ラテ欄「美人棋士VS榎本!盤面が語る密室の謎」
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)と刑事・鴻野(宇梶剛士)とともに、プロ棋士・竹脇(ゆうぞう)が殺害されたホテルにやってきた。そこはビジネスホテルの一室で、竹脇は背中を包丁で一突きにされ倒れていたという。現場は、窓もドアも施錠されチェーンまでかけられた密室で、室内には将棋盤が残されていた。
榎本は、第一発見者のホテルマンに、部屋を開けたときドアに遺体が触れたかどうかを尋ね、スタッフはチェーンがかかっていたため届かなかったと証言した。
そこへ、来栖奈穂子(相武紗季)が入ってきた。鴻野は竹脇の恋人だという奈穂子に遺留品を見せ、竹脇のものだと確認させた。そのなかに、携帯電話やパソコンがなかったが、竹脇はどちらも持っていなかったと奈穂子は答えた。そして、棋盤にあった駒をひとつ取ると机の上に置いた。そんなとき、奈穂子が最近話題の女流棋士だと気づいた純子は盛り上がる。そして名刺を差し出すと、自分の上司・芹沢豪(佐藤浩市)が竹脇から法律相談を受けていた関係で、今回の事件の捜査協力をすることになったと説明した。
その後、純子は奈穂子に芹沢を引き合わせた。現在、三段の奈穂子は26歳までに四段に昇級できなければプロにはなれない、26歳の自分にとっては、今期が最後のチャンスなのだと明かした。
重要なのは、どうやって目張りをしたのかというより、どうして目張りが必要だったのか、ということかもしれません。
数日後、榎本と純子は将棋会館にやってきた。すると、そこで後輩の棋士・稲垣真理(山下リオ)を慰めている奈穂子に出くわした。真理は、恋人が殺害された奈穂子のことを当人以上に心配しているのだという。その後、三段リーグ戦が行われ、多くの棋士とともに奈穂子も対戦する。榎本と純子が報道陣に紛れて観戦していると、終盤に差し掛かったところで奈穂子の手が止まる。追い詰められたのだ。するとそのとき、奈穂子が深呼吸し髪を右の耳にかけた。それを見た真理は、立ち上がり部屋を出ていった。
数分が過ぎた頃、奈穂子は次の手を指し、勝負を決めた。あと一戦勝てば四段へと昇級が確定するという奈穂子は、報道陣に囲まれた。その様子を見た棋士・中野秀哉(忍成修吾)は、竹脇の死後ますます奈穂子の人気が高まり、竜王戦で八連覇を成し遂げた毒島薫(貴志祐介)がかすんでしまい気の毒だ、と漏らした。さらに、竹脇が携帯を持っていたとも証言した。
そんななか、榎本と純子は棋士で将棋番組の解説をしている谷二郎(児玉頼信)を収録スタジオに訪ねる。谷は竹脇を恨んでいる人間は腐るほどいて、毒島もそのひとりだと証言した。その後、谷は、毒島が指した「1六桂」という手について解説しはじめた。トッププロでさえ気づかなかった絶妙手だという一手を見た榎本は、それが殺害現場に残された局面と同じだったと気づく。
さらに榎本は、奈穂子と真理が最近リーグ戦で残した手順が、将棋ソフトが選ぶ手と9割近く一致することも突き止めていた。奈穂子と真理が協力して不正を行っていたと推測すると、すべての辻褄が合うという。
あなた自信が、自白に近い行動を取ってるんですよ。 いつですか? 殺害現場で、初めてお会いした時です。
数日後、奈穂子は、榎本と純子が見守るなか、再び三段リーグ戦を戦った。すると、またしても終盤で奈穂子の手が止まる。ジリジリと時間が過ぎるなか、奈穂子は深呼吸し髪を右耳にかけた。それを合図に真理は席を立った。純子がこっそりそのあとを追うと、真理はパソコンを取り出し、将棋ソフトに奈穂子の手を打ち込んだ。そのとき、人の気配を感じた真理が顔を上げると、純子が立っていた。
その頃、奈穂子は、真理から携帯のコール数で次の手が知らされるのを待っていた。ところが知らせは来ず、奈穂子は敗退、プロ入りの夢が断たれた。
榎本は、奈穂子が竹脇を殺した理由を、携帯による不正を知られ、携帯を取り上げられたからだろうと話した。ついにすべてを認めた奈穂子は、気が楽になった、と言って笑顔を見せた。
第1話 2012年4月16日「チグハグトリオが挑む、最初の密室事件」
第2話 2012年4月23日「窃盗事件と練炭自殺 今夜も密室事件です」
第4話 2012年5月7日「先入観殺人!被害者はスパイダーマン!?」
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