東城医大病院の特別愁訴外来担当医・田口公平(伊藤淳史)がある朝目覚めると、路上のゴミ置き場に男性の遺体が。刑事の玉村誠(中村靖日)とともに現場に駆けつけた警察の嘱託医は、路上生活者らしき男性の風体から事件性のない衰弱死と診断する。だが、田口の提案でAi(死亡時画像診断)が行われ、死因は溺死と判明。別の場所で何者かに溺死させられ、遺棄された殺人事件の可能性が浮上する。
「この国は、死因不明社会です」
一方、厚生労働省の官僚・白鳥圭輔(仲村トオル)は、放射線科准教授でAiの第一人者・島津吾郎(安田顕)を東城医大に招聘し、Aiによって死因を究明する「Aiセンター」の設立を提言していた。
だが、警察庁の斑鳩芳正(高橋克典)や法医学教室の教授から猛烈な反発を受ける。Aiで死因が特定されるようになれば、法医学の解剖は存在意義をなくし、警察の捜査も威信を失うのだ。
白鳥は島津を中心にセンターを運営しようとするが、白鳥の動きを警戒する警察庁刑事局審議官の北山錠一郎(尾美としのり)と腹心の捜査官・宇佐見壮一(福士誠治)、法医学教室准教授の笹井スミレ(小西真奈美)は激しく反発。議論が紛糾する中、田口がセンター長に担ぎ上げられてしまう。
そんな折、田口が発見した遺体の身元がわかった。清原正夫(田口主将)という男性で、6年前に借金を作って蒸発して以来、家族に連絡ひとつ寄こさなかったという。清原の息子・信一(石黒英雄)はそんな父親を恨み、遺体の引き取りを拒否。そして、事件は意外な展開を見せる。付近で同様の遺体が相次いで見つかり、同一犯による連続殺人の疑いが濃厚になったのだ。
まもなく、清原が飲み込んでいた浴槽の塗装の破片が手がかりとなって犯人が捕まり、事件の全容が明らかになった。清原は、路上生活者に部屋を提供する代わりに生活保護や派遣労働の給料を搾取する“貧困ビジネス”の被害者だった。借金を返済しようと金を貯め、家族のもとに戻るために逃げ出そうとしたのを組織に察知され、浴槽の水に顔をつけられて窒息死させられたのだ。清原の無念を知った信一は、ようやく遺体の引き取りを承諾する。
一方、センター設立の準備を始めた島津は、東城医大に最新の縦型MRIを設置。システムエンジニアの友野優一(矢柴俊博)を招き、導入に着手する。田口は清原の事件から死因究明の重要性を痛感。センター長になる覚悟を決め、友野からAiについて学び始めた。
だがその矢先、思わぬ事件が発生した。
MRI室で作業を行っていた友野が遺体となって発見されたのだ。
第一発見者は島津だった…。
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