同じ頃、槇原修一(稲垣吾郎)は、タブロイド紙の記者・岩井冴子(上野なつひ)に会い、梨沙がドナーとなった移植手術の件を記事にしてくれと頼んでいた。
数日後、退院した梨沙は岡田家に戻ってくる。手料理で梨沙を迎えた和子は、料理を美味しそうに食べる梨沙に、このまま家にいても構わないと言うが、梨沙は契約だから出ていくと答える。そして、健吾の提案で、次に住む部屋が見つかるまで滞在することになった。梨沙に付き合いアパート探しをする健吾は、ひとりで大丈夫か、と尋ねるが、梨沙は大丈夫だと気丈に振る舞う。
一方、順調に回復するマリアを、安田瑞希(川口春奈)が訪ねてきた。瑞希は、マリアが描いた沢村涼太(桐山照史)のデッサンを、涼太に渡そうと勧める。そして、後日、やってきた涼太の姉の琴美(早織)に手渡した。
そんな折、梨沙は神谷から連絡を受け、大衆的な食堂で落ち合う。以前、神谷が梨沙に昼食をおごるという約束をしていたからだ。そこで、神谷は幼少の頃、親が借金をし夜逃げ同然で家を転々としていた、と話した。梨沙は、自分と同じ境遇を生きてきた神谷に親近感を覚える。
部屋が決まり岡田家を出る日が迫る梨沙は、マリアにマニキュアをしてやるという約束を果たすため、病院を訪れる。しかし、病室には、相澤美奈子(板谷由夏)、川本順二(杉本哲太)、千鶴(ちすん)が見舞いに来ていて入っていけない。そのためロビーにいると、美奈子が声をかけてきた。美奈子は梨沙に、健吾から結婚はできないと言われたことを明かし、健吾をよろしく、と清々しい笑顔を見せた。
そして、引っ越しの前夜、買い物を終えて岡田家に戻った梨沙の前に修一が現れた。いつ戻るのか、と尋ねる修一に梨沙は、離婚をし岡田家は出るが、お前のところには戻らない、と言い放つ。そんな梨沙を、修一は悲しそうな目で見つめていた。
その夜、健吾、梨沙、和子が食卓を囲んでいると、健吾が、梨沙の前に自転車のカギを差し出した。梨沙の新居が駅から遠いと聞いた健吾が、梨沙のために自転車を買ったのだ。夕食後、梨沙は早速、自転車に跨ってみるが、その表情はうかない。実は自転車に乗れないのだ。梨沙からそう告白された健吾は、練習に付き合ってやることに。ペダルを漕ぐが、フラフラと不安定な梨沙を、後ろから支えてやる健吾。何度も何度も繰り返すうちに、梨沙は、健吾の手を離れて走ることができた。振り返った梨沙に、健吾は笑顔を見せた。
そして、ついに引っ越しの日が来た。荷造りを終えた梨沙は、記入済みの離婚届を健吾に差し出し、健吾は成功報酬が入った封筒を手渡した。梨沙はそれを受け取ると、「ありがとね」と言った。健吾も「ありがとう」と短く返すと、ふたりは握手を交わした。
同じ頃、修一のもとへ、冴子から連絡が入った。梨沙の件が新聞記事になったと言われるが、その内容は、修一が話したものとは異なっていた。
岡田家では、梨沙が小さなトラックに荷物を積み終えていた。そんな梨沙に、和子はいつ戻ってきても構わないと声をかけるが、梨沙は「お世話になりました」と頭を下げるだけだった。
そして、「じゃあ」と健吾に挨拶をすると、トラックに乗り込んだ。健吾はトラックを見送ると、自転車に跨り、仕事へと出掛けて行った。そして、水族館へのいつもの道を走るが、ふいに自転車を止めると、来た道を猛スピードで引き返しはじめた。梨沙を乗せたトラックを追うために ――。
全力でペダルを漕いだ健吾だったが、結局、トラックを見つけることはできず、あきらめて水族館へとやってきた。そこで、水族館前の海を見た健吾は、導かれるかのように、梨沙と座った海岸へ歩き出した。と、そこに、梨沙が座っていた。驚く健吾に梨沙は、最後に水族館のクラゲを見にきたのだが、開館前だったと言った。
そして、健吾の横を通り過ぎようとしたとき、健吾が梨沙の腕を引き寄せ、梨沙を抱きしめた。強く、強く抱きしめる健吾に、梨沙も健吾を抱きしめた。梨沙の瞳からは、一筋の涙がこぼれ落ち…。
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