キャッチコピーは「私の命を救えるのはただ一人 世界で一番憎い初恋の人。」
概要
ラブストーリーの名手・中園ミホのオリジナル脚本で大人の三角関係を描く。出産後初の連続ドラマ主演となる木村佳乃は、仕事も家庭にも恵まれた主人公・村上緑を演じ、自身の病を機に初恋の人と再会。伊原剛志演じる初恋相手と青木崇高演じる年下の夫の間で揺れ動きながら、愛と苦悩を交錯させる。迷いながら人生を紡ぎ、40歳を過ぎて再び巡り合った男女は、美しく狂おしい愛の世界にいざなわれていく。
ストーリー
言語聴覚士の村上緑(木村佳乃)は、愛する夫・潤(青木崇高)と幼い息子とともに幸せに暮らしていた。だがある日、緑は手術が極めて困難な肝臓がんだと診断される。その手術を成功させられるのは、現在海外で執刀する、ある1人の医師だけだった。潤の奔走の末、緑はその医師に会うことが叶うが、目の前に現れたのは初恋の人・三島匡(伊原剛志)だった。かつて三島の信じられない裏切りで絶望の淵をさまよった緑は、思わぬ再会に動揺してその場を逃げ出すが、愛する家族のために再び生きる決意をし、三島に命をゆだねることになる。
登場人物
主要人物
村上 緑 - 木村佳乃(1984年代:橋本愛)
旧姓:豊崎。富士峰リハビリセンターリハビリテーション科言語聴覚士。肝臓がんを宣告される。
高校時代から同級生の三島と交際し、彼が東京の医大へ進学した後も遠距離恋愛を続けていたが、妊娠したことを相談しに行った際に「君を好きだと思ったことは一度もない」と一方的に別れを告げられ、子どもも流産してしまう。三島の言葉による失恋で「言葉の持つ力の強さ」を実感し、言語聴覚士になった。以後、35歳で潤と結婚するまで恋愛から遠ざかっていた。
執刀医が三島であることを知り、一度は手術を拒否するが、家族のことを考え手術を受ける。術後、「がんは全て切除した」という三島の言葉を信じ、家族の前では明るく振る舞うが、体調に違和感を覚え、自分は進行がんで既に再発しているのではないかと不安を募らせ、思わず三島に電話で助けを求めてしまう。胸水の貯留を我慢していたことによる痛みであるとの丁寧な説明を受け、安堵する。
三島 匡 - 伊原剛志(1984年代:小林ユウキチ)
1969年生まれ、静岡県出身。パリ医科大学教授、肝臓外科医の権威。世界初の肝尾状葉単独全切除を執刀するため、日本に帰国する。
手術後は再びパリへ戻る予定だったが、手術内容は完璧だった患者(母校の名誉教授)の容体が急変し亡くなる。自身の名誉を守るために、潤の妻が緑だと知らぬまま、妻の手術を懇願してきた彼の願いを引き受ける。
実家は酒屋だったが、高校時代、恋人だった緑の母親の死をきっかけに医師を目指し、猛勉強の末に東京の医大に進学する。緑との遠距離恋愛は続いていたが、妊娠のことを相談しに東京へ来た緑の話を聞くことなく突き放すような言葉で一方的に別れる。
緑の手術から約1年後、パリに戻り精力的に働いていたが脳出血で倒れ、失語症を患う。幸絵に連れられ日本へ帰国し、富士峰リハビリセンターで患者として緑と再会する。
村上 潤 - 青木崇高
緑の夫。リバーライフ生命営業所所長。はつらつと仕事をする緑に一目ぼれし、何度交際を断られても諦めず想いを伝え、結婚までこぎつけた。
妻の手術を執刀できるのは、偶然日本に帰国していた三島しかいないことを知り、懇願する。妻と三島が同級生だったことを義父との日常会話で知り、緑がなぜ言わなかったのかと関係を勘繰ってしまう。
豊崎 勝 - 串田和美
緑の父。理容トヨサキを営んでいる。緑が高校生の時、妻が他界する。
村上 健太 - 里村洋
緑、潤の息子。この春、小学校に入学する。
蛯名 幸絵 - 佐藤江梨子
匡の元妻。蛯名教授の娘。
広瀬 光二 - カンニング竹山(1984年代:泉澤祐希)
緑、匡の高校時代の同級生。妻と弁当屋「YO! ヒロセ」を経営している。三島との関係は潤に言わない方が良いと緑に忠告する。
広瀬 ゆり子 - 安藤玉恵
光二の妻。緑、匡、光二の高校の後輩。
酒井 桃子 - 藤澤恵麻
リバーライフ生命の生保レディ。仕事の失敗を助けてもらって以来、潤のことが気になっている。
青山 千香 - ソニン
記者。匡に近づき、どの媒体にも発表されていない世界的な手術成功の記事を掲載し、好評を得る。取材していく中で三島の過去に興味を持っていく。
中山 貞夫 - 大竹まこと
緑の担当患者。病に倒れ、失語症を患う。
東都医科大学
野田 幾也 - 山中崇
医師、緑の担当医。
高野 秀則 - 中原丈雄
教授。
