原作
『家族八景』(かぞくはっけい)は、日本の小説家・筒井康隆のSF小説。
原作概要
1970年から1971年にかけて『小説新潮』『別冊小説新潮』に掲載された1話完結の8編の短篇小説からなる。第67回直木賞候補作。
18歳の火田七瀬は人の心を読めてしまう精神感応能力者(テレパス)の女性である。高校卒業後、住み込みのお手伝いとなり様々な家庭を転々とする。家族それぞれの内面を読んでしまうことで、行く先々の家庭に亀裂や事件を起こしてしまう。女性として肉体的成熟を迎えて性的な関心を向けられるようになり、20歳を迎える最終話でお手伝いをやめることを決意する。
後に続編として執筆された『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』をあわせた「七瀬シリーズ」「七瀬三部作」のひとつ。
著者 筒井康隆
発行日 1972年(単行本)
発行元 新潮社
ジャンル サイエンス・フィクション
テレビドラマ
これまでに2度テレビドラマ化されており、2012年1月からは3度目のテレビドラマが放送されている。
また、1978年にもNHKからテレビドラマ化の申し入れがあったが、ホームドラマとすることに筒井側が難色を示して断ったという。
1979年版
1979年2月25日にTBS系列の東芝日曜劇場にて『芝生は緑』(しばふはみどり)のタイトルで放送された。七瀬シリーズの初映像作品で、七瀬役は多岐川裕美が演じた。
キャスト
火田七瀬 - 多岐川裕美
高木輝夫 - 山本学
高木直子 - 佐藤オリエ
市川省吾 - 中丸忠雄
市川秀子 - 白川由美
渡辺安子
阿部弥一郎
スタッフ
原作:筒井康隆『家族八景』(新潮社)
脚本:キノトール
音楽:田村洋
演出:岸本能夫
プロデューサー:渡瀬一男
制作:RKB毎日放送
1986年版
1986年1月30日に、フジテレビ系列の木曜ドラマストリート枠にて『家族八景 18歳の家政婦は見た!! すべての秘密は今暴かれる?』(かぞくはっけい 18さいのかせいふはみた すべてのひみつはいまあばかれる)のタイトルで放送された。
キャスト
火田七瀬 - 堀ちえみ
桐生照子 - 丹阿弥谷津子
桐生勝美 - 山谷初男
桐生竜一 - 岡本富士太
桐生綾子 - 中村晃子
桐生新二 - 寺泉憲
桐生菊子 - 根本律子
神波兼子 - 石井富子
神波浩一郎 - 沼田爆
先輩家政婦 - 山田スミ子、浅利香津代
定年退職した男 - 奥村公延
スリ - 不破万作
火田精一郎 - 大石吾朗
友愛家政婦紹介所所長 - 初井言榮
井出一男
望月太郎
山本倫子
伊藤智之
黒須宣子
樋口五郎
山下カオリ
大西まり子
七村美佳子
清藤めぐみ
藤田一夫
近藤花恵
スタッフ
原作: 筒井康隆『家族八景』(新潮社)
脚本: 剣持亘
音楽: 小六禮次郎
演出: 山本邦彦
製作:大映テレビ、フジテレビ
2012年度版
2012年1月24日から同年3月27日まで、毎日放送(MBS)制作・TBS系列の深夜ドラマ枠にて『家族八景 Nanase,Telepathy Girl's Ballad』(かぞくはっけい ナナセ・テレパシー・ガールズ・バラッド)のタイトルで放送された。全10話。木南晴夏は本作が連続ドラマ初主演となる。
七瀬が心の声を読むシーンでは、七瀬には勤務先の家の人々の心の声がただ聞こえるだけでなく、第1話では裸になっているなど毎回何らかの奇妙な姿に変わって見え、その人の本心がより具体的に現れる演出となっている。事前番宣番組『異色の新ドラマ!! 家族八景 Nanase,Telepathy Girl's Ballad Navi〜家政婦の火田はミタSP〜』の中で、堤幸彦が自身なりの解釈をしたポイントとして語っている。心を読まれた人の内面の声は木南が担当する。七瀬の年齢はこのドラマでは20歳に設定されている。
