翌日、大阪から戻った沙希は絵里子を訪ね、アメリカにいる夫が浮気をしていると相談を持ちかける。夫婦が離れて暮らしていると、開放感からほかの人に心が移ってしまうともらす沙希。その言葉に、ふと単身赴任中の慎二のことが気になった絵里子は、言いようのない不安にとらわれる。
明くる日、美津子(草笛光子)を見舞いに病院へ出かけた絵里子は、ささいな言葉の行き違いから美津子を怒らせてしまった。さらに幼稚園でも、今朝の悪夢が忘れられず、駿と未央(谷花音)を連れてスイミングスクールへ行こうという真由美(三浦理恵子)の誘いを断り、真由美の機嫌をも損ねてしまう。
そんな折、真由美の店に沙希が現れた。絵里子の新しい隣人だと名乗り、真由美と朗らかに会話を交わす沙希。その様子を、笑顔もなくじっと見つめている理生(南圭介)の視線に気づいた沙希は、挑むような目で理生を見返す。
翌日の午後、ホタルの観察会に顔を見せた沙希は、真由美が話し始めた1年前の駿の行方不明騒動を興味ありげに聞いていた。そんな沙希に理生はついに切り出した。「あんた、池で死んだ子の母親だろ?」
絵里子は駿を連れて病院に美津子を見舞い、敏郎(左右田一平)からせめて美津子が退院するまでは大阪に越さないで欲しいと頼まれる。その夜、絵里子の家に沙希が現れた。多く作りすぎた料理を食べて欲しいと、まるで近くに住む姉妹のような親しさで訪ねてきた沙希に心を弾ませた絵里子は、大阪行きを止めようと決意する。
沙希が再び慎二の前に現れた日から1週間が経った。会社で仕事をこなしながらも、慎二の頭にふと浮かぶのは、今夜バーに現れるはずの沙希のことばかり。そして夜、取引先との打ち合わせが急遽キャンセルされたことから背中を押された慎二は、はやる気持ちでバーへと向かう。
深夜、未だ姿を見せない沙希をひとりバーで待つ慎二。そんな自分の行動に苦笑し、帰ろうと席を立ったそのとき、沙希が店に現れた。大阪での仕事が終わり、バーに来るのも今夜が最後だと話す沙希は飲み明かそうと慎二を誘う。酒に酔い、いつになく大胆に体を寄せてくる沙希にドキリとする慎二に、沙希は自分の携帯電話の番号を書いたメモを渡す。
次の日、沙希は真由美の店を訪れ、何食わぬ顔で絵里子と真由美の会話に加わっていた。そんな中、絵里子が池で起こった事故の話を切り出す。駿と同じ年頃の男児が溺死体で見つかった日から、ちょうど1年が経っていた。事故の直後、現場にあった供え物の花が何者かによって荒らされていたらしいと話す真由美に、「亡くなった子の母親の仕業ではないか」とつぶやく沙希。その様子をみた絵里子はふと、沙希が亡くなった男児の母親ではないかと思う。
その後、供養の花束を持って池に向かった絵里子は、喪服姿の夫婦らしい男女と出会う。亡くなった男児の父親だという男(高知東生)が絵里子に礼を言う。喪服の女は沙希ではなかった。
深夜、窓辺に佇む沙希の姿を目にした絵里子。執拗に手招きをする沙希にうながされた絵里子は、隣家へと向かい…。
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