主演は岡田将生。原作は医療ミステリー小説。著者:河原れん 聖なる怪物たち(2011年5月 幻冬舎)
概要
病院を舞台に、医師や看護師、教育者ら、“聖職者たち”の色と欲望のスキャンダルを描く、本格医療サスペンス。岡田将生演じる、ピュアな新人外科医が妖しくも美しい女たちの秘めた欲望の罠にはめられていき、傷つけられた末に立ち上がり、“聖職者たち”の真の顔を暴いていく。
キャッチコピーは『この「命」は誰のものか━』。
ストーリー
大久保記念病院に当直していた外科医の司馬健吾(岡田将生)のもとに、飛び込み出産の妊婦が現れた。健吾は妊婦に帝王切開手術を施し、男の子を取り上げる。だが、妊婦は急死し、身元不明の新生児だけが病院に残された。その1年前、大学病院にいた健吾は突然、経営難の大久保記念病院への異動を命じられる。ショックを受ける健吾の横をウエディングドレス姿の日向圭子(加藤あい)がストレッチャーに乗せられて通り過ぎた。巨大学園グループの経営者・日向敏雄(長谷川博己)との結婚披露宴中に倒れた圭子は、流産の恐れがあり、教授が救急処置にあたっていた。翌月、大久保記念病院に赴任した健吾は、初日から急患の手術を手伝うことになる。
キャスト
大久保記念病院
司馬 健吾 (28) - 岡田将生
新人外科医。カット1880円の床屋の息子で、父親がはさみ一本で医大に行かせてくれた。上司に媚びることが苦手な性格から、慶林大学病院から系列一の貧乏病院、大久保記念病院に異動を命じられる。技量不足で執刀したことがない手術をすることに躊躇うが、患者を助けるため実直に目の前の命と向き合っていく。正義感と使命感にあふれる純粋な男性である。
春日井 優佳 (35) - 中谷美紀
若く有能な看護師長。13歳で父をその2年後に母を亡くし、妹の圭子と共に施設で育つ。看護師の給料で圭子の大学費用を捻出する。高校生の頃好きな人との間に子供を宿したが、仕事が面白くなってきた頃で、中絶手術を選択し、子宮を失う。愛する人との子供を産みたいのに生めない妹の為、極秘の代理出産に協力する。賢い女性で、看護師業務に関してはベテランで正義感にあふれるものの、妹の強い要望にはなんでもするところがある。
平井 瑶子 (25) - 大政絢
看護師。以前は慶林大学病院に勤めていた。誰にでも優しい性格。健吾が赴任した時に一目ぼれし、積極的にアプローチを仕掛けていく。CDを上げたお礼で健吾に食事へ誘われた後告白し、現在交際中である。謎の男にお金を要求され困り果て、患者を騙しお金を搾取している。
佐藤 久美 - 富永沙織
看護師。
糸川 要次郎 (50) - 渡辺いっけい
入院患者。病院内の様々な情報に通じている。命に関わる病気が見つかる。今まで他人を信用しない生き方をしてきたが、病気と真剣に向き合ってくれる健吾に心を動かされ、手術する決意を固める。
水原 良二 (42) - 勝村政信
外科医。「早くしないと死んじゃうよ」が口癖である。
茂田 尚 - 伊藤正之
産婦人科医。困窮している病院の現状を改善するよう院長に詰め寄る。
大久保 志郎 (60) - 小日向文世
院長。前院長の父親は産婦人科一つから総合病院に成長させたが、現在は経営難に喘いでいる。
日向財閥
日向 圭子 (27) - 加藤あい
優佳の妹。聖応育英会副理事長、大学では幼児教育を学ぶ。挙式当日に流産し子宮摘出手術を受けるが、敏雄との子どもを望む気持ちを抑えられず、三恵に代理母出産を依頼する。
日向 敏雄 (35) - 長谷川博己
圭子の夫、聖応育英会理事長。教育者として周囲から尊敬を集める人格者。
妻の圭子にも優しく接するが、圭子に言えない秘密を抱えている。
日向 慶 (0) - 尾藤陽太 / 松尾侑羽海
敏雄と圭子の間に産まれた子供。
有馬 三恵 (25) - 鈴木杏
聖応幼稚園教諭。天真爛漫な明るい性格である。ボンベイ型という珍しい血液型。日向夫妻の代理母出産の申し出を受ける。
野口 鞠子 - 藤吉久美子
聖応幼稚園園長。流産してから圭子の心のバランスが崩れてきているのではないかと心配する。
森宮 希実代 - 森脇英理子
敏雄の前妻、聖応育英会役員。敏雄との間に長男をもうけている。
森宮 昭輔 - 加部亜門