蛯名 徹 - 平田満
教授、匡の恩師。
その他
雪村 可奈 - 平澤宏々路
16年前、岡倉教授の執刀中、出血性ショックに陥り死亡する。三島は患者を救えず死なせてしまったことを今でも悔やんでおり、このことが原因で渡仏する。
スタッフ
脚本 - 中園ミホ
音楽 - 渡辺善太郎
演出 - 井上剛、一木正恵、岡田健
医事監修 - 高山忠利(日本大学医学部)
看護指導 - 川原千恵美、松崎玲奈
言語聴覚療法監修 - 日本言語聴覚士協会
フランス語指導 - 杉浦愛力
ピアノ指導 - 鈴木奈緒
理髪指導 - 中川勝利
取材協力 - 大原麻美、福田直
撮影協力 - 静岡県富士宮市
制作統括 - 小松昌代、菓子浩
制作著作 - NHK
主題歌
MISIA「恋は終わらないずっと」(Rhythmedia Tribe)
各話あらすじ(2012.5.22 - 2012.7.17)全10話 平均視聴率 8.46%
第1話 2012年5月22日「STAY GOLD」ラテ欄「STAY GOLD・甘く狂おしい再会」
緑(木村佳乃)は、優しい夫・潤(青木崇高)と息子・健太(里村洋)に囲まれ、言語聴覚士として幸せな日々を送っていた。それは、初恋相手に裏切られ、絶望のふちをさまよった後の幸せだった。ある日、緑は肝臓がんを宣告される。手術は極めて困難で、救えるのはただ1人の医師だけという。潤の奔走のおかげでその医師との面会にこぎ着けるが、緑の目の前に現れたのは、世界で一番会いたくない初恋の人・三島(伊原剛志)だった。
第2話 2012年5月29日「Frozen Memory」ラテ欄「フローズンメモリー〜とけていく痛み」
手術のために入院した緑(木村佳乃)は、三島(伊原剛志)の前ではかたくなな態度を崩さない。しかし、内心は手術への不安で押しつぶされそうだった。夜、息子の健太(里村洋)に電話をする緑に母の姿を見た三島は、不安を隠すその背中に「絶対に歩いて帰す」と語り掛ける。患者と医師としての距離を保とうとする二人だが、時折見せる面影が高校時代の郷愁に誘う。そして手術の日、眠る緑を前に三島の胸中にかつての日々が去来する。緑も同じ夢を見ているようだった。手術は成功した。愛する妻の命を救ってくれた三島に潤(青木崇高)は深々と頭を下げるが、かつての二人の関係を知らない。退院の日、病室から車までお姫様だっこで緑を運ぶと張り切る潤だったが、仕事先のトラブルで急きょ迎えに行けない。仕方なく一人で帰ろうとバス停留所に向かう緑を引き留めたのは三島だった。故郷まで緑を送る三島の車と、駆け付ける潤の車が擦れ違う。
第3話 2012年6月5日「Secret Place」ラテ欄「シークレットプレイス優しい嘘つかないで」
緑(木村佳乃)を車で送った三島(伊原剛志)は、16年ぶりに故郷の土を踏む。ずっと謝りたかったと過去を振り返る三島に緑は、もう昔の自分ではないと言い返す。緑の息子の健太(里村洋)や父の勝(串田和美)、幼なじみの広瀬(カンニング竹山)らによって退院祝いが開かれる中、夫の潤(青木崇高)が飛び込んでくる。潤は迎えに間に合わなかったことを謝り、三島が送り届けたことを知って感激する。夫の姿を見て、緑は複雑な気持ちになる。初めての検診の後、三島は自室でのランチに緑を誘う。和やかな会話の中でも気丈に振る舞い、過去を忘れたかのような緑を見て、彼女が幸せの中にいると感じた三島は、パリに戻る決心がついたと告げる。しかし再発の恐怖におびえる緑は、パリに旅立つ直前の三島に電話をかけてしまう。
第4話 2012年6月12日「Innocent Night」 ラテ欄「イノセントナイト〜せつない秘めごと」
大学病院で落ち合った緑(木村佳乃)に三島(伊原剛志)は処置を施す。胸にたまった水を抜いて熱も下がったが、今夜は入院の必要があるという。だが、病室に空きはなく、三島は自分の居室をひと晩提供する。三島を頼ることで安心感を得ている自分に気付いた緑は、16年前のつらい出来事を思い出しながら眠る。三島を意識する緑は、迎えに来た潤(青木崇高)に三島のことを聞かれても黙り込んでしまう。しかし潤は、広瀬(カンニング竹山)から聞かされた、三島とは同級生だが親しくなかったという言葉を信じ込もうとしていた。そして広瀬は三島を訪ねる。広瀬の真意に気付いた三島は、緑の今の幸せを壊さないと約束する。三島がかつて大切に持っていた写真の高校生が緑だと思い出した元妻の幸絵(佐藤江梨子)は、緑の気持ちを探ろうと、三島がパリで築いたキャリアを捨てる覚悟で成田空港から戻ったと緑に話す。
