宝秀則
音楽:井筒昭雄
音楽プロデューサー:志田博英
演出補:池辺安智
記録:津嶋由起江
音響効果:本郷俊介
視覚効果:江崎公光
CG:豊直康
タイトルバック:本田貴雄
協力:葛飾区役所
取材協力:全国連合戸籍住民基本台帳事務協議会
製菓監修・指導:辻調グループ校(エコール辻東京)
菓子制作:パティスリー・ブリーズ
デザインコーディネーター:小泉雄士
コピーライター:須藤正晴
編成企画:太田大
プロデュース:川西琢
プロデュース補:木村政和
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
主題歌
BUMP OF CHICKEN「firefly」(トイズファクトリー)
挿入歌
アデル「Set Fire To The Rain」「Someone Like You」(XL Recordings / Hostess)
各話あらすじ(2012.07.10 - 2012.09.18)全11話 平均視聴率 9.73%
第1話 2012年7月10日「無戸籍…存在しない少女と罪を背負った男、衝撃の夏が今始まる」 (初回15分拡大 21:00〜22:09)
パティシエになる夢を持ち、洋菓子店で働く玲(武井)は、仕事ぶりが評価され、来月から正社員に登用されることになる。玲は必要書類をそろえるため、仕事を終えてから区役所の夜間受付を訪ねる。応対したのは樹山(江口)という時間外受付を担当する臨時職員だった。樹山は、かつて大手新聞社の記者として活躍していたが、ある事件をきっかけに新聞社を去って以来、誰の邪魔にもならないようひっそりと暮らしていた。身分を証明するものを持っていなかった玲は帰宅後、健康保険証を探すが、見つかったのは介護士の母・葉子(木村佳乃)と妹・麻央(小芝風花)のものだけだった。翌日の夜、玲は健康保険証の代わりに、店長の衣里(橋本麗香)から受け取った在籍証明書を樹山に提出。すると樹山は、住民登録がされていないことを玲に告げる。
第2話 2012年7月17日「今夜衝撃の告白!母の壮絶な秘密が今私を襲う」
アルバイト先の洋菓子店を飛び出した玲(武井咲)は、転倒して負傷し、救急車で病院に搬送される。玲の母・葉子(木村佳乃)が病院に駆け付けるが、玲は顔も見たくない、と葉子に言い放つ。退院した玲は、玲の無断欠勤を心配したアルバイト仲間の純(清水一希)から励まされ、店に出勤する。衣里(橋本麗香)は玲から事情を聴こうとするが、玲は答えることができない。衣里は困惑しながらも、正社員採用に必要な書類をもらってくるよう玲に命じる。その夜、玲は無戸籍に苦しむ人たちが集まる「ひまわり」というサイトに、戸籍をつくるために必要なものを教えてほしい、と書き込む。一方、樹山(江口洋介)は葉子を訪ね、戸籍をつくる際の制度が以前とは変わっていることを伝える。
第3話 2012年7月24日「母娘哀しき断絶!そして新たな悲劇開幕」
待ち合わせ場所に現れない母・葉子(木村佳乃)を諦め、家に戻った玲(武井咲)は、葉子の携帯電話が警察に届けられていることを知る。葉子の件を知った祖母・香緒里(浅田美代子)は、葉子は周りに迷惑を掛ける人だと玲に告げ、玲たちの父・啓介(神尾佑)が事故死したのも葉子のせいだと言いだす。一方、葉子が家を出たまま戻らないことに不審を抱いた麻央(小芝風花)は、玲を問い詰める。麻央は自分だけが仲間外れだと泣きだし、こんな家にいたくない、と言い残して香緒里の家に行ってしまう。一人残された玲は、母子手帳や卒業証書などを手に区役所へ向かい、もう母には頼らないで、自分でできることをやると樹山(江口洋介)に告げる。
第4話 2012年7月31日「直接対決!いま襲い掛かる同情という名の悪意」
自転車で帰宅途中の玲(武井咲)は、曲がり角で人影に気付き、バランスを崩して転倒する。手を差し伸べた鮎川(要潤)は、散らばった拍子に破れてしまったテキストなどを拾い、玲に謝る。玲が自宅に戻ると、インターネットで知り合った草野(中村蒼)からメッセージが届いていた。心配してくれている草野に、玲は母を待つことにしたと報告し、感謝の気持ちを伝える。翌日、仕事を終えた玲は、閉店間際にやって来た草野と一緒にカフェを訪れる。そこで玲は、草野が子供のころから一人で生きてきて、義務教育も受けていないことを知る。
第5話 2012年8月7日「最悪の悪夢がやって来た…あの男がついに」
玲(武井咲)は、母・葉子(木村佳乃)の協力の下、戸籍を作るために必要な書類を樹山(江口洋介)に提出する。戸籍はいったん以前の鮎川姓で作り、その後、現在の谷崎姓に移すと樹山は話す。すぐに谷崎姓に戻ることにほっとする玲だったが、葉子は笑顔を見せつつも不安を感じる。翌朝、玲がアルバイト先の洋菓子店で戸籍が取れそうだと報告すると、店長の衣里(橋本麗香)たちは喜び、玲につらく当たっていたさつき(原幹恵)も祝福する。その日、店の表に鮎川(要潤)がやって来る。店内で働く玲を見つけ、不敵に笑う鮎川は店の中に入る。偶然の再会に驚く玲に合わせ、鮎川も驚いたそぶりを見せる。そんな折、玲は草野(中村蒼)から誘われ、無戸籍の人たちが集まって情報交換をする会合に参加する。
