原作概要
中学生の双子の兄弟と、彼らの父親代わりをする羽目になったプロの泥棒である主人公の身にふりかかる様々な事件を描いたユーモアミステリー。『小説現代』(講談社)において1991年から1992年にかけての5編の短編が掲載され、1993年に書き下ろしの短編2編を加えて講談社より単行本が刊行された。単行本化の際に「ハンド・クーラー」、「ミルキー・ウエイ」の2編が書き下ろされた。タイトルの「ステップファザー」(stepfather)は日本語で「継父」を意味する。
1997年から1998年にかけて、『小説すばる』(集英社)において本作の続編となる「バッド・カンパニー」、「ダブル・シャドウ」、「マザーズ・ソング」、「ファザーズ・ランド(前編・後編)」の5編が掲載されたが、10年以上経った2011年現在も単行本化はされておらず、宮部自身も公式サイトである「大極宮」において、理由を明かさないながらも「単行本化されることはない」と明言している。
2005年には青い鳥文庫から、2008年には講談社ペーパーバックスKからも刊行されており、どちらも共に「ワンナイト・スタンド」を除く6編が収録されている。
テレビドラマ
2012年1月9日から同年3月19日まで、TBS系列のパナソニック ドラマシアター枠でテレビドラマとして放送された。初回は19:00〜20:54(JST)の2時間スペシャル。大映テレビによるパナソニック ドラマシアター枠での作品は本作が初めてとなる。全11話。
キャッチコピーは「俺がパパ!?冗談じゃない!」。
概要
ステップファザー・ステップステップファザー・ステップ原作は、宮部みゆきファンに絶大な人気を誇る名作。両親に見捨てられた双子の兄弟と、彼らの父親代わりをする羽目になったプロの泥棒の身にふりかかる事件をユーモアたっぷりに描いたミステリーだ。1話完結型となる今作では、泥棒や詐欺師という裏稼業のノウハウを生かして爽快に事件を解決する姿と、ひょんなことからニセ家族となった3人が徐々に絆を深めて行く様子を描く。
出演
俺 - 上川隆也
怪盗キング。弁護士・柳瀬が無理やり書類を作成し、双子たちとステップファザー契約を結ばされる。
宗野 直 - 渋谷龍生
小学4年生、両親が失踪。料理が得意。
宗野 哲 - 渋谷樹生
小学4年生、両親が失踪。家事が得意。
灘尾 礼子 - 小西真奈美
葉沢市立今出新町小学校4年2組、直と哲の担任。双子の両親が失踪したことを知り、何かと気掛かりで夕飯作りを口実に宗野家を訪れる。俺の正体を知っている。
秋山 ナオ - 平山あや(幼少期:成田ひより)
柳瀬のお気に入り、柳瀬法律事務所事務員。プロの女詐欺師だが、ある時のうっかりミスで生死をさまよう羽目になる。
柳瀬 豪造 - 伊東四朗
柳瀬法律事務所所長 弁護士。俺の父親的存在で18歳の時に俺を拾ってくれた恩人。他の誰よりもお金に執着し、その事が起因し悲劇に見舞われる。
脇坂 信之助 - 渡辺いっけい
刑事。怪盗キングを捕まえることを目標としている。俺にあまり関わりたくない人物だと思われている。
脇坂 芳江 - 須藤理彩
信之助の妻。街の噂に敏感で詳しい。俺に興味がある。
その他
宗野 正雄 - 東根作寿英(第9 - 最終話)
新聞記者。直と哲の父親。妻と同じ日に駆け落ちする。
坂本 渉 - 村杉蝉之介
灘尾の同僚、小学校教諭。不倫事件の際、灘尾を厳しく追及した。
吉村 圭祐 - 猪狩賢二
灘尾の同僚、小学校教諭。不倫事件の際、坂本と同様に厳しく追及する。
桜庭 正義 - 松島庄汰
刑事。上司の信之助を慕っている。
脇坂 早苗 - 山岡愛姫
信之助と芳江の娘。双子の同級生。
久島 航太 - 幼少期:三谷翔太 / 少年期:横山幸汰
礼子と啓一の間に産まれた子供。バイオリンを習っている。
4年2組
ソウタ - 福本晟也
マサキ - 阿部拓海
スタッフ
原作:宮部みゆき「ステップファザー・ステップ」(講談社刊)
脚本:篠崎絵里子、徳永友一、国井桂
音楽:瀬川英史
演出:新城毅彦、山下学美、嶋添亮
