NHK衛星放送の「NHK BSプレミアム」にて2011年7月17日から2011年9月18日まで「BS時代劇」として、毎週日曜日午18時45分-19時28分(初回は73分のスペシャル版)に放送。この作品よりBS時代劇でも解説放送を行う。なお第1回については7月23日のNHK総合テレビジョン「土曜特集パート1」(19:30から20:45。アナログはステレオで解説なし)の枠にて特別再放送(キャッチアップ放送)された。
2012年4月12日から同年6月14日まで、NHK総合の木曜10時枠で放送された。初回のみ73分。全10話。
主演・仲間由紀恵をはじめ、舞台である沖縄県の出身者が多数出演・参加している。また平良とみがNHKドラマに出演するのは「ちゅらさん」以来である。
概要
19世紀末の琉球王朝が舞台で、連載当時から大きな反響があった。総ページは1800を超え、イラストは長野剛が担当した。『野性時代』(角川書店)で2007年1月号から2008年6月号まで連載された。タイトルの「テンペスト」はシェイクスピアの戯曲「テンペスト」に因む。
池上は以前から琉球王朝を舞台にした作品をいずれ書きたいと考えていた。また、首里城の王印が紛失しているという事実も、ストーリーや登場人物の形成に影響を与えたと言う。
2011年に仲間由紀恵主演で舞台化され、同年、仲間の主演によりNHK BSプレミアムでドラマ化された。翌2012年には同じく仲間の主演により『劇場版テンペスト3D』として映画化された。
原作
単行本(全2巻)
テンペスト 若夏(うりずん)の巻(2008年8月27日発売、ISBN 978-4-04-873868-2)
テンペスト 花風(はなふう)の巻(2008年8月27日発売、ISBN 978-4-04-873869-9)
文庫本(全4巻)
テンペスト 春雷(2010年8月25日発売、ISBN 978-4-04-364711-8)
テンペスト 夏雲(2010年9月25日発売、ISBN 978-4-04-364712-5)
テンペスト 秋雨(2010年10月25日発売、ISBN 978-4-04-364713-2)
テンペスト 冬虹(2010年11月25日発売、ISBN 978-4-04-364714-9)
あらすじ
誰よりも聡明な少女・真鶴は、女であるというだけで学問を修められないことを不公平に思っていたが、跡継ぎと目されていた兄の失踪を機に宦官・孫寧温と名乗り、性を偽って男として生きていくことを誓う。
科試に合格した寧温は、王府の役人として、降りかかる難題を次々と解決し、最速の出世を遂げていく。
そんな寧温は数々の敵に阻まれ、遂に八重山に謀反人として流刑される。寧温は真鶴に戻り、九死に一生を得るが、その類稀なる美貌と才覚を見初められ、自分の意思とは裏腹に王の側室として王宮へ返り咲くこととなる。
平穏な生活はペリーの来航により急を告げる。外交に長けた人物として、八重山にいると思われた孫寧温に対して王府へ戻るよう王命が下り、真鶴は昼間は宦官・孫寧温として、夜は側室・真鶴として一人二役をこなすことになる。
薩摩と清国、2国の狭間で揺れる琉球に近代化の波が押し寄せる。
キャスト
真鶴・孫寧温・孫夫人 - 仲間由紀恵
浅倉雅博 - 谷原章介
喜舎場朝薫 - 塚本高史
聞得大君・真牛 - 高岡早紀
孫嗣勇 - 金子昇
多嘉良善蔵 - 藤木勇人
オバア - 平良とみ
真美那 - 上原多香子
真鶴(少女時代) - 田崎アヤカ
孫嗣勇(少年時代) - 森永悠希
儀間親雲上 - 松尾英太郎
座喜味親方 - 上田耕一
御物奉行赤嶺 - 阿南健治
平等之側 - 塩野谷正幸
側室 - 天城純子[4]
馬天ノロ - 吉田妙子
窯戸 - 水木薫
女官 - 黒坂真美
尚泰王 - 染谷将太
王妃 - 桜乃彩音
思戸 - 二階堂ふみ
孫明(少年時代) - 竹内寿
孫明(青年時代) - 石黒英雄
泰王子 - 矢山博夢
与那覇 - でんでん
多嘉良善興 - 末吉功治
ベッテルハイム - チャールズ・グラバー
ペリー - リチャード・アレン
スペンサー館長 - ジェフリー・ロウ
上級ノロ - 新海百合子
ノロ - 悠木千帆
冊封使 - 張春祥
恵利 - 中村映里子
尚育王 - 高橋和也
王妃・国母 - 若村麻由美
宜野湾親方 - 名高達男
与那原親方 - 江原真二郎
伊舎場親方 - 磯部勉
大勢頭部 - 藤真利子
徐丁垓 - GACKT
津波古 - 遠藤憲一
花風女将 - 小林幸子
女官大勢頭部・思徳金 - かたせ梨乃
国母 - 八千草薫
孫嗣志 - 奥田瑛二
スタッフ
脚本 - 大森寿美男
音楽 - H・GARDEN
制作統括 - 岡本幸江/鹿島由晴
各話あらすじ 平均視聴率 4.81%(最終話除く)
第1話 2012年4月12日「龍の子」 視聴率 5.90%
19世紀、琉球王朝末期の沖縄に一人の女の子が生まれた。男の子を望んでいた父に疎んじられた子は、聡明(そうめい)な少女(仲間由紀恵)に成長する。時代の変化が押し寄せる中、彼女は性別を偽り、宦官(かんがん)・孫寧温として琉球王朝の役人になる。寧温は難破した英国船の船員を手厚く保護し、外交的手腕を発揮する。王(高橋和也)に認められた寧温は、王府の財政改革を命じられるが、王の姉・聞得大君(高岡早紀)と全面的に対立する。(2011年にBSプレミアムで放送されたものです)
