木下圭介(豊川悦司)は、医師の古賀豊(安田顕)から、若年性アルツハイマーだと診断される。しかし圭介は、愛娘の美雨(芦田愛菜)はもちろん、勤務先の中村産業の同僚たちにも病気のことを打ち明けることができずにいた。圭介のようすがどこかおかしいことに気づいた美雨は、友だちの新井小太郎(高木星来)に相談する。すると小太郎は、それは“オンナ”ができたからだという。小太郎の母親・春子(国生さゆり)も、新しい恋人ができると圭介と同じようにボーっとしたりため息をついたりする、というのだ。
同じころ、中村産業の社長・中村富美夫(蟹江敬三)は、大事な取引先との打ち合わせで使う見積もり書を圭介に手渡していた。富美夫はそのついでを装い、突然出戻ってきた娘の西脇アカネ(中谷美紀)から何か話を聞いてないか、と圭介に探りを入れる。圭介が何も聞いていないと知った富美夫は、妻の千恵子(丘みつ子)にせっつかれてアカネに声をかけたものの、結局は何も聞けずにいた。
アカネが書店にいると、仕事を終えた圭介が入ってきた。圭介はアカネの存在に気づかずに医療コーナーへと進むと、アルツハイマーに関する本を手にしてレジへ向かう。清算しているときにアカネから声をかけられた圭介は、慌てて本を隠そうとし、人に頼まれたと言いながら足早に去ってしまう。
家に戻った圭介は、書店の袋を見た美雨から何の本を買ったのか、と聞かれ、思わず大人の本だと答える。ますます不審を抱いた美雨は、夕食の際、「オンナができたんでしょ?」と切り出した。圭介は驚きながらもすぐさまそれを否定し、父ちゃんには美雨がいるから彼女なんかいらない、と返す。その夜、圭介は、買ってきた本やパソコンで若年性アルツハイマーの症状や介護施設について調べ…。
あくる日、病気のことが気になって仕事に身が入らない圭介を、後輩工員の勝田秋生(三浦翔平)がからかった。が、秋生が冗談で言った言葉に過剰に反応して、つい胸ぐらをつかんでしまう圭介。するとそこに、富美夫が血相をかえて圭介を呼びに来た。圭介が打ち合わせに来ない、と取引先から連絡が入ったのだ。圭介は、しばらく呆然としていたが、ようやく見積書のことを思い出し、慌てて先方の会社へと向かった。
帰り道、圭介は、パソコンで調べた介護施設に立ち寄る。そこで圭介は、入居者の姿に自分を重ね、ショックを受けてしまう。
その日は、美雨の8歳の誕生日だった。千恵子たちも、誕生祝いのパーティーの準備を始めていた。工場に戻っても車から降りずに考え事をしていた圭介に、秋生が声をかけた。あと30分ほどで美雨の誕生パーティーが始まるというのだ。圭介は、それすらも忘れていたことに動揺しながらも、美雨と約束していたプレゼントを買うために、近所のショッピングセンターへと向かうが…。
第1話 2012年7月1日「最近、父ちゃんは忘れ物が多い…」
第3話 2012年7月15日「…父ちゃん、アルツハイマーってなに?」
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