技術協力:ビデオスタッフ
美術協力:アックス
編集:バウムレーベン、ワインド・アップ
CG:オムニバス・ジャパン
スタジオ:緑山スタジオ・シティ
プロデューサー:渡辺良介、八木亜未
制作:大映テレビ、TBS
主題歌
トータス松本「ブランコ」(ワーナーミュージック・ジャパン)
各話あらすじ(2012.1.9 - 2012.3.19)全11話 平均視聴率 7.56%
第1話「大ベストセラー解禁!!泥棒が双子のパパに!?笑える!泣ける!ニセモノ親子の本物の絆…!!」2012年1月9日20:00〜20:54 (初回のみ 19:00〜20:54)
‘俺’(上川)は泥棒で、ちまたでは怪盗キングなどと呼ばれている。雇い主である弁護士・柳瀬(伊東四朗)から情報を得て、‘俺’は私腹を肥やしている悪人らから金品を巻き上げている。今回のターゲットは雅子(李千鶴)で、彼女は詐欺で荒稼ぎした金を宝石にして新興住宅地に潜伏しているらしい。‘俺’は、高台から雅子の家を監視していたが、ふとした弾みに足を滑らせ転落する。意識を取り戻すと、目の前に双子の直(龍生)と哲(樹生)が。双子は、二人だけで暮らしているという。そんな中、双子の担任の先生・礼子(小西真奈美)がやって来る。この状況を打破するため、‘俺’は双子の父親であると、うそをつく羽目になる。そして、翌日から‘俺’と双子との奇妙な生活が始まる。
第2話 2012年1月16日「ドロボウ、ついにパパ契約!!白骨遺体の正体は…!? 」
双子の直(渋谷龍生)と哲(渋谷樹生)は、弁護士の柳瀬(伊東四朗)に「‘俺’(上川隆也)とステップファザー契約を結びたい」と依頼する。ステップファザーとは英語で義理の父親という意味。‘俺’は半ば強制的にこの契約を結ばされる。しかも、この契約には「不法行為は一切禁止」という条項があり、‘俺’は父親にされた上、泥棒行為も禁止されてしまう。そんな中、双子に催促され近所の湖にやって来た‘俺’は、そこで白骨化した男女の遺体を乗せた車が発見され、警察が現場検証しているところに出くわす。双子は、男女は自分たちの両親ではないかと不安を募らせる。
第3話 2012年1月23日「ドロボウ、泥棒に遭う!?ついに正体が…!?」
‘俺’(上川隆也)は、最近近所を騒がせている空き巣の対策講座に直(渋谷龍生)、哲(渋谷樹生)と共に参加。すると‘俺’に不信感を抱く礼子(小西真奈美)とまたしても遭遇し、険悪な雰囲気になってしまう。その後、3人が帰宅すると、家が荒らされていた。「ある物」が盗まれていることに気付いた双子は、‘俺’にはそのことを内緒にして、独自に犯人を見つけ出そうとする。その矢先、直がブロック塀から落ちてしまう。
第4話 2012年1月30日「双子失踪!?泥棒パパ最後のミステリー!!」
ある日、直(渋谷龍生)と哲(渋谷樹生)は、登校中に汚れた犬を拾う。犬は彫刻の木片を抱え、首輪の名札には「ラッキー」と書かれていた。2人は‘俺’(上川隆也)に犬を飼いたいとねだるが、犬が首輪をしていて捨て犬ではないので、本当の飼い主に返すべきだと反対される。怒った2人は、自分たちだけで犬を飼うことに。一方、‘俺’は飼い主を捜し始めるが、2人が逃げ出した犬を追って行方不明になったことを知る。
第5話 2012年2月6日「不倫教師!?怪文書事件の謎の犯人とは?」
‘俺’(上川隆也)が直(渋谷龍生)と哲(渋谷樹生)の父親だと信じられている宗野家の近隣では、‘俺’と礼子(小西真奈美)が不倫関係にあるのではないかといううわさが立ち始めた。すっかり礼子に依存するようになった双子に‘俺’は、迷惑を掛けるなとくぎを刺す。そんな中、怪文書が‘俺’と礼子の写真とともに学校に届いた。一方、柳瀬(伊東四朗)の指示で金持ちの夫人の不倫調査をしている‘俺’に哲から電話がかかってくる。直が高熱を出して寝込んだというのだ。しかし‘俺’には子供の看病の仕方が分からず役に立たない。困り果てた哲はこっそり礼子に連絡する。慌ててやって来た礼子は‘俺’にいら立ちをぶつけながらも、徹夜で直の看病をする。
