人々で賑わうクリスマス・イブの夜、弁護士の佐原(田村正和)は岸田麗子(釈由美子)という女性を探し歩いていた。麗子は半年ほど前、佐原の友人・岡部(橋爪功)からレイプされたと告発した女である。岡部が大物代議士・藤尾(浜田晃)の不正献金を追求している最中のことだった。佐原は岡部の汚名を晴らそうと必死に弁護するが、麗子は休廷中に逃走し、そのまま失踪。岡部はこの事件が原因で弁護士会から除名され、表社会から転落してしまう。佐原はその日から、岡部のために麗子を探し続けているのだ。
そんな中、佐原は岡部から、夫殺害の罪で起訴された赤堀波子(木村多江)の起訴状を渡される。大手建設会社社長の夫・勇造(布施博)から、政権交代による急激な業績悪化を自分のせいだとなじられた波子は逆上、日本刀で夫を刺殺したのだという。
岡部が理由もなくこの事件を自分のところに持ってくるはずが無いと直感した佐原は、勇造が藤尾代議士への不正献金問題で東京地検特捜部から内偵されていた事実を突き止める。この殺人事件は岡部の事件と繋がっており、波子の弁護が岡部を救う道へと繋がる。岡部本人からも懇願された佐原は、波子の国選弁護人を引き受けることを決意、岡部の敵討ちのために立ちあがる!
早速、波子と接見し、自分が弁護人になったことを告げた佐原は、波子の言動から彼女に男がいることを直感。同じ頃、能登の断崖で元東京地検にいた検事・山縣宣夫(北村有起哉)の遺体が発見された。山縣が赤堀を内偵していたのではないかと推測した佐原は、東京地検の本宮検事正(平田満)を訪ねるが、そんな事実はないと追い返されてしまう。
岡部もまた、山縣が死ぬ間際に一緒にいた女が麗子ではないかと睨み、ひとり調査を続けていた。だが、山縣が付き合っていた女は麗子ではなく、なんと波子だったことが判明!報告を受けた佐原は、自ら能登へと調査に向かい、現場に落ちていた山縣の携帯電話に、麗子の写真が残されていた事実をつかむ。
そして公判の日。佐原は山縣の携帯電話に残っていた麗子の写真を提出するとともに、山縣が波子の恋人だったと発言。傍聴席にどよめきが起こる中、佐原は山縣がこの写真を撮った後に、麗子に突き飛ばされて亡くなったのではないかと続け、証言台に立つ本宮に、山縣が東京地検から金沢地検に異動になった理由を尋ねる。本宮は、山縣が人妻のストーカー行為から逃れるために自ら金沢への異動を希望したのだと証言。それに対し佐原は、山縣が内偵中の赤堀の妻である波子と親しい関係だと知った本宮が、金沢へ異動させたのだと反論する。果たして、どちらが真実なのか? なぜ山縣は死ななければならなかったのか…?
そのとき、岡部がある書類を持って法廷に姿を現す。その書類は、東京地検の検事による内部告発文書だった。それに目を通した佐原は、岡部のレイプ事件をでっちあげて失踪し、山縣が死亡したときに彼と一緒にいた麗子は、藤尾代議士と非常に親しい関係にあると発言。さらに、東京地検特捜部が藤尾代議士の不正献金問題に幕を下ろした理由を佐原が言おうとした瞬間、それまで黙っていた波子が、自分と山縣は何の関係もない、証人も弁護人も嘘を言っていると叫び出す。そして、死刑にして欲しいと泣き崩れてしまう。
その結果、公判は閉廷となってしまった。連行される波子に、なぜ裁判を止めたのかと尋ねる佐原。だが、波子はそれには答えず、「あなたには頼みません。二度と会いません…」と言い残して去って車に乗り込む。走り去る車を見つめながら、苦い表情で座り込む佐原で……
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タグ:告発〜国選弁護人