赤堀事件の後、姿を見せなくなった岡部(橋爪功)を、久しぶりに街で見かけた佐原(田村正和)は、急いで岡部のもとへと走ろうとするが、岡部は止めてあった外車に乗り込み、走り去ってしまう。佐原がタクシーで後を追うと、その車は藤尾派が集まる料亭に到着。料亭の外には、代議士の藤尾定道(浜田晃)を内偵中の東京高検検事・柳田淳朗(西村雅彦)がいた。柳田によると、岡部が乗ったのは、石川財閥会長の石川松子(市原悦子)の車だという。松子は藤尾の支援者で藤尾派の金庫番だが、最近、藤尾の政界引退を勧告するような松子の発言が雑誌に掲載され、その動向にマスコミの注目が集まっていた。
総会終了後、岡部は松子と共に店の外に姿を現した。とそのとき、突如銃声が鳴り響き、松子が銃弾に倒れてしまう…!後日訪ねてきた柳田によると、松子はかすり傷で済んだという。検察は、藤尾が自分が狙撃されるふりをして松子を撃たせたと睨んでおり、松子と岡部の関係についても調査しているらしい。岡部を庇わないよう、佐原に釘を刺す柳田。
ちょうどそのとき、岡部が純子(真矢みき)の店にやってくる。松子との関係を問う佐原の質問には一切答えず、預けていた弁護士バッジを受け取ると、「嫌な仕事をする」と言い残し、暗い顔で店を出て行く岡部。そして翌日、なんと岡部は岸田麗子(釈由美子)の弁護人として彼女の自首をマスコミに発表。麗子を殺人犯に仕立て上げた赤堀事件の弁護人・佐原との対決を宣言する。
岡部の真意をはかりかねながらも、赤堀事件の公判記録を読み返す佐原のもとへ、岡部から連絡が入る。赤堀事件での佐原の弁護を称賛しつつ、なぜ麗子の弁護を引き受けたのかという佐原の質問には答えずに電話を切る岡部。その岡部は、松子が常用するホテルのスイートルームにいた。岡部は松子から金銭の援助を受けていたのだ。麗子が自首してきたことで、藤尾の化けの皮を剥がせると喜ぶ松子に、岡部は、自分は依頼人である麗子を救うために全力を尽くすのであって、松子のために藤尾を潰すのはモラルに反することだと反論。しかし、松子はその発言を笑い飛ばして…。
数日後、松子のもとを訪ねた佐原は、松子から「31年前に人を殺した」という、衝撃の告白を聞かされる。しかも、16年前、時効の前日に岡部にそのことを告げたというのだ。松子は藤尾が地盤を継いだ大物代議士・川辺鉄太郎の愛人だった。川辺亡き後は、彼を支援していた石川財閥の石川庄一と再婚。その石川が亡くなり、石川財閥を受け継いだ時に岡部と知り合い、揉めていた遺産相続問題を片づけてもらったのだという。松子は、岡部に事件について告白したときの録音を佐原に聞かせる。
松子が殺した相手とは、川辺が選挙で不正を行ったことを嗅ぎつけ、自分に肉体関係を強要してきたルポライターの樋口(大浜直樹)。吊り橋の上で迫ってきた彼に抵抗したところ、転落してしまったという松子の告白に、岡部は自首を勧めず、あなたは無罪だと答えていた。岡部が裏切らないように二人のやり取りを録音したという松子。佐原は、31年前当時、川辺の秘書をしていた藤尾もこの事件に関与していたのでは?と問うが、松子はそれを鼻で笑うと、「あなたにわかるなら、事件の真相を明らかにしてちょうだい」と挑戦的に言い放つ。
その夜、岡部が松子から託されたという高級ワインを手にやってきた。純子の店に場所を移す佐原と岡部。佐原は吊り橋での事件を松子から聞いたと岡部に伝え、松子に自首を勧めなかったことを責める。さらに、藤尾はあの事件には関係がないという岡部に、秘書だった藤尾が知らないはずはない、岡部は松子に騙されたのではないか。そして、事務所を立ち上げたばかりだった岡部は、石川財閥との仕事を続けるために、取引をしたのではないかと指摘。それに対し、「侮辱するな」と激昂した岡部は、麗子の弁護人を降りろ、晩節を汚すなという佐原に反発する。
そこへ、店の中にいた鶴子(相武紗季)が店の中にいる怪しい男に気をつけてと忠告に来る。岡部はその男にはずっとつけられていると言い、店を出て行こうとするが、男は岡部に近づくとナイフで襲いかかった。腹部を刺され、倒れてしまう岡部。男は自首すると言い、ナイフを捨てる。突然の出来事に呆然とする佐原で…。
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