第6話 2012年2月13日「凶悪犯が家を全焼!?遂に母が!!」
‘俺’(上川隆也)は、直(渋谷龍生)と哲(渋谷樹生)の誕生日が近いことに気付き、礼子(小西真奈美)とサプライズのパーティーの準備を進める。そんな折、ナオ(平山あや)が水道管が壊れたからと、宗野家へ転がり込んでくる。今までのナオの働きぶりを聞いて渋渋了承した直、哲、礼子だったが、わがまま三昧の彼女に不満が募る。一方、‘俺’と柳瀬(伊東四朗)は、ナオが仕事で失敗し、詐欺のターゲットに追われていることを知る。
第7話 2012年2月20日「衝撃の第2章−ニセ親子の別れ」
小学校対抗の駅伝大会に向けて、礼子(小西真奈美)のクラスでも次の体育の時間に代表選手を決めることに。代表になれば新聞に載るかもしれないと言われた直(渋谷龍生)は、代表を目指して哲(渋谷樹生)と一緒に練習を始めるが、走るのが苦手な哲は自信がない。そんな中、双子の父親だと名乗る男(別所哲也)が、‘俺’(上川隆也)の前に現れる。ショックを隠せない‘俺’はその場を逃げ去り、柳瀬(伊東四朗)らに胸の内を明かす。
第8話 2012年2月27日「泥棒、暗号を解く!!涙の作文…」
直(渋谷龍生)と哲(渋谷樹生)が暮らす宗野家の隣の脇坂家では、毎日のように謎の新聞が投げ込まれる嫌がらせに悩まされていた。芳江(須藤理彩)は刑事である夫の脇坂(渡辺いっけい)に犯人を突き止めるよう迫る。子供たちから相談された礼子(小西真奈美)と‘俺’(上川隆也)も、成り行きで謎を解くことになる。芳江によると、2週間ほど前からさまざまな新聞が投げ込まれるという。しかし、投げ込まれる時間帯や記事の内容に共通点は見つからない。解決の糸口が見えず、いら立つ芳江は脇坂に離婚を宣言。脇坂も、誰か分からない犯人のせいで家庭崩壊の危機を迎えていることにいら立ちが募る。そんな中、礼子と柳瀬(伊東四朗)の何げない一言から、共通点が見つかる。
第9話 2012年3月5日「嘘の手紙と偽の壷…波乱最終章」
‘俺’(上川隆也)は最近機嫌が悪い。ステップファザー契約のため泥棒稼業は休業中だが、街には”ニセ怪盗キング”が現れ、失敗ばかりしているのだ。柳瀬(伊東四朗)は偽者について何かを知っているようだが話そうとしない。それどころか稼げない泥棒は要らないと、‘俺’を事務所から追い出そうとする。プライドを傷つけられた‘俺’はナオ(平山あや)に、ニセ怪盗キングの被害者の情報を集めてほしいと頼む。そのころ、礼子(小西真奈美)が息子に会いたがっていることを知った直(渋谷龍生)と哲(渋谷樹生)は、礼子の息子の名をかたり、会いたいと手紙を書く。そんな中、‘俺’が柳瀬の事務所を訪れると、郷田(マギー)という男性が物陰に隠れていた。郷田は柳瀬が怖い男性に連れ去られたと言う。
第10話 2012年3月12日「消えたダイヤと家族失踪の謎…」
‘俺’(上川隆也)は柳瀬(伊東四朗)から、双子の父親・宗野についての情報を聞くが、追加の調査にはあと100万円必要だと言われる。そんな中、IT企業社長を名乗る佐藤(柏原収史)から空き巣に盗まれた時計を捜してほしいという依頼が舞い込む。‘俺’は探偵ではないと断ろうとするが、成功報酬が200万円と聞いて承諾。すると、生活費が残り少なくなり悩んでいた直(渋谷龍生)と哲(渋谷樹生)も、時計捜しを手伝うと言う。
最終話 2012年3月19日「衝撃と号泣のラスト16分!!」
直(渋谷龍生)と哲(渋谷樹生)の家に行く途中、‘俺’(上川隆也)は脇坂(渡辺いっけい)と会い、警察が「怪盗キング」の正体に迫っていることを知る。そんな折、‘俺’たちは双子の父・宗野(東根作寿英)が失踪前に、ある美術館に何度も出入りしていたことを知る。その美術館は、本物の絵は1つだけで、あとは偽物といういわく付きの施設だった。内部を調べていた‘俺’は、電気室に潜む宗野を発見するが、逃げられてしまう。
各話視聴率
番組公式HP
(ステップファザー・ステップ - Wikipedia)