このまま深堀は執行されてしまうのか・・・。そんな中、満が死刑囚の迫(津田寛治)に殴りかかるという事件が発生。
満は保護房に入れられることに。満に一体何があったのか、殴った理由を聞く直樹に対し、満が答えた言葉は驚くべきものだった。
そして、このまま深堀が執行されていいものか考え続けた直樹は、深堀があるTシャツにこだわりをもっていることに気付き、深堀の娘・百合(西山繭子)の行方を探し始めるのだが・・・。
満が直樹を励ましたことで2人の距離は縮まるかに見えた。
ある日、直樹は満にボールを渡そうと差し出す。そのボールは子供のころ、満が直樹を励ますためにくれたものだった。直樹は満への感謝の気持ちとしてボールを渡そうとしたのだが、それをみた満は、「俺がどうせ死ぬからか」と怒り出し、舎房の廊下ですれ違った死刑囚の迫(津田寛治)に殴りかかる。
保護房に入れられた満に、一体何があったのか、前に迫に殴られた仕返しか?ときく直樹に、満は驚くべき答えを放つ。「やられたらやり返すのが当然だ。田尻は死刑にならなくてよかった、そのおかげで自分の手で殺すことができた・・・。あの刀の切れ味は最高だったぜ・・・」と満は笑う・・・。直樹は狂ってしまったかのような満の態度にショックを受けるのだった。
数日後、死刑囚の深堀は直樹を呼びつけ、難癖をつける。深堀はその拍子に、自分のTシャツを汚してしまうが、突然そのTシャツにすさまじい執着をみせ、必ず洗って元通りにしろと直樹に迫る。
そんな中、直樹は深堀に死刑執行命令がでたことを知る。執行は5日後だという・・・。
一方、ソウル支社への転勤を決断しようとし、直樹と遠距離になることを心配した麻美は、直樹との結婚を意識し始めていた。だが、死刑囚の息子という重い十字架を背負った直樹は苦しみの中にいる自分と麻美を比較して、麻美の足をひっぱらないようにしようと麻美を応援することしかできない・・・。そんな直樹に麻美はさびしさを感じ、直樹を責めるが直樹もどうしたらいいかわかなくなっていた・・・。
翌日、深堀がTシャツを元通りにしろと迫るので、直樹は同じキャラクターのTシャツを加奈と探すが、古いキャラクターのためか、同じものはなかなか見つからない・・・。「お姉ちゃんが好きだったキャラクターだ」という加奈の発言に直樹は深堀の娘・百合(西山繭子)のことを思い出す。
深堀がTシャツにこだわるのは娘の思い出のためではないかと思った直樹は、百合をたずねる。
百合は、深堀は死んだことになっているから一切関わりたくないという。直樹は自分の父親も死刑囚だったことを話し、百合に深堀に会ってくれないかと話すが、百合は帰ってくれと言うばかりだった。
深堀の処刑を控え、直樹以外の刑務官達は執行の訓練をする。星山の処刑に立ち会って以来、刑務官という仕事に不安を感じでいた後藤は訓練の後、思わず「これは人殺しじゃないか・・・」ともらしてしまう・・・。周りは後藤を励ますのだが・・・。一方、まだ1年目の直樹は、死刑に立ち会うことはないため、自分にできることはないかと若林にたずねる。
そんな直樹に若林は、自分にできることを精一杯やるようにと告げるのだった。
直樹は自分に何ができるのか悩み、加奈がリサイクルショップで見つけてきてくれたTシャツを握りしめて、保護房の満に話しかける。すると満は直樹に「ありがとう」と返事をし、なぜ暴れたのかを話し始める。「毎日、毎日死ぬことばかりを考えていた・・・ものすごく不安になった」と・・・。そして直樹にボールをもらった礼を告げる。自分に何かできることがあるのか?と悩んでいた直樹の背中を満はおす。お前ならできる、なぜなら自分にボールをくれたから・・・と。ボールを見ていたら、野球をやっていたころを思い出すことができたと・・・。
勇気をもらった直樹は深堀に山本の想いを告げ、執行までに償いの気持ちをもってもらおうとするが、深堀には通じない。死刑執行は翌朝に迫っていた・・・。
しかし、その日の夕方、百合が拘置所へやってくる。事件の日、深堀が優しかったことを百合は思い出しやってきたのだった。百合と面会した深堀は涙を流す。その深堀の顔は父親の顔だった・・・。
翌朝、死刑囚舎房に響き渡る刑務官の足音に囚人たちは自分の番ではないかとおびえる。深堀は死刑執行を告げられると、「やっぱりお迎えがきたか」と潔く歩きだす。満は、深堀が執行に向かう姿を見て、ただ震えていた・・・。潔く死刑を受けようと向かっていた深堀だったが、直樹が目に入ったとたん豹変し、直樹を死刑に立ち会わせろと要求する。俺の娘に面会にくるように仕込んだだろ、俺は反省しない!!と深堀は叫び、つべこべ言わずに俺の死刑を見届けろ!と言う。
規則に反するのでできないと若林が告げると、深堀は今度は土下座をして頼み込む。山本の子供に自分の死に様を見せないと死んでも死にきれないのだと・・・。唖然とする直樹に満は、「立ち会え」と言う。死刑に立ち会ってほしいというのは深堀からのお前へのボールだと・・・。
直樹を呼べと暴れる深堀のもとへ駆けつけた直樹は、深堀にTシャツを差し出す。
深堀は自分の身代りに死刑になった山本の子供である直樹に死刑宣告されたかった、そして見てほしかったんだと言い出し、思い出のTシャツを着て死刑にのぞむのだった。
死刑の直前、深堀は震えながら直樹に「よく見ておけ!あばよ!」と言い残し、執行される。
麻美は直樹に、ソウル行きを決めたと告げに来る。
麻美は、ソウル行きを決めたのは麻美ではなく、直樹が自分より“モリ”をとったからだと言い去っていく。その顔は晴れやかで、麻美は自分の新たな道を歩き始めたのだった。
その夜、直樹は満に、「僕はここで、君と何かを見つけないといけないんだ」と告げる。
しかし、その夜、満は舌を噛みきって自殺を図る・・・。
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