また、病に倒れて伊智地検を去った木戸検事(田山涼成)も、見舞いにやってきた鬼島と小百合(西山茉希)、事務官の越中(濱田岳)に向かって、事件はまだ終わっていないと言い、思わぬ可能性を示唆した。
「敵は検察内部にいる可能性が」
木戸の言葉を受けて、真紀(内田有紀)に疑いの目を向けた小百合は、越中とともに真紀を尾行する。真紀が会っていたのは、あの敷島検事正(石橋凌)だった。2人は一体どんな関係なのか? 疑問に思った小百合と越中は、真紀の部屋に忍び込み、証拠を探そうとする。
そんな小百合と越中に対し、支部長検事の藤波(松重豊)は、鬼島から取り上げた木戸の捜査ノートに記されていた意外な事実を伝える。敷島は検事正という立場を利用して政治家の汚職事件を立て続けに不起訴にしていたというのだ。それを聞いた小百合は、真紀が敷島の不正に加担しており、大橋を起訴することで誰かを守ろうとしているのではないかと考える。
一方、鬼島はひょんなことから取調べを担当することになったスリ犯・新村慶子(片瀬那奈)の押収品の中から、一枚の写真を発見していた。そこには、なんと、優明党の幹事長を務める橘寛二(松方弘樹)が、大橋の秘書・坂下保(風見しんご)と密会する様子が写されていた。刑事の和久井(小沢仁志)によれば、この写真の持ち主だった男は政界スキャンダルを追うジャーナリストで、謎の転落事故ですでに死亡していた。この写真の背後には一体どんな陰謀が隠されているのか?
その頃、弁護士の馬場(半海一晃)と面会した大橋は、真紀に向かって、「先生に会わせてくれ」と懇願していた。大橋が精神的に追い詰められていると見た真紀は、敷島と連絡を取り、早急に大橋の保釈申請を行なうことを決めた。保釈された大橋の前に現れたのは秘書の坂下だった。彼は大橋に遺書を差し出す。うろたえる大橋を待っていた事態とは!?
そんな矢先、敷島が不起訴にした事件に関わっている政治家は、すべて橘の派閥に属する議員であるという事実を、越中が突き止める。さらに、真紀が幼い頃に橘によって助けられたという新聞記事を見つけた小百合は、真紀を問い詰めようとする。
ところが、そこに驚きのニュースが飛び込んでくる。大橋の事務所を訪れた鬼島が、大橋が首を吊っているのを発見したのだ。一命は取り留めたものの、大橋は意識不明の重体に。真紀は、大橋を保釈したのは殺すためだったと敷島から聞かされ、ショックを受けるが、鬼島の前では、政治絡みで人が死ぬのは珍しくないとうそぶく。そんな真紀に向かって、珍しく感情的になる鬼島。
「人一人の命、何やと思うてんねん!」
鬼島の言葉を聞いた真紀は、自分の過去に思いをめぐらす。彼女は橘から援助を受けたおかげで検事になることができたのだった。真紀は橘に会い、大橋を殺すよう命令したのかと問いただす。橘はそれをはぐらかすと、逆に、大橋にトドメを刺そうと考えていることをほのめかした。
坂下は、伊智地検に弁護士を装って電話をかけ、大橋の入院先を聞き出した。そして、病院を訪れると、ベッドに寝ている大橋の息の根を止めようとする。しかし、駆けつけた真紀が止めに入った。すると、ベッドから起き上がったのは、大橋ではなく、なんと鬼島だった!坂下が大橋を狙っていると気づいた鬼島は一計を案じたのだった。スリの新村に頼み、真紀のバッグに助けを求める手紙を入れ、彼女が大橋を助けに来るか、試したのだ。
「アンタは、根は悪い人間やない」
鬼島から言葉をかけられ、真紀は崩れ落ちるのだった……。
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