佐原(田村正和)は、日本中が鬼の母と呼んだ殺人犯・清水熱子(若村麻由美)の事件を調べるため、甲府へと向かっていた。
その事件は2008年5月に起きた。熱子の一人娘・秀子(川島鈴遥)が桃林で行方不明になり、その翌日から近所では熱子が秀子を殺したという噂が流れ、マスコミはこぞって熱子を追いかけ回し、犯人扱いする。錯乱した熱子は、秀子を売春婦の娘といじめていた同級生の中里春子(杉山優奈)を絞殺。その数日後、行方不明だった秀子の遺体が川で発見されたのだ。
事件現場に到着した佐原は、熱子を逮捕した刑事・遠藤政子(岩崎ひろみ)と合流し、事件の詳細を聞く。遠藤によれば、熱子に秀子殺害の記憶はないという。いじめられたことを苦に家を飛び出した秀子が、川縁の鉄柵に上ったのを止めようとした時、ただ「火を見た」というのだ。遠藤はマスコミに情報を流した張本人だった。しかしその後、状況証拠のみで熱子が起訴されたことに反発。自分の軽率な行動を悔いた遠藤は、一審では死刑判決が出るだろう熱子の、二審以降の弁護を引き受けて欲しいと佐原に懇願する。
大方の予想通り、一審で死刑が言い渡されると、熱子は即日控訴。弁護団は解散し、佐原が国選弁護人に就任する。純子(真矢みき)が心配する中、誰もが死刑が当然だと思っている事件にこそ、弁護士のなすべきことがあるとの信念で再び甲府へと向かった佐原は、さっそく熱子に接見。佐原が自分の娘の誕生日をきちんと覚えていることを確認した熱子は、佐原に心を開き、秀子への思いやこの町に来てからのことを語り始めた。その話から、熱子は心から秀子を愛しており、殺してはいないと直感した佐原は、熱子が見たという火が何なのか調査を始める。
すると、熱子が働いていたバーのママ・泰子(山口美也子)の話から、熱子は娘が生まれてすぐに秀子という名前をつけたこと、熱子の高校時代の恋人の親友に酒井秀夫(草野康太)という男がおり、何度か熱子に会いに来ていたことが判明。佐原は鶴岡(近藤芳正)を酒井の元に向かわせるが、すでに家庭を持っている酒井は、熱子との関わりについて一切口を割ろうとはしない。だが、熱子は秀子の父親が酒井であることを認め、妊娠が発覚して酒井にプロポーズされたが、熱子の父親が蒸発していることを理由に、酒井の母親に結婚を反対され、しかたなく別れることになってしまったと佐原に打ち明ける。
さらにその話の中で、熱子は4歳の頃、母親に手を引かれ連れて行かれたある場所で、秀子が死んだときに見えたのと同じ火を見たことを思い出した。母親と知らない男も一緒で、母親にそのことを口止めされたのだという熱子。いったいその男は誰なのだろうか…?
一旦調査を終えた佐原が東京に戻ると、純子の店で遠藤がマスコミの記者たちを相手に、事件について話していた。質問を受けた佐原も「事件の真実を明らかにしたい。火の記憶は嘘ではなく、清水被告は秀子ちゃんを殺していないと信じている」と自信を持って語る。
そんな中、熱子の生まれ故郷である九州の筑豊に調査に行っていた富田(松尾敏伸)から、火の記憶の男は刑事ではないかという連絡が入る。熱子の母親・ゆめ子の遺品に河辺忠一(菅田俊)という刑事の死亡通知が残っていたというのだ。早速、筑豊の炭鉱住宅に向かった佐原の前に、河辺の元同僚である米沢(中丸新将)という男が現れ、「何を調べているのかわかりませんが、もう30年前のことで時効です。死者に鞭打つような真似はやめんね」と言い放つと去っていく。彼は一体何を言っているのか? 河辺とゆめ子が夫を殺したという噂でもあるのか…?
謎がますます深まる中、熱子が幼い頃に両親と写した写真を富田に渡された佐原は、写真の中で笑う幼い熱子に胸を熱くする。今回、熱子が起こした事件の真相を明らかにするためには、30年前に熱子の家族にいったい何があったのかを知る必要がある、そう強く思う佐原。果たして熱子は、本当に我が子を殺害したのか? それとも事故だったのか…? 事件の背後にある熱子の記憶の闇を解き明かすため、第二審に向けた佐原の闘いが始まる!
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タグ:告発〜国選弁護人