第6話 2012年8月14日「19年の秘密…すべてを切り裂く訪問者」
玲(武井咲)は、鮎川(要潤)におびえる葉子(木村佳乃)を守るために、鮎川の戸籍には入らずに戸籍を取得する裁判を行う、と樹山(江口洋介)に伝える。樹山の助けを受け、玲は法律事務所を訪れ、裁判のことを相談する。弁護士は、谷崎姓での戸籍取得には、まず玲が鮎川の子供ではないという「親子関係不存在」が認められる必要があり、その上で発行される「裁判所の謄本」と「確定証明書」を出生届と一緒に区役所に提出することで可能だと話す。玲は、裁判をするために法律事務所に行ったことを葉子に話す。葉子に悲しい思いをさせたくない一心での考えだったが、葉子は意外な反応を見せる。
第7話 2012年8月21日「私は誰の子?惨劇の一夜」
包丁を持って鮎川(要潤)に突進した葉子(木村佳乃)を止めようとした夏目(北大路欣也)に、包丁が突き刺さる。夏目は、ぼうぜんとする玲(武井咲)たちに、自分のけがはあくまで事故だと言い聞かせる。夏目は救急車で病院に運ばれ、玲たちはそれぞれ警察で事情を聴かれる。玲は警察署で葉子を待つが、葉子が拘留されることを刑事から聞く。刑事たちに挟まれ、取調室から別室へ向かう葉子の姿を見た玲は泣きじゃくる。玲が警察署から出てくると、そこへ樹山(江口洋介)がやって来る。警察署に入っていく玲に気付いた中津(リキヤ)が、樹山に連絡をしたのだ。心配して家まで送る樹山に事情を話すうちに、玲は鮎川が本当の父親なのではないかと疑う。
第8話 2012年8月28日「一編の記事が全てを壊す…今はただ抱きしめて」
麻央(小芝風花)は部活動で使用しているテニスラケットのカバーに「殺人鬼の娘」といたずら書きされ、葉子(木村佳乃)は仕事を解雇された。しかし、麻央も葉子も、玲(武井咲)に心配を掛けまいと明るく振る舞う。草野(中村蒼)から玲のことを聞いた中津(リキヤ)は、週刊誌に彼女を題材にした「無戸籍児の現実」というルポを書き、記事は大きな反響を呼ぶ。すぐにインターネット上に飛び火し、玲の個人情報がさらされてしまう。玲が働く店の店長・衣里(橋本麗香)には、本社から事情を聴きたいと連絡が入る。さらに葉子は、せっかく決まった再就職先から断られ、麻央へのいじめもエスカレートする。
第9話 2012年9月4日「悪夢の晩餐会へようこそ…遂に明かされる家族の謎」
鮎川(要潤)からの携帯電話の着信記録に気付いた玲(武井咲)は、彼に電話をかける。鮎川は、彼の娘でないことを証明したいという玲の思いを受け、DNA鑑定のために東京へ来ることを約束する。翌日、玲は心配して付き添ってくれた樹山(江口洋介)と一緒に鮎川を待つ。だが、鮎川は到着時間を過ぎても現れず、電話をかけても、一度はつながったものの鮎川の声は聞こえてこなかった。鮎川は、羽田空港に到着した後に、激しい腹痛で意識を失っていたのだ。それを知らない玲は、鮎川と真剣に向き合おうと思っていただけに、むなしい気持ちになる。樹山は、そんな玲を「飛行機が遅れることもある」と言って励ます。
第10話 2012年9月11日「天国か地獄か…ついに明かされる出生の真相!」
樹山(江口洋介)は玲(武井咲)に、亜沙美(霧島れいか)のことを謝り、罪滅ぼしのために亜沙美たちといるわけではないと話す。しかし玲は、樹山は亜沙美と同じ方向を向いていないと指摘する。立ち去ろうとする玲の目の前に鮎川(要潤)が現れ、DNA鑑定に必要な書類などが入った封筒を差し出す。封筒を受け取り、去ろうとする玲を見て、ほほ笑みを浮かべる鮎川だったが、彼の腹部に再び激痛が走る。鮎川を病院に運んだ玲と樹山は、医師から鮎川が膵臓(すいぞう)がんに侵されており、余命が短いことを告げられる。玲は、一度は決意したDNA鑑定に迷いを覚えるが、草野(中村蒼)に背中を押される。草野と別れた玲は、意を決し、ポストに書類を投函(とうかん)する。
最終話 2012年9月18日「絶望の果てに見た光…2人の最後の答え」
DNA鑑定の結果を知った玲(武井咲)は、一人で町をさまよい歩く。気が付くと、アルバイト先の洋菓子店に来ていた玲は、自分の過酷な運命を思って泣き続ける。そこへ、玲を捜して樹山(江口洋介)がやって来る。玲は、自分が鮎川(要潤)の娘だったことを打ち明ける。冷静さを失った玲を優しく受け止める樹山は、鮎川が危篤で、玲の名前を呼んでいることを告げる。樹山と一緒に鮎川のいる病院に来た玲は、看護師に促され、彼のそばに行く。玲に気付いた鮎川は、リンゴのガラス細工を渡そうとするが、玲は「あなたなんて父親じゃない」と言って、病室を飛び出す。
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