“春夏冬”でセンセイと呼ばれている常連客の大岩(柄本明)が吐血した。
病院に付き添った黎(米倉涼子)は、所持品から大岩が元刑事だったことを知る。大岩は退職した後も20年前に起きた事件を追っていた。瀬谷利夫(諌山幸治)という警察官が殺されて拳銃を奪われたが、大岩は犯人を逮捕できなかったのだ。
黎は懸賞金が無いからと難色を示す和美(堀内敬子)たちを説き伏せて捜査に参加させるが、新たな手がかりは見つからず、瀬谷の母親には「過去をほじくり返さないで」と言われてしまう。何も収穫が無いまま、病室を見舞った黎と純(桐谷美玲)に、「多くの人の人生を変えた人間の顔を、この目で見たいだけ」と語る大岩。
その言葉に黎と純は、真相解明への思いを新たにする。
地元で育ったひとみ(原幹恵)に話を聞くと、事件当日も幼なじみと神社で遊んでおり、オサムという仲のいいお兄さんと会ったが、その証言は警察では受け入れられなかったという。その人物、楢崎修(尾美としのり)は、警察の捜査では事件発生時、大学で講義を受けていたと同級生の古谷雄一(川嶋秀明)が証言していた。
黎が訪ねると、中年になった楢崎は避けるように立ち去る。一方、古谷を訪ねた純は、得意のお色気作戦で重大な事実を聞き出す。
古谷は事件当日、楢崎の代返をしていたが、就職を取り消されたくなくて、警察には本当のことを言わなかったというのだ。
純から真っ先に報告を受けた大岩は病室を抜け出す。慌てた黎が権藤(谷原章介)の推理を頼りに神社に向かうと、大岩に呼び出された楢崎が現れた。楢崎はあの日、子ども達と遊んでいるところを瀬谷に変質者扱いされ、カッとなって殺害してしまったことを認める。
そして懐から拳銃を取り出した…!
そこへ大岩が叫び声を上げて突進してきた。そして楢崎に馬乗りになると、拳銃を奪い、楢崎の眉間に銃口を突きつけた。黎は懸命に止めようとするが、大岩は引金に手をかける。そこへ現れた権藤が大岩に拳銃を向け、三者が膠着状態になる。
その時、楢崎が「お願いします」と呟いた。ずっと罪の意識にさいなまれて苦しんできたから、大岩に撃たれて終わりにしたいと言うのだ。大岩が引き金を引こうとし、権藤も狙いを定める。しかし間一髪、黎が飛び出し、大岩の腕を掴んだ。「この人の命を奪えば、センセイや遺族の失われた時間は返ってくるんですか?」という問いかけに、銃を下ろす大岩。
「生き続けろ。生きて、罪と向き合え」と楢崎に告げて立ち去った。
後日、退院に付き添った黎に、大岩は意外な言葉を告げる。
「楢崎にも悪いことをした。我々が早く逮捕していれば、生き直せていた」。
そして自身は食道癌と診断されたことを黎に告白する。
“春夏冬”では大岩の退院祝いが開かれた。
皆には本当のことを言わず、陽気に振舞う大岩を、黎は複雑な思いで見つめていた。
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