※2012年6月19日は台風4号に伴う「ニュースウオッチ9」拡大放送のため休止。
第5話 2012年6月26日「True Heart」ラテ欄「トゥルーハート〜もう傷つけない・悲しい声」
三島(伊原剛志)の腕の中から逃れるように帰った緑(木村佳乃)は、動揺と後ろめたさを引きずったまま潤(青木崇高)に接する。三島が別れ際に16年前のことを話そうとしたことを思い出しては、電話を気にしてしまう。三島も同じだった。数日後、三島から電話が入る。沼津まで来ているという。昼下がりのオーベルジュで、諦めて三島が帰ろうとすると、緑がやって来た。16年前、大学まで訪ねて来た緑の話も聞かず、残酷な言葉を残して三島は去った。あの時、何があったのかを三島は打ち明けた。バス停留所で離れ難い気持ちを必死にこらえる緑は、泣きだしてしまう。そんな緑の肩を優しく抱きながら、三島はある決心をした。その夜、成田空港へ向かう三島から別れを告げるメールが届く。元の暮らしに戻り、手術を受けてから1年がたった。一方、パリの三島は、蛯名(平田満)からの電話を受けている最中に突然、倒れる。
第6話 2012年7月3日「Endless Kiss」ラテ欄「エンドレスキス〜あわく激しく静かな誓い」
脳出血の後遺症で失語症になった三島(伊原剛志)を元に戻してほしいと幸絵(佐藤江梨子)から頼まれた緑(木村佳乃)は、手を尽くしたいと潤(青木崇高)に持ち掛ける。賛成をした潤だが、緑がこのまま思いを残さないようにとの必死の決断だった。幸絵から三島への思いを聞かされた緑は、言語聴覚士として接することを自分に誓う。緑の幸せを壊さないと決めた自分へのやりきれなさで自失の三島だったが、緑の問い掛けに次第に言葉を取り戻そうと、「これは何か」と指さして尋ねるようになる。そんな時、蛯名(平田満)が三島を大学へ連れていく。復帰のための意欲になればとの気遣いだったが、高野(中原丈雄)らが屈辱の言葉を投げる。ショックを受けた三島は駅からの帰り道、引き寄せられるように公民館へ。三島は迎えに来た緑を指さすと、「ドリ」とつぶやく。その夜、知らされた16年前の真実とは。
第7話 2012年7月10日「Promise」ラテ欄「プロミス〜愛を伝えたくて涙の果ての祈り」
三島(伊原剛志)は見つからず、過去の事情を知った勝(串田和美)から、もう関わるなと言われるが、緑(木村佳乃)は心配で仕方がない。そんな時、中山(大竹まこと)の一言から、ある場所を思い出し駆け付ける。最後に会ったオーベルジュで、三島は涙を流しながら精いっぱいの言葉で、知らなかった妊娠をわびた。緑は優しく16年前の気持ちを話す。そして、あの時に戻れたらとつぶやく。三島に強く抱かれ、二人は取り戻せない時間を埋めるように求め合った。家に帰った緑は、三島を捜していたと言いながら、その場所について問われると、昔、広瀬(カンニング竹山)たちと行った場所だとうそをつく。不審に思った潤(青木崇高)は広瀬に、オーベルジュのある土地の名前を問い、緑のうそを知る。放心の三島から緑に絵文字メールが届く。三島は公民館で待っていた。ピアノの前で緑は、家族のためにもう会えないと伝えた。三島の「さようなら」にありがとうと緑がほほ笑んだ時、そこには潤がいた。
最終話 2012年7月17日「ONLY LOVE」 ラテ欄「オンリーラブ〜ありがとうを言うために」
離婚した緑(木村佳乃)は、知らない町で一人、暮らしていた。そんな緑の前に三島(伊原剛志)が現れ「もう離さない」と抱き締める。それから3年、緑は言語聴覚士として、三島は小学校の医務室などで医師をしながら暮らしていた。緑は、肝臓がんの手術から5年経過した検診で再発が見つかる。手術可能と判断した三島は自分が執刀すると決めるが、その後の検査で門脈腫瘍栓と診断される。なすすべのないことに苦しみながら、三島は緑を故郷に連れていく。家の前で、もう二度と会う資格などないとためらう緑に向かって、家の中から健太(木村友治)が飛び出してきた。大きくなった健太は母をわが家に案内する。潤(青木崇高)は、怒りで母として妻としての緑を手放してしまったことを悔いていた。三島は一人、勝(串田和美)を訪ね、潤に話したのと同じように、緑が最期を過ごすのは、自分が取り上げてしまった家族とでなければと話した。緑は、家族に囲まれ穏やかな時間を過ごす。
各話視聴率
番組公式サイト
(はつ恋 (2012年のテレビドラマ) - Wikipedia)
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