それに対し、伊智地検の検事たちは真紀(内田有紀)を中心に、大橋をマークして証拠を見つけようと考える。ところがそんな矢先、伊智地検に不審な郵便物が届けられる。鬼島が荷物を開くと、そこには大橋の捜査を中止しろという警告文と、時限爆弾らしき仕掛けが! 幸い爆弾はただのクラッカーだったが、何者かが捜査に圧力を加えようとしているようだ。
圧力にもめげずに、伊智地検の面々は捜査を開始。小百合(西山茉希)と事務官の越中(濱田岳)が大橋の泊まるホテルを張り込む一方、定年間際のベテラン検事・木戸勉(田山涼成)は大橋の事務所の近所にホームレス姿で出没する。木戸の狙いは、大橋の事務所から出たゴミだった。この事件に並々ならぬ熱意を燃やす木戸は、シュレッダーで裁断処理されたゴミを執念でつなぎ合わせ、パーティー券を復元した。資金集めのために売られるはずのパーティー券がなぜ、大量に捨てられていたのか?
その頃、裏金事件の捜査からはずれた鬼島は、一人、居酒屋で起こった器物損壊事件を担当することに。納得するまで捜査をあきらめない鬼島は、事件でケガを負った男性がいたことを知り、武藤巡査(西村雅彦)の手を借りつつ、男性を探そうとする。
一方、木戸や小百合が大橋のパーティー券の裏を取ると、パーティーは資金を集めるための架空のものであることが明らかになった。そのパーティ券の総額は、裏金と同額の3億円。大橋に任意同行を求めることが決まり、控えめな木戸は珍しく自分が聴取したいと名乗り出るが、結局、真紀に押し切られてしまう。
同じ頃、中央政界のドンで、優明党の幹事長を務める橘寛二(松方弘樹)が、大橋を訪ねていた。橘は、党のためにも検察の捜査に協力しろ、と大橋に迫る。仕方なく検察の聴取に応じた大橋は、真紀からパーティー券について詰問され、言葉に詰まってしまう。ところが、真紀が大橋を追い詰めようとした瞬間、木戸が突然聴取の場に現れ、捜査の保留を決めてしまう。聴取の邪魔をしたとして、真紀から厳しく叱責される大橋。
木戸は鬼島に対して、自分が15年間、この事件を追い続けていたことを明らかにした。大橋はコマのひとつに過ぎず、その背後により大きな存在がいるのというのだ。残り少ない検事人生の中で、なんとか事件の全容を解明したいと鬼島に訴える木戸。しかし、秘書の坂下保(風見しんご)から忠告を受けた大橋は、党と橘幹事長を救うために犠牲になることを決め、検察に出頭してきた。
そんな中、鬼島は大橋議員の運転手をしている小山浩司(斎藤洋介)が、居酒屋でケガをした男だと気づく。実は、小山は大橋が幼い頃に生き別れた父親で、地検に偽の爆弾を送りつけたのも息子を守るためだった。それを知った鬼島は小山を大橋に対面させる。小山は大橋に向かって、正直にすべてを話してほしいと伝えた。
だが、そんな父の思いもむなしく、大橋は裏金事件を自分一人で行なったと自供してしまう。その自供を聞き、力尽きて崩れ落ちる木戸。病気を抱えながら連日無理をした結果であった。木戸は、自分の捜査ノートを鬼島に託し、職場を去った。木戸の思いを痛感した鬼島は、真紀を問い詰める。
「満足ですか? この終わり方で?」
だが、真紀は正義は守られたと言うだけだ。そこに、あの謎の男・安東正親(ビートたけし)が、またも姿を現した。安東は、伊智地検のポスターをはがすと、それを真紀に押しつけ、言ったのだった。
「敷島にくれてやれ」
果たしてこの言葉の意味とは!?
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