原作はなく、脚本家によるオリジナル脚本であり、同枠で女性が主人公の作品は2007年の7月クールに放送された『警視庁捜査ファイル さくら署の女たち』以来となる。
キャッチコピーは「調書にない、答えがある。」
概要
「相棒」や「臨場」など数多くの名作刑事ドラマを送り出してきたテレビ朝日系水曜9時枠で、これまで21年連続して主演を務めてきた女優の観月ありさが満を持して初の刑事役に挑む。観月が演じるのは東大出身のキャリアでありながら、ある事件を機に出世コースを外れ、冤罪事件を未然に防ぐために事件を再検証する「検証捜査係」に配属された女性管理官だ。そのため、たいていの刑事ドラマでは“ゴール”となる犯人逮捕が“スタート”となる異色の刑事ドラマともいえる。
ストーリー
東大法学部を卒業して警察庁に入庁したキャリア管理官の新海晶(観月ありさ)は、順調に出世コースを歩み東京郊外の警察署の署長を務めていた。だが、TV中継された誤認逮捕事件の謝罪記者会見で強引な取り調べがあったことを告発したために署長を解任されてしまう。晶は、容疑者の逮捕から起訴までの限られた時間内に事件を再検証し、冤罪を未然に防ぐという重要な任務を与えられた部署「検証捜査係」に異動になる。しかし、その実体は検証捜査とは名ばかりの捜査報告書の誤字脱字を直して「検証済」のハンコを押すだけの仕事で、メンバーもやる気のない人間ばかりだった…。
主な登場人物
警視庁
検証捜査係
冤罪などが相次ぎ、失墜した警察の信用を回復するために設置された部署。これまでは調書に誤字脱字などの不備がないかなど事務的な確認作業が主だった。
新海 晶 (35) - 観月ありさ
管理官 警視(キャリア)。あきる野警察署長在任時に起きた誤認逮捕の警視庁謝罪会見公式文章発表後、「捜査に問題があった」という独自の見解を述べたことで「内部告発」と報道され上層部の不興を買う。警察庁長官官房の東出には目をかけられており、捜査一課検証捜査係への異動という形で収められた。
小暮 茂雄 (55) - 片岡鶴太郎
警部補。今までと勝手が違うタイプの上司が赴任したことで戸惑いを見せる。
長谷部 吉伸 (30) - 五十嵐隼士(D☆DATE)
巡査部長。現場経験がない内勤の警察官。
薄井 昭三 (50) - 松重豊
係長 警部。検証捜査係の職責とは調書に誤字脱字の不備がないか調べる部署だと考えている。
刑事部捜査第一課
永友 真一 (43) - 田辺誠一
強行犯係管理官 警視。疑問に思った事件を断りもなく勝手に再捜査する新海に反発する。
唐沢 潤平 (28) - 橘慶太(w-inds.)
強行犯係 巡査。
幸村 勇 (36) - 眞島秀和
強行犯係 巡査部長。
有富 功 (49) - 風見しんご
首席管理官 警視。時間を掛けて検証した割には問題無しの案件が多すぎる、無駄を省き迅速に対応するよう新海に命令する。
武邑 嗣雄 - 田山涼成
捜査第一課課長 警視正。
その他
東出 祐介 - 遠藤憲一
警察庁長官官房教養担当 主任。現場の古い体質を変えるため新海を検証捜査係に送り込む。
橘 ひとみ - 西田尚美
東京地方検察庁 検察事務官。
羽生田 真 - 野間口徹
警視庁刑事部鑑識課。
小暮 遥花 - 金井美樹
茂雄の娘。東京中央医科大学附属病院入院患者。
スタッフ
脚本:池上純哉、真部千晶、田中孝治
監督:猪原達三、長谷川康、田村直己
監督補:山田敏久、安養寺工
音楽:横山克
選曲:合田麻衣子
タイトルバック:坪ノ内晃
CG合成:日本映像クリエイティブ
警察監修:倉科孝晴
技斗:二家本辰己
チーフプロデューサー:佐藤凉一(テレビ朝日)
プロデューサー:三輪祐見子、西勇哉(テレビ朝日) / 丸山真哉、大森敬仁(東映)
アシスタントプロデューサー:國枝菜穂子
制作:テレビ朝日 / 東映
主題歌
三浦大知 「Two Hearts」
本作品が三浦大知初のドラマタイアップである。
各話あらすじ(2012.4.18 - 2012.6.13)全9話 平均視聴率 9.42%
第1話 2012年4月18日「緊急謝罪!!4万3千人の警察官を敵にした女」
キャリアで所轄署署長の晶(観月ありさ)は、ある事件により出世のレールを外れ、警視庁捜査一課の窓際部署・検証捜査係に配属された。冤罪などを防ぐために事件の再検証を行う部署だが、係長の薄井(松重豊)らは捜査報告書の誤字脱字を調べるだけで、仕事への熱意もない。着任早々、晶はある放火事件の資料が気になり現場に向かう。捜査一課管理官の永友(田辺誠一)からクレームが入るが、晶は動じず捜査を一からやり直す。
第2話 2012年4月25日「車椅子は見た!!ゴミ捨て殺人の秘密」
