客室をあいさつして廻る和みのお宿「月見草」の美人女将、長崎ちひろ(笛木優子)。だが、客室「下弦の月」は声をかけても返事がなく、ちひろは支度係の春田京子と共にふすまを開けて部屋の中へ。そこでは裸体の男性客が絶命し、首には絞められた跡があった。
その頃、警察署の黒川(板尾創路)、白石(田辺誠一)、赤木(田中圭)は東京で発生している連続絞首殺人事件を報じるニュースを見ていた。この事件の特徴は凶器が見つからない事と被害者が裸で発見される事で、犯人は黒く長い髪にサングラスをかけた女性と発表されていた。犯人は西多摩方面の山中で車を乗り捨ててから行方がわからなくなっているらしく、白石は犯人がこの付近に潜伏していると推理する。その時、警察署に裸体で絞殺された遺体が発見されたという連絡が入る。
硫黄臭の中、絞殺された男性が裸で倒れていた。凶器は見つかっておらず、白石は世間を騒がせている事件と同一犯と考える。被害者はルポライター兼カメラマンの東賢明で、フロントの吉村はサングラスをかけた髪の長い女性を目撃したという。黒川は従業員たちに話を聞く事に。ちひろとオーナーの長崎達也(津田寛治)が結婚したのは8年前。ちひろの支えもあり、宿はかつての活気を取り戻そうとしていたという。そんな矢先に事件が起こり、達也は動揺を隠しきれない。
死亡推定時刻は午後5時から6時の間。監視カメラを調べたところ、それ以降にこの宿から出た怪しい人物の姿はなく、黒川は犯人がまだ宿の中にいると考える。宿泊客を調べても怪しい人物を見つける事はできない。
この後、黒川は「月見草」を再び訪れ、従業員から話を聞く事に。2泊を予定していた東。春田は2泊目に東の部屋に女性が来るかも知れないと感じた事を明かす。1日目、東は何度もニヤつきながら電話をかけていて、春田が部屋に来ると電話を切り、出て行くと再びかけ直していたという。さらに春田は2日目の朝から東が時間を気にしていたと証言する。
黒川は従業員の間で何か変わった点はなかったかを訊ね、春田は清掃員だけシフトが変わったと証言する。数ヶ月休んで東京に行っていた清掃係の新田孝之が2日目の朝から復帰したという。黒川が新田に声をかけると、新田は休んで東京に行っていた事を認めるものの、その理由を明かす事を頑なに拒否。赤木は食事係の篠村千代子が連続絞首殺人犯らしき女性を見たと証言した事を黒川に報告する。事件当日の午後6時前、篠村は調理場へ向かう途中、サングラスをかけた女性とすれ違ったという。
死亡推定時刻の午後5時から6時の間、アリバイがあるのは達也と吉村のみ。ちひろ、春田、篠村、新田にはアリバイがなかった。この後、連続絞首殺人犯らしき女性の新たな目撃情報が出てくる。新田は今朝、東京方面に向かうバスに犯人らしい女性が乗っていたと証言する。黒川は従業員たちが宿に勤める前、どんな仕事をしていたかを調べろと白石に命じる。さらに黒川はまだ発見されていない凶器の捜索を赤木に命じる。黒川は見つからない凶器が事件を解く鍵だと考えていた…。
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