敏雄と希実代の間に産まれた子供。
日向 重敏 - 浜田晃
敏雄の父親、日向財閥会長。
日向 華江 (62) - 山本陽子(特別出演)
敏雄の母親。
政財界にも名を馳せる日向家当主の妻として気位高く生きてきた。敏雄の新しい妻となった圭子に、日向家の嫁として恥ずかしくない振る舞いをするよう厳しさをもって接する。
その他
司馬 宗吾 (58) - 平田満
健吾の父親、シバ理髪店店主。妻(写真:佐々木希)は健吾の出産時に亡くなり、男手一つで健吾を育ててきた。
竹内 悠 - 南圭介
健吾の同期、慶林大学病院外科医。瑶子の元恋人。
塩野 順三郎 - 山田明郷
慶林大学病院外科病棟教授、健吾を系列病院に派遣する。
村澤 信吾 - 和田聰宏
敏雄の同期、村澤婦人科医クリニック院長。法で禁じられている代理母出産の協力をする見返りに研究費用を敏雄に要求する。
平井 邦夫 - 長谷川朝晴
瑶子の兄、警視庁西八王子警察署 巡査部長。瑶子に金を無心する。
本間 篤志 - 田中哲司
三恵の恋人、銚子市中央市役所生涯学習部学務課。視察で訪れた幼稚園で三恵と出会う、不倫の関係にあった。
その他の患者
太田 由紀 - 西慶子(第1話)
大久保記念病院の内科を受診していた息子・智樹(有永雅久)が医者の誤診により病状が悪化し、健吾の緊急手術で命を救われるが、息子の手術後直ぐに治療費を払わず病院から失踪する。
内海 弘江 - 朝加真由美(第2話)
煙草の吸いすぎで唄えなくなった元シャンソン歌手。原因不明の腹痛に悩まされ、明確な病名が診断されず慶林大学病院から大久保記念病院に回されてくる。
木嶋 美保 - 佐藤仁美(第3話)
妊娠中に大きな病気が見つかり母体優先を選択すれば胎児を諦めなければならない。念願だった子供を授かり、自らの命が助からなくても子供を産みたいと考え苦悩する。
スタッフ
原作:河原れん「聖なる怪物たち」(幻冬舎文庫)
脚本:荒井修子、高山直也
音楽:沢田完
ゼネラルプロデューサー:内山聖子
プロデューサー:船津浩一、霜田一寿、池田禎子
演出:藤田明二、落合正幸、常廣丈太
制作協力:ザ・ワークス
制作:テレビ朝日
主題歌:アヴェ・マリア(シューベルト)/キャサリン・ジェンキンス
各話あらすじ(2012.1.19 - 2012.3.8)全8話 平均視聴率 7.66%
第1話 2012年1月19日「嵐の夜の緊急オペ!!外科医vs欲望の女」
大久保記念病院に当直していた外科医の司馬健吾(岡田将生)のもとに、飛び込み出産の妊婦が現れた。健吾は妊婦に帝王切開手術を施し、男の子を取り上げる。だが、妊婦は急死し、身元不明の新生児だけが病院に残された。
その1年前、大学病院にいた健吾は突然、経営難の大久保記念病院への異動を命じられる。ショックを受ける健吾の横をウエディングドレス姿の日向圭子(加藤あい)がストレッチャーに乗せられて通り過ぎた。巨大学園グループの経営者・日向敏雄(長谷川博己)との結婚披露宴中に倒れた圭子は、流産の恐れがあり、教授が救急処置にあたっていた。翌月、大久保記念病院に赴任した健吾は、初日から急患の手術を手伝うことになる。
第2話 2012年1月26日「母親のお腹を盗む女」
健吾(岡田将生)が大久保記念病院に着任したころ、看護師長の優佳(中谷美紀)は、日向(長谷川博己)との子を流産した妹の圭子(加藤あい)から代理母になってほしいと頼まれていた。だが、優佳には応じられない事情があった。そんな中、圭子が副理事長を務める幼稚園で事故が発生。圭子は責任を問われ退職に追い込まれた三恵(鈴木杏)にある提案を持ち掛ける。一方、健吾は原因不明の痛みを訴える弘江(朝加真由美)に頭を悩ませていた。
第3話 2012年2月2日「私の赤ちゃんを返して!」
圭子(加藤あい)は姉・優佳(中谷美紀)の冷静なサポートで、三恵(鈴木杏)を代理母として、日向(長谷川博己)と自分の子を妊娠させることに成功する。優佳は三恵に対し「出産後すぐに子供を日向家に譲り渡し、決して他言しないこと」と記した誓約書にサインするよう迫る。しかし、三恵は「赤ちゃんを品物みたいに取引したくはない」と拒む。優佳は「人を裏切ることは人をあやめることより罪深い」と三恵に念を押す。一方、健吾(岡田将生)は看護師の瑶子(大政絢)と付き合うようになり、忙しい日々の中にも安らぎを感じるようになる。ある日、頸部(けいぶ)食道がんの妊婦が入院してくる。このまま出産まで放置すれば妊婦の命の保証はなく、胎児がおなかにいるままでは治療も手術もできない。両方の命を救う方法はないかと、健吾は葛藤する。