晶(観月ありさ)は、ホストの北野(本宮泰風)が自治会長の日出子(梅沢昌代)を殺害した事件に疑問を抱き、検証を始める。日出子にゴミ出しを注意された北野が家に押しかけて殺したというが、送致書にゴミの行方は書かれていなかった。聞き込み中に晶は、車椅子で立ち往生していた洋子(江波杏子)と出会う。ヘルパーの由紀(吉田羊)の助けを借りて一人暮らしする洋子は、当日、被害者宅から黒い服の男が出てきたと話す。
第3話 2012年5月2日「歌う通り魔!?消えた赤い傘の謎…!!」
晶(観月ありさ)は、連続殺人事件の容疑者の高校生・大輝(石黒英雄)が完全黙秘をしていると知り、検証を始める。殺された3人の被害者の遺体にはアラビア数字が刻まれていた。大輝が所持していたナイフから3人目の被害者で女子高生の里桜(広瀬アリス)の血痕が検出され、逮捕時に大輝は里桜の所持品のピンクの傘をさしていたという。しかし、捜査を進めると、事件前に里桜が使っていたのは赤い傘だったことが分かる。
第4話 2012年5月9日「謎の絞殺痕!?結婚詐欺を繰り返す女」
小暮(片岡鶴太郎)は、インテリア店店長の田口(乃木涼介)が自殺を装い殺された事件の送致書に疑問を抱く。睡眠薬を飲まされて意識がなかったはずの田口の遺体に、抵抗したことを示す「吉川線」があったからだ。見て見ぬふりをしようとするが、晶(観月ありさ)にばれて事件を検証することに。犯行を自供している容疑者の結婚詐欺師・美波(堀内敬子)を再度、取り調べると、美波は晶に、自分にはアリバイがあると言いだす。
第5話 2012年5月16日「謎の墜落死!!引き裂かれた親子と遺言の秘密」
美羽(芦名星)が髪の手入れをする余裕もないほど落ち込んだ様子で出勤してきた。葵(北乃きい)らは、美羽の見合いが破談になったのかと噂話で忙しい。実は本当に破談になった上、峯太郎(佐藤隆太)の方が睦(稲森いずみ)に信頼されていると気付き、焦りを感じていたのだ。何も知らない峯太郎は、美羽から怒りをぶつけられて、戸惑うばかり。そんな中、峯太郎はマリ(余貴美子)の助手として、豊胸手術を望む男性患者の診察に付き添う。
第6話 2012年5月23日「死者からの爆破予告!?引き裂かれた母娘の絆」
商社に時限爆弾が仕掛けられ、取引先の会社社長・治子(泉晶子)がけがを負う。永友(田辺誠一)らは、カメラマンの土井(忍成修吾)を容疑者として割り出すが、土井は自宅で服毒死していて、パソコンには遺書があった。送致書を読んだ晶(観月ありさ)は、時限爆弾がもう1つ仕掛けられている可能性があると気付く。検証を始めると、土井の活動する環境保護団体の事務所に彫刻家の礼子(安めぐみ)が訪ねていたことが判明する。
※第6話はサッカー『キリンチャレンジカップ「日本×アゼルバイジャン」』中継のため、21:20 - 22:14に放送。
第7話 2012年5月30日「疑惑の夫殺し!?瞬間移動した鞄の謎!!女流作家の殺人計画」
晶(観月ありさ)は、編集者の圭一(井田國彦)が強盗に間違えられ、妻に刺殺された事件の検証に乗り出す。妻・美奈代(遊井亮子)は、圭一が目出し帽をかぶりナイフで襲い掛かってきたと言う。不倫中の圭一は、目障りになった美奈代を殺す計画を立て、出席中のパーティーを抜け出したようだ。晶は、美奈代が事件直前まで電話で話をしていたという友人で作家の泉(白石美帆)に会いに行く。泉もパーティーの出席者だった。
第8話 2012年6月6日「葬られた目撃者スキャンダル写真に秘められた殺意!!」
ある送致書を読んでいた検証捜査係の長谷部(五十嵐隼士)が、晶(観月ありさ)を検証へ引っ張っていく。事件はジャーナリストの小嶋(伊東孝明)が仕事場で殺されたもの。小嶋と同じジャーナリストの山城(下條アトム)が容疑者として逮捕され、ペーパーナイフで刺殺したと犯行を認めていた。凶器のペーパーナイフは発見されていなかったが、他にも証拠はあるので送検に問題なしと判断されたという。現場を訪れた晶は、10代に人気のカリスマモデルの莉子(小林涼子)が載った雑誌がたくさんあることなどに不審を抱く。そんな中、容疑者逮捕の重要な証拠を発見した強行犯係の唐沢(橘慶太)が検証捜査係に現れ、送致を早めてほしいと言う。ところが話の中で、唐沢が捜査令状もなしに山城が撮影した、死んだ小嶋の写真を押収していたことが分かる。
最終話 2012年6月13日「600通の詫び状に隠された真犯人」
非番中の晶(観月ありさ)が、傷害事件の現場から逃げ出す楠田(内藤剛志)を目撃。意識不明の被害者・吉高(笠原秀幸)は大手健康食品メーカーの御曹司で、晶の通報で逮捕された楠田は12年前に刑事を殺した罪で服役し、出所したばかりだった。かつてその刑事とコンビを組んでいた小暮(片岡鶴太郎)は、晶が自分で解決したのに検証を始めると言い出したことに戸惑う。やがて、晶が出所後の楠田の支援をしていたことが分かる。
各話視聴率
番組公式サイト
(Answer〜警視庁検証捜査官 - Wikipedia)