ラテ欄「今回は、密室が破られません」
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)に連れられ、築百年という日本家屋にやってきた。ふたりを案内したのは、家主・西野(吉田鋼太郎)の友人・遠藤(平田満)だ。先日、この家で中学生の長女・愛美(森迫永依)が死亡したが、顔に殴打の跡があったため、警察は他殺と断定、第一発見者の西野が容疑者として連行された。西野をよく知る遠藤は、犯人は別にいると主張、西野の長男で4年前から失踪中の猛(郭智博)かもしれない、と明かした。
殺人現場が密室だったという理由で、遠藤は芹沢豪(佐藤浩市)に調査を依頼したが、芹沢が休暇中のため、純子は榎本とふたりで調査に来た。
榎本は、西野邸の玄関に付けられた特殊な鍵に注目。泥棒とは無縁という田舎にはふさわしくない重装備に思えた。合鍵を持つのは西野と愛美だけだが、愛美の遺体が発見されたとき、玄関は施錠されていて、愛美の合鍵は室内にあった。鍵なしで外から施錠することはできない上、犯行時刻に西野邸からほど近いリンゴ園で作業中だった女性も、侵入者は見ていないと話した。
遠藤は、愛美が帰宅したとき室内に誰かが潜んでいた可能性を示唆。電話をしながら帰宅した愛美の通話相手が、愛美が「誰?」と言ったあとに通話が途切れたと証言したからだ。
犯人の逃走経路として考えられるのは、なぜか開け放たれていた1階の窓のみ。しかし、榎本は、そこから逃走したのならあるはずの足跡がない、と指摘した。
その日の夜、榎本とともに西野邸にいた純子は用を足そうとするが、汲み取り式のトイレにおじけづく。そこへ、トイレの窓の外をふわりと青い光が横切った。
その後、榎本と純子は、事件前夜に猛が村で目撃されていたと聞く。
・・・そこまでして現場を密室にしなければならない理由っていうのが、どうしても分からないんですよ。
翌日の調査で、何者かがリンゴ園の脚立を使って2階の窓から侵入した可能性が浮上。しかも、鍵の不具合があった窓から入ったと思われるため、それを知っていた人物、つまり猛である確率が高くなった。
休暇から戻った芹沢も参加し検証を重ねるが、犯人が逃走した形跡を見つけることができない。
そこへ、猛が住んでいた東京のアパートが見つかった、と遠藤から連絡が入る。アパートの警報システムが作動したため、警備会社のスタッフが駆けつけドアを開け、猛は不在だったが、実家から持ち込んだと思われる金塊が見つかったという。榎本は、猛が金塊を置くために自宅に戻ったのであれば、まず、警報システムを解除したはずだと指摘。それをせず、アラームが鳴り続けていたというのは、警報システムを知らない人間、そんなものとは無縁な場所で生まれ育った人間の仕業なのでは、と言った。しかし、もし西野の犯行だとしたら、愛美が帰宅したときに家にいたのは誰なのだ、と純子が尋ねた。言葉に詰まる榎本に純子は、幽霊ではないか、と言った。すると、榎本にひらめきが起こった。
この密室は、破れません。
西野邸に集まった人々を前に、榎本は話し始めた。事件前夜、4年ぶりに帰宅した猛は、家族全員が留守なのを知り、2階の窓の鍵を外して室内に侵入、一夜を過ごした。翌日、帰宅した愛美と鉢合わせになり口論の結果、愛美を殺害してしまった。そこへ、西野が帰ってきた。長年、猛の素行の悪さに辟易していた西野は、妹を殺害してもなお悪態をつく猛を殺害、自宅に保管していた20数sの金塊を重石として結びつけトイレに沈めたのだ。その後、北側の窓を開け犯人が逃走したように偽装したが、外に足跡がないことを榎本たちに気づかれたため、猛のアパートに金塊を隠し、警察に犯人だと断定させようとしたのだ、と。
その後、東京に戻った榎本がひとり錠前をいじっていると、後ろで青い光が立ちのぼった。榎本が振り返ると、それは消えて…。
第1話 2012年4月16日「チグハグトリオが挑む、最初の密室事件」
第2話 2012年4月23日「窃盗事件と練炭自殺 今夜も密室事件です」
第3話 2012年4月30日「美人棋士VS榎本!盤面が語る密室の謎」
第4話 2012年5月7日「先入観殺人!被害者はスパイダーマン!?」
第5話 2012年5月14日「鍵のかかっていない部屋」
第6話 2012年5月21日「舞台を密室にした犯人の話」
第8話 2012年6月4日「芹沢、めざましテレビで大失言!?」
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