昭和15年、第二次世界大戦が勃発、パリからの帰国を余儀なくされた岡本太郎(松尾スズキ)は中国戦線に送られる。過酷な軍隊生活のなか日本を変える志を抱き、戦後すぐに先鋭的な芸術運動に乗り出し日本の画壇に戦いを挑んでいく。そんなエネルギッシュな姿に一目惚れした平野敏子(常盤貴子)は、秘書として太郎と一緒に暮らす事になる。
当時から、新聞や雑誌の原稿、講演活動と多忙だったが、画家としての才能は認められていなかった。誰よりもその才能を信じる敏子は、太郎の芸術論をまとめ出版することを発案。『今日の芸術』と題した著作はベストセラーとなり、太郎は瞬く間に時代の寵児にのしあがってゆく。だが、自らの手を離れスポットライトを浴びる姿に、敏子の恋愛感情は急速に冷えてゆく。
そんな折、展覧会に出品された太郎の絵が、既に古いと酷評されてしまう。ショックを受け酔いつぶれる太郎を目の当たりにし、敏子は「太郎こそが画壇にとらわれている」と言い放ち、その顔を黒く塗りつぶしていく。それは、敏子が生身の愛を捨て去り、岡本太郎のプロデューサーとして生きてゆく覚悟を決めた瞬間であった。やがて敏子は、結婚ではなく太郎の養女となる道を選んでゆく。
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