メイキングを収録した映像特典付きのブルーレイとDVDが期間限定版として2012年6月6日に発売。
キャスト
木南晴夏/火田七瀬役
人の心を読むことができるテレパス。自分の能力を周囲に知られないよう、ひた隠しにしながら、家政婦として様々な家庭を転々と渡り歩いている。
ゲスト
第1話
尾形 咲子 (44) - 葉山レイコ
尾形 叡子 (22) - 水崎綾女
尾形 潤一 (20) - 木村了
尾形 久国 (50) - 西岡徳馬
節子 (28) - 星野あかり
木田 (24) - 栗城秀
第2話
桐生 勝美 (57) - 田山涼成
桐生 照子 (59) - 千葉雅子
桐生 竜一 (31) - 正名僕蔵
桐生 綾子 (29) - 佐藤寛子
桐生 忠二 (17) - 須賀健太
桐生 彰 (7) - 池澤巧
第3話
神波 浩一郎 (50) - 橋本じゅん
神波 兼子 (46) - 清水ミチコ
神波 慎一 (23) - 山本浩司
神波 明夫 (21) - 浜野謙太
神波 道子 (17) - 茜音
神波 良三 (16) - 岡本拓朗
神波 敬介 (14) - 野口翔馬
神波 五郎 (8) - 武井祐人
神波 悦子 (5) - 末原一乃
神波 六郎 (4) - 藤木夢現
第4話
河原 寿郎 (45) - 堀部圭亮
河原 陽子 (38) - 小沢真珠
修 (25) - 未来弥
第5話
根岸 新三 (36) - 眞島秀和
根岸 菊子 (29) - 井村空美
若い女 - 河原実乃梨
赤ん坊 - 小安正笑 / 佐藤美月
第6話
竹村 天洲 (52) - 矢島健一
竹村 登志 (45) - 石野真子
竹村 克己 (21) - 菊田大輔
梶原 里子 - 八代みなせ
落合 美佐 - 真凛
第7話
山崎 潤三郎 (77) - 本田博太郎
山崎 洋司 (42) - 鈴木一真
遠藤 恵理 (31) - 阿部真里
大藪 満寿夫 (48) - 徳井優
第8話
清水 信太郎 (36) - 黄川田将也
清水 幸江 (30) - 東風万智子
清水 恒子 (55) - 宍戸美和公
清水 茂蔵 (50) - 佐藤二朗
飯田 幸弘 (35) - 骨川道夫
清水 重良 (30) - 和知大祐
葬儀屋 - 松岡哲永
怪しい男 - 入月謙一
里山 - 種子
小森 - おのさなえ
坊主 - 池内直樹
スーパーの客 - 勝平ともこ
第9 - 10話
市川 省吾 (37) - 西村和彦
市川 季子 (34) - 星野真里
高木 輝彦 (40) - 大河内浩
高木 直子 (37) - 野波麻帆
スタッフ
原作:筒井康隆『家族八景』(新潮社)
脚本:佐藤二朗、池田鉄洋、前田司郎、江本純子、上田誠
音楽:野崎良太(Jazztronik)
EDダンサー:川名咲貴
企画:大月俊倫、菅井敦、丸山博雄
プロデューサー:平部隆明、神康幸、竹園元、深迫康之
監督:堤幸彦、深迫康之、白石達也、高橋洋人、藤原知之
制作:ホリプロ
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作:「家族八景」製作委員会、MBS
主題歌
南波志帆「少女、ふたたび」(ポニーキャニオン)
ストーリー
人の心を読むことができる火田七瀬(木南晴夏)は、自分の能力をひた隠しにしながら、家政婦として様々な家庭を転々としている。しかし、忌々しい能力を悩む一方で、行く先々でつい、その家の人々の心の内を見てしまう。そして、穏やかに食卓を囲む夫婦や親子の心の中に潜む、言葉とは裏腹の本音を次々と明るみにしていく。
各話あらすじ(2012.1.24 - 2012.3.27)全10話 平均視聴率 1.96%
