武誠治(二宮和也)は、母・寿美子(浅野温子)と彼女につきまとう悪質な訪問販売員・相沢(ムロツヨシ)との関係を終わらせるために、必死で貯めてきた100万円を手渡す。事情を知った千葉真奈美(香里奈)たちは、弱者を狙うその手口に憤りを覚えながらも、誠治があまりにも気の毒でかける言葉すら見つからなかった。
そんななか、大悦土木の職長・大悦貞夫(大友康平)は、正社員にならないか、と誠治に持ちかける。事務と営業を任せられる人材を探していた大悦は、誠治なら信頼できると思って声をかけたのだ。ふたりの話を偶然聞いてしまった事務員の星野あかり(岡本玲)は、真田勝也(嶋大輔)、塚本学(山本龍二)、手島信二(井上正大)の3人にそれを話した。真田たちは、誠治が大悦土木に入社すると知って喜んだ。
誠治は、大悦からの話を真奈美に打ち明けると、正直言って戸惑っている、と続けた。そんな誠治に、真奈美は、どの会社に入るかは誠治の基準で決めればいい、と告げる。
誠治が家に戻ると、亜矢子(井川遥)が息子の智也(橋本智哉)を連れて来ていた。亜矢子は、姑の則子(鷲尾真知子)とぶつかって、家を出てきてしまったらしい。それを知った誠一(竹中直人)は、どうせ大した理由じゃないんだろう、と言って亜矢子を責めた。
するとそこに、誠治が最終面接をすっぽかしてしまった会社・ナミキ医療技研から電話が入る。もう一度、誠治と会って話がしたい、という電話だった。
あくる日、誠治は、ナミキ医療技研を訪れ、改めて面接を受ける。担当者の木田(小木茂光)は、先の採用試験で欠員が出たため、誠治の話を聞きたいと思ったと誠治に告げた。誠治は、最終面接を受けなかった理由を話し、改めて面接を受ける。結果は合格だった。それを知った大悦たちは、喜び、誠治を祝福した。
帰宅した誠治は、誠一たちにも合格を伝えた。と同時に、大悦土木からも誘われたことを打ち明ける。すると誠一は、ナミキ医療技研に行け、と誠治に命じ、土木の仕事を差別する発言をした。怒った誠治は、自分に対して良く接してくれた人たちに謝れ、と声を荒げた。
別の日、大悦土木に出社した誠治は、職長の大悦に、何故自分に声をかけたのか、と尋ねた。誠治は、100万円の件で、大悦に同情されたのではないかと思っていたのだ。すると大悦は、将来的に自分のパートナーとして会社の経営にも関わってもらう人物を選ぼうと考え、誠治なら信頼できると思った、と答え…。
仕事を終えて帰宅した誠治は、改めて誠一に就職の件を切り出す。そこで誠治は、いま日本で一番自分を必要としてくれているのは大悦土木だと思う、と誠一に告げる。あくる朝、出社した誠治は、大悦にその決断を伝えた。
誠治は、世話になったハローワークの北山雅彦(児嶋一哉)に就職の報告に行く。北山も、誠治が大悦土木を選んだことに驚いていた。別れ際、北山は、誠治に携帯電話の番号とメールアドレスを書いた紙を渡す。
夜、いつもの居酒屋で真奈美の送別会が行われた。真奈美は、しばらくの間、和歌山にある技術センターに研修に行くことを皆に告げる。そこに、豊川哲平(丸山隆平)もやってきた。哲平と言い争いになったままだったあかりは、手にしていたグラスを乱暴に置くと、ケガをして将来がどうなるかわからなくても哲平のことが好きだと告げる。哲平も、そんなあかりの気持ちに答え…。
翌日、亜矢子は、永田家に戻り、則子と、夫の文也(七海智哉)にこれからのことを話したいと告げる。亜矢子は、文也とちゃんと向き合わずに嫁姑の問題にすり替えてしまったことを悔やみ、これからは親子3人で考えていきたい、と則子に告げる。文也も亜矢子の意見に同意した。亜矢子の思いを受け止めた則子も、「あなた、随分たくましくなったわね」と笑ってみせた。
誠治は、寿美子が用意したYシャツと背広に身を包み、社員として初めて大悦土木に出社する。大悦は、そんな誠治を仲間たちや喜嶋建設のスタッフに紹介した。喜嶋建設側からは、真奈美の後任として平田(相葉雅紀)という若者がきていた。
日曜日、誠一は、誠治や寿美子に行く先を告げずに出かける。誠一が向かったのは、大悦土木だった。誠一は、誠治が世話になったことに対して感謝の気持ちを伝えると、誠治が大悦を尊敬していることに嫉妬していた、と続けた。そんな誠一に、大悦は、自分も家では息子にバカにされている、と返す。笑い合うふたり。ふいに立ちあがった誠一は、「息子を、どうぞよろしくお願いします」と言って、深々と大悦に頭を下げた。
帰宅した誠一は、誠治に、引っ越しのことを切り出す。誠治が、中古物件のチラシを持っているのを見た誠一は、二世帯ローンを組もうと提案した。誠一がローンを組み、それを誠治が引き継ぐ、という方法だった。誠治は、誠一の提案に同意しつつも、出してもらった金は必ず自分が返す、と告げる。呆れて部屋を出て行こうとする誠一。誠治は、そんな父に、「ありがとう」と言って…。
夕食の際、誠治は、引っ越しのことを寿美子に伝えた。寿美子は何も言わなかったが、その目からは涙がこぼれていた。
誠治たちは、亜矢子にも手伝ってもらい、引っ越しの準備を進めた。その間も、ずっと時計を気にする誠治。実はその日は、真奈美が和歌山に出発する日でもあった。決心を固めた誠治は、ふいに片付けの手を止めると、家を飛び出した。
バスターミナルで真奈美の姿を見つけた誠治は、「やっぱりみかんを送ってもらおうと思って…」などと言いながら、最後の最後で、ようやく自分の気持ちを告白する。そんな誠治に、真奈美は、「来るのが遅い!」と返し、みかんは送らないから食べに来て、と告げて笑顔で旅立っていく。
誠治が家に戻ると、引っ越し荷物はすべて片付いていた。誠一は、表札を外すと、車に寿美子や亜矢子たちを乗せて、引っ越し業者のトラックに続いて走り出す。原付バイクでその後を追おうとした誠治は、隣家から出てきた西本幸子(坂口良子)に、声をかけた。幸子は、あれから息子の和彦(横尾渉)と会っていないらしい。誠治は、そんな幸子に、和彦がいまでも時々戻ってくるのは何故か、と問いかけ、いまからでもやり直しはできると思う、と続けた。
新居に到着した誠治たちは、さっそく荷解きを始める。その際、誠一は、次は結婚活動に精を出すよう誠治に命じた。それに誠治が反発し、言い争いが始まった。寿美子は、そんなふたりの姿を笑顔で見つめて…。
第1話 2010年10月19日 「明るかった母さんが壊れた…!」
第2話 2010年10月26日「どうせオレは恥ずかしい息子だよ」
第3話 2010年11月2日 「あんなオヤジでもヒーローだった」
第4話 2010年11月9日 「お袋の、面倒みるのもう無理だ…」
第5話 2010年11月16日「生きてる世界が違うって何だよ…」
第6話 2010年11月23日「母さんを悲しませることすんなよ」
第7話 2010年11月30日 「怖さとつきあって、みな生きてる」
第8話 2010年12月7日「おまえに親父さんの何がわかる?」
第9話 2010年12月14日「再スタート、するはずだったのに」
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