第2話 2012年4月19日「王妃処分」 視聴率 4.6%
孫寧温(仲間由紀恵)は聞得大君(高岡早紀)に女性であることを見抜かれる。そして兄・嗣勇(金子昇)を人質に取られ、聞得大君の命じるまま、対立する王妃(若村麻由美)を王宮から追放処分とする。極端な処分は王府の役人の反発を呼び、四面楚歌(そか)になる。しかし、同僚の朝薫(塚本高史)は、何か考えがあるはずだと寧温を信じる。薩摩藩と手を結んで資金を引き出そうとする聞得大君は、琉球王府の機密を薩摩に引き渡すよう寧温に命じる。
第3話 2012年4月26日「神の追放」 視聴率 3.9%
聞得大君(高岡早紀)に機密を引き渡すよう命じられた薩摩側の役人は、寧温(仲間由紀恵)が少女のころに出会った浅倉(谷原章介)だった。浅倉は、絶望して崖から身を投げた寧温を救い出し、初めて琉球に来た時に出会った少女だと確信する。そして、横暴の限りを尽くす聞得大君と闘おうと寧温を説得。反撃が始まった。一方、寧温と門番の多嘉良(藤木勇人)は王府の中に清からのアヘンが入り込んでいるという証拠をつかむ。
第4話 2012年5月3日「阿片(あへん)疑惑」 視聴率 4.2%
孫寧温(仲間由紀恵)は朝薫(塚本高史)と共に、王宮内のアヘンについて調べるが、突如今の職を解かれ、閑職に追放される。それはアヘン調査を二人に極秘に続けさせようとする尚育王(高橋和也)の作戦だった。寧温たちは、薩摩藩と清国にも協力を仰ぎ、黒幕を突き止めようとする。そして、王妃(若村麻由美)ら王家の女性が暮らす御内原に狙いを定める。
第5話 2012年5月10日「宦官(かんがん)の野望」 視聴率 3.9%
孫寧温(仲間由紀恵)は、近代化のための教育が必要だと尚育王(高橋和也)に進言する。最新の欧米情報で寧温の気を引いた清国の宦官(かんがん)・徐丁垓(GACKT)は、寧温が女性だと見抜いてゆすろうとする。そこへ王が急死したとの知らせが入る。幼い王子に取り入って琉球王国を乗っ取ろうとする徐丁垓を阻止するため寧温は王宮に戻るが、薩摩の浅倉雅博(谷原章介)との仲を引き裂かれ、徐丁垓に陵辱される。ついに寧温は徐丁垓と直接対決する。
第6話 2012年5月17日「八重山の流刑者」 視聴率 4.2%
朝薫(塚本高史)に謀反の疑いを掛けられた孫寧温(仲間由紀恵)は、八重山に一世流刑となる。3日の船旅で到着するが、八重山は英米艦隊から砲撃を受けていた。寧温は、列強の脅威が琉球に迫っていることを早く王府に知らせなければと焦る。寧温は熱病にかかって山中に打ち捨てられていたが、かつての女官・大勢頭部(かたせ梨乃)に救われる。どうしても王宮へ戻りたいという寧温に、大勢頭部は王宮に戻る手だてを考え出す。
第7話 2012年5月24日「再び王宮へ」 視聴率 6.3%
王の前で踊りを披露するため真鶴として王宮に戻ってきた孫寧温(仲間由紀恵)だが、実は側室を選ぶための試験だったことが分かる。真鶴は側室に選ばれてしまい、二度と寧温として王宮に戻れないと焦る。真鶴は列強の脅威が琉球に近づいていることを知らせようと御内原を抜け出す。しかし、薩摩の浅倉雅博(谷原章介)が、いまだに自分のことを思っていると知り、真鶴の心は乱れる。そしてついに米国艦隊が那覇港に姿を現す。
第8話 2012年5月31日「ペリーとの対決」 視聴率 6.0%
那覇港沖に現れた米国の大艦隊。最高司令官のペリー(リチャード・アレン)は、琉球国王への謁見(えっけん)を要求する。王府は力ずくで追い返そうとするが、真鶴(仲間由紀恵)は側室の立場を利用して王(染谷将太)に、一定の譲歩をしなければペリーたちが武力に訴えてくるだろうと警告する。薩摩の浅倉(谷原章介)も米国の出方に警戒を強める。やがてペリーは海兵隊と共に上陸。首里城に到着したペリーの前に、真鶴は寧温として登場する。
第9話 2012年6月7日「決別」 視聴率 4.3%
側室・真鶴と役人・寧温(仲間由紀恵)の二重生活が始まった。清国派と薩摩派の対立が激化し、朝薫(塚本高史)らが王府から追放される。その背景には、琉球王国を解体して真鶴を王府から取り戻そうとする、浅倉(谷原章介)の願いがあった。琉球を隠れみのに外国から軍艦の購入を図る薩摩・浅倉と、非武装中立を主張する琉球・寧温は全面的に対立する。一方、遊女になった聞得大君(高岡早紀)を解放しようと、津波古(遠藤憲一)が遊郭に火を付ける。
最終話 2012年6月14日「永遠の太陽」
真美那(上原多香子)の計らいで、寧温(仲間由紀恵)は政治の場から姿を消した。臨月を迎えた真鶴は王子を産むが、誕生祝いの席で兄の嗣勇(金子昇)は真鶴が実は寧温であることを暴露する。捕らえられ王子と引き離された真鶴は、真美那の助けで王子と共に王宮を逃げ出し、親子でひっそりと隠れて暮らす。成長した王子は、母親と同じ評定所筆者になる。
番組公式サイト
(テンペスト (池上永一) - Wikipedia)
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