第1話 2012年1月24日「無風地帯」 視聴率 2.0%
尾形家は、家長・久国、妻・咲子、長女・叡子、長男・潤一の四人家族。
潤一はナイショで父と同じ女性とつきあっていて、叡子は大学の先輩に夢中と、家族の心の中はセックスのことばかり。
その中でひとり家事のことだけ考えている咲子に七瀬は興味をもつが……。
第2話 2012年1月31日「水蜜桃」 視聴率 1.5%
七瀬(木南晴夏)が家政婦として働く桐生家の家長・勝美(田山涼成)は、定年退職してから何もせず家族からうとまれていた。やがて、勝美は七瀬を抱けば若さを取り戻せると妄想し、ある日、夜ばいをかける。
第3話 2012年2月7日「澱の呪縛」 視聴率 1.7%
神波家は妻・兼子(清水ミチコ)のずぼらな性格のせいで家中不潔になり、異臭を放っていた。臭いに耐えられない七瀬(木南晴夏)は大掃除を決行。が、その後、一家は七瀬によそよそしい態度をとるようになる。
第4話 2012年2月14日「青春賛歌」 視聴率 2.2%
河原家の妻・陽子(小沢真珠)は、エネルギッシュで年下の男性に夢中になっている。そんな妻に夫・寿郎(堀部圭亮)は否定的で、夫婦仲は良くない。そんな中、陽子が七瀬(木南晴夏)の若さをうらやむように。
第5話 2012年2月21日「紅蓮菩薩」 視聴率 1.6%
根岸新三(眞島秀和)と菊子(井村空美)夫妻には生後10ヶ月の赤ん坊がいる。一見幸せそうな夫婦だが、実は新三は浮気をしていた。菊子はそのことを知りながらもできる妻を演じている。新三は心理学の教授で、偶然にも以前、七瀬の父親をESP能力の測定に参加させていたことがわかる。七瀬の父は高い能力を示していたことを思い出した新三は、娘・七瀬(木南晴夏)にも遺伝しているのでは?と興味を抱く。
第6話 2012年2月28日「日曜画家」 視聴率 2.8%
竹村家の家長・天洲(矢島健一)は休日にだけ絵を描く‘日曜画家’で、芸術家らしく心の中は図形で表されている。そんな中、七瀬(木南晴夏)は彼が抱く自分のイメージが‘雪’だということを知り、好感を持つ。
第7話 2012年3月6日「知と欲」 視聴率 1.9%
七瀬(木南晴夏)は、人気脚本家・潤三郎(本田博太郎)とその息子の洋司(鈴木一真)が2人で暮らす山崎家へ。老境に入って執筆が思うように進まなくなった潤三郎は、創作意欲を燃やすためにある策を練る。
第8話 2012年3月13日「亡母渇仰」 視聴率 1.4%
清水家の恒子(宍戸美和公)の葬式で、一人息子の信太郎(黄川田将也)は泣いてばかり。妻・幸江(東風万智子)よりも母・恒子に依存していたらしい。そんな中、七瀬(木南晴夏)はある声を聞き驚がくする。
第9話 2012年3月20日「芝生は緑〜市川家編〜」 視聴率 2.7%
七瀬(木南晴夏)は、設計士の省吾(西村和彦)とその妻・季子(星野真里)の元へ。仕事が忙しい省吾は季子に怒ってばかり。さらにマンションの隣の部屋に住む高木家の妻・直子(野波麻帆)に気があるようで…。
最終話 2012年3月27日「“芝生は緑”〜高木家編〜」 視聴率 1.8%
七瀬(木南晴夏)は高木家で家政婦をすることに。七瀬は、妻・直子(野波麻帆)は隣に住む省吾(西村和彦)へ、夫・輝夫(大河内浩)は同じく隣に住む季子(星野真里)へある思いを抱いていると知り、実験を行う。
各話視聴率
『家族八景 Nanase,Telepathy Girl's Ballad』公式サイト
『家族八景 Nanase,Telepathy Girl's Ballad』MBS番組サイト
(家族八景 - Wikipedia)
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