概要
向田が1981年8月に台湾取材中に飛行機墜落事故で不慮の死を遂げる5ヶ月前に製作されたもので、家族の大黒柱である父がリストラに遭い、それがきっかけでの失踪を端にした家族崩壊が進む。しかし、長女である桃子がその父親に代わって家族の再建を図ろうとする様を描いた社会派ホームドラマである。
1982年 NHK総合テレビジョン「ドラマ人間模様」で放送。主演・いしだあゆみ。
1989年 TBSテレビ(当時の東京放送)「東芝・日曜劇場」で放送。主演・竹下景子。
2011年 NHK総合テレビジョン「ドラマ10」で7月26日-8月30日<全6回>で放送。主演・松下奈緒。
また今作品から地上デジタルテレビ放送のみでの放送(解説放送=ステレオ2あり)となる。(但し東日本大震災の救済処置として、岩手県・宮城県・福島県に限りアナログ放送も継続するが、解説放送の有無は未定)
2011年版
2011年7月26日より「ドラマ10」枠にて「向田邦子ドラマ・胡桃の部屋」の題名で放送された。全6回。
松下は「ゲゲゲの女房」(2010年・連続テレビ小説)以来となるNHKドラマの主演である。同作品では1989年版に主演した竹下とも競演する(松下と竹下は「ゲゲゲの女房」でも競演している)。竹下と蟹江は1997年の『ママだって夏休み』でも夫婦役で共演している。
キャッチコピーは「幸せだけじゃ、生きてゆけない。」。
ストーリー
昭和55年の東京。小さな出版社で絵本の編集をしている三田村桃子(松下奈緒)は、両親・妹・弟とともに平凡な日々を過ごしていた。そんなある日、リストラをされて職を失った父親・忠(蟹江敬三)が突然、失踪してしまう。それから1カ月後。依然として行方がわからない忠を心配する桃子は、忠の部下だった都築実(原田泰造)から、忠が小さなおでん店を経営している恩田節子(西田尚美)と暮らしていることを聞く。悩んだ末、桃子は父親が女性の部屋に身を寄せていることを家族に告白する。その後、次第に家族の絆が崩壊し始め、桃子は父親に代わって家族の幸せを取り戻すために奮闘する。
概要
没後30年となる向田邦子の小説「胡桃の部屋」をドラマ化。向田作品らしいユーモアを交えながら、家族が抱えている悩みが胡桃の中にある「胡桃の部屋」のように一つひとつ明らかになっていく模様を描く。作品の舞台となるのはバブル前の1980年頃の東京。リストラで蒸発した父の代わりに一家を守ろうと奮闘する主人公・三田村桃子を軸に、一筋縄ではいかない男女の関係や家族の絆を描く。桃子を演じるのは、昨年の連続ドラマ小説「ゲゲゲの女房」でヒロインを務めた松下奈緒。1年ぶりのNHKのドラマ出演となる松下が、家族の幸せを取り戻すためにひたむきに頑張る主人公を演じる。
キャスト
松下奈緒:三田村桃子役
三田村家の次女。生真面目で不器用な性格。絵本の出版社「よつば出版」で編集者をしている。失踪した父に代わって、家族を守るために奮闘する。
瀬戸康史:三田村研太郎役
三田村家の長男で私立大学の3年生。就職活動を控えているが、父の失踪で自分の生き方に疑問を持ち始める。
臼田あさ美:三田村陽子役
三田村家の三女。喫茶店でアルバイトをしながら医者との玉のこし結婚を狙っている。優秀な姉たちにコンプレックスを感じている。
原田泰造: 都築実役
忠の部下。妻と娘が家を出て行ってしまい、別居中。上司の忠が失踪した後、桃子の相談相手になる。
井川遥:清水咲良役
三田村家の長女。美人で要領が良く、エリート商社マンと結婚して勝ち組人生を歩んでいるように見えるが、夫の不倫に悩んでいる。
西田尚美:恩田節子役
東京・鶯谷で小さなおでん店を営んでいる。居場所を失った忠と知り合い、自分の部屋に住まわせることに。
竹下景子:三田村綾乃役
桃子の母。ひたすら夫・忠に仕えてきた良妻賢母だったが、夫が失踪したことで次第に不安定になっていく。
蟹江敬三:三田村忠役
桃子の父。頑固で厳しい「昭和の父」。会社一筋で働いてきたが、突然リストラされて職を失い、失踪してしまう。
スタッフ
原作:向田邦子「胡桃の部屋」
脚本:篠崎絵里子
演出:渡邊良雄/一木正恵
制作統括:高橋練
各話あらすじ(2011.7.26 - 2011.8.30) 全6話 平均視聴率 8.73%
第1話 2011年7月26日「父の失踪」
第2話 2011年8月2日「母の思い」
第3話 2011年8月9日「不器用な愛」
第4話 2011年8月16日「桃子の恋」
第5話 2011年8月23日「裏切り」
最終話 2011年8月30日「家族の幸せ」
各話視聴率
番組公式HP
(胡桃の部屋 - Wikipedia)
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