ラテ欄「窃盗事件と練炭自殺 今夜も密室事件です」
榎本径(大野智)は、甥が死亡したという会田愛一郎(中村獅童)を連れ、青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)を訪ねてきた。甥の大樹は、自室で練炭による一酸化炭素中毒で死亡し自殺とされたが、会田は大樹が妹・美樹(福田麻由子)を残して死ぬとは思えないと言う。
大樹が死亡した日、会田は兄妹の継父で、中学校の科学教師・高澤(嶋政宏)からの連絡で高澤家にやって来た。美樹が大樹の部屋のドアを叩くが開かず、なかから反応もない。そこで、高澤が電動ドリルでドアノブの上に穴を開けた。その穴から会田が工具を差し入れ、ついに鍵は開いた。しかし、ドアと窓には隙間を埋めるように内側からビニールテープが貼られ、ドアを開ける際、ベリベリとテープがはがれる音がし、室内では紙テープの切れ端が舞い上がったという。壁には、紙テープで綴られた「サヨナラ」という文字があり、ベッドでは大樹が死亡していた。
3年前に母親を亡くした兄妹は高澤に育てられていたが、多額の遺産を受け継ぐため高澤に殺されたのでは、と会田は疑っていた。
榎本は、ドアと窓を密閉していたのが、ガムテープではなくビニールテープだったことが気にかかる。仮に高澤が犯人だったとして、施錠された窓やドアの内側からどうやってテープを貼ったのか、榎本は、純子、芹沢と可能な方法を考えるがどれも決定打にはならない。
重要なのは、どうやって目張りをしたのかというより、どうして目張りが必要だったのか、ということかもしれません。
そんな折、榎本は、美樹から会田はどんな人なのか、と尋ねられる。幼い頃の美樹は、叔父の会田と親しい関係だったが、会田が窃盗や傷害事件を起こし逮捕されたのを嫌い疎遠になっていた。しかし、大樹の件で必死に犯人を探す姿を見て、美樹は揺れていた。榎本は、人の評価は当てにならないから自分で確かめるべきだと言って立ち去る。
その後、榎本の「備品倉庫室」にダンボールを持った美樹がやってきた。大樹の部屋ではがしたビニールテープを何かの役に立てば、と言って託した。
榎本らはそのビニールテープを窓やドアに貼り直して現場を復元、それにより、ドアのテープが静電気を利用して貼られたものだと推測できた。これで、犯人が大樹を殺害後にドアから退室し、その後、ドアが密閉された可能性が高まった。ここで榎本は、改めてテープによる密閉の必要性を考える。最近の住宅は気密性が高いから、練炭で殺害するにもドアと窓を閉めるだけで十分なのに、さらに密閉したということは、完璧な気密性が必要だったのだ、と。そのとき、純子が芹沢のジャケットについていた紙切れを取ってやる。それを見た会田は、自分のポケットから紙テープの切れ端を取り出した。大樹の部屋を破ったとき、室内に舞い上がった紙の一部だ。美樹によれば、高澤はビニールテープより、この紙テープを急いで始末しようとしていたという。榎本は、紙テープの切れ端を持ち、考えを巡らせる――。
そんなとき、純子が「ボイル・シャルルの法則」は何か、と聞いた。大樹が勉強用に書いた付箋を読んだのだ。美樹は、先日、高澤が実験で行ったものだと返答。純子は榎本とともに、高澤が行った大気圧の実験を見ていた。そのやりとりが耳に入った榎本は、ドアに開けられた穴と補助錠を念入りに観察して言った。「密室は、破れました」と。
第1話 2012年4月16日「チグハグトリオが挑む、最初の密室事件」
第3話 2012年4月30日「美人棋士VS榎本!盤面が語る密室の謎」
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