第4話 2012年2月9日「誘拐逃げる女と追う女!!」
代理母として圭子(加藤あい)と日向(長谷川博己)の子を妊娠した三恵(鈴木杏)は、おなかの子への執着を見せ始める。子供の名前を考え始めるなど、その行動は日に日にエスカレートし、圭子は戸惑う。思い余った圭子は、日向に相談するが「神経質になり過ぎだ」という一言で片付けられてしまい、ますます追い詰められていく。以前から、三恵を不審に思っていた優佳(中谷美紀)は、彼女の身辺を調べ始め、想定外の事実が隠されていたことに気付く。一方、女たちの代理出産計画を知る由もない健吾(岡田将生)は、長く入院している患者・糸川(渡辺いっけい)の胃に不審な点があることに気付いていた。どうしても完治させたい健吾は、精密検査をかたくなに拒む糸川の説得を続ける。
第5話 2012年2月16日「緊急オペの真実!!医療ミスか殺人か!?」
おなかの子の秘密を優佳(中谷美紀)に告白した三恵(鈴木杏)は「この子は私の子。絶対に渡さない」と圭子(加藤あい)に宣言し、日向家を出ようとする。その際、階段を踏み外して転落し、優佳が看護師長を務める病院に運び込まれる。当直だった健吾(岡田将生)は、帝王切開で子供を取り出すが、三恵の容体は急変し、そのまま息を引き取ってしまう。優佳は院長に、死亡した三恵について「身元不明の妊婦」と報告する。一方、何も知らない健吾は激しい自責の念に駆られ、真実を突き止めるために一人で動きだす。
第6話 2012年2月23日「真相暴かれた完全犯罪!!」
健吾(岡田将生)は院長の大久保(小日向文世)に、三恵(鈴木杏)の遺族の住所がでたらめだったことを説明する。すると大久保から、三恵の件を蒸し返すなと叱責(しっせき)されてしまう。急に羽振りが良くなった経営状況や、医師たちが次々に病院を去っていく様子を不審に思う中、なぜか健吾も大学病院に戻るよう指示される。落ち込む出来事が重なった健吾は、大学病院の教授の部屋で、衝撃の事実を目にする。一方、三恵が産んだ子供を引き取った圭子(加藤あい)と日向(長谷川博己)は、その子を慶と名付けて日向家の跡取りとして育て始めていた。だが慶の教育方針をめぐり、圭子はしゅうとめの華江(山本陽子)との対立を深めていく。
第7話 2012年3月1日「殺したのは…あなただ!!」
三恵(鈴木杏)が特別な血液型だったと知った健吾(岡田将生)は、手術の際に行った輸血が三恵(鈴木杏)の死の真相を執拗(しつよう)に知りたがる健吾(岡田将生)に、優佳(中谷美紀)は危機感を抱く。優佳は大久保(小日向文世)を使い、大学病院の教授に、健吾が記念病院で医療ミスをしたと伝え、健吾を無期限の謹慎処分にさせる。どんな処分を受けようとも医師としての、そして人としての責任を果たしたいという健吾の熱意に打たれた瑶子(大政絢)は、三恵の血液サンプルを持って健吾の元へ行く。そして、水原(勝村政信)もまた協力しようとしていた。
最終話 2012年3月8日「衝撃の最終回!!犯人の命を救え」
大久保記念病院で糸川(渡辺いっけい)の手術を無断で行い、警察に連行された健吾(岡田将生)。日向(長谷川博己)の口添えで解放された健吾は日向から、これ以上自分たちの前には現れるなとくぎを刺される。しかし、三恵(鈴木杏)が産んだ子供の本当の父親である篤志(田中哲司)から、子供を引き取って育てたいと懇願された健吾は、何とか子供を日向家から取り戻そうと思案。日向や優佳(中谷美紀)らの妨害を受けながらも、その方法を探り始める。そのころ優佳は、赤ん坊の本当の両親が誰であるのかを圭子(加藤あい)に打ち明けていた。三恵にだまされていたことを知った圭子から思いがけない言葉をぶつけられた優佳は、自らの行動が圭子を変貌させてしまったことを知る。
各話視聴率
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