2010年11月05日

検事・鬼島平八郎 第4話

小さな横領事件から始まった裏金事件の容疑は、鬼島平八郎(M田雅功)の活躍で、ついに地元選出の議員・大橋はじめ(細川茂樹)にまで波及することになった。だが、大橋は家宅捜索で何も出てこなかったという事実を盾に徹底抗戦するかまえだ。

それに対し、伊智地検の検事たちは真紀(内田有紀)を中心に、大橋をマークして証拠を見つけようと考える。ところがそんな矢先、伊智地検に不審な郵便物が届けられる。鬼島が荷物を開くと、そこには大橋の捜査を中止しろという警告文と、時限爆弾らしき仕掛けが! 幸い爆弾はただのクラッカーだったが、何者かが捜査に圧力を加えようとしているようだ。

圧力にもめげずに、伊智地検の面々は捜査を開始。小百合(西山茉希)と事務官の越中(濱田岳)が大橋の泊まるホテルを張り込む一方、定年間際のベテラン検事・木戸勉(田山涼成)は大橋の事務所の近所にホームレス姿で出没する。木戸の狙いは、大橋の事務所から出たゴミだった。この事件に並々ならぬ熱意を燃やす木戸は、シュレッダーで裁断処理されたゴミを執念でつなぎ合わせ、パーティー券を復元した。資金集めのために売られるはずのパーティー券がなぜ、大量に捨てられていたのか?

その頃、裏金事件の捜査からはずれた鬼島は、一人、居酒屋で起こった器物損壊事件を担当することに。納得するまで捜査をあきらめない鬼島は、事件でケガを負った男性がいたことを知り、武藤巡査(西村雅彦)の手を借りつつ、男性を探そうとする。

一方、木戸や小百合が大橋のパーティー券の裏を取ると、パーティーは資金を集めるための架空のものであることが明らかになった。そのパーティ券の総額は、裏金と同額の3億円。大橋に任意同行を求めることが決まり、控えめな木戸は珍しく自分が聴取したいと名乗り出るが、結局、真紀に押し切られてしまう。

同じ頃、中央政界のドンで、優明党の幹事長を務める橘寛二(松方弘樹)が、大橋を訪ねていた。橘は、党のためにも検察の捜査に協力しろ、と大橋に迫る。仕方なく検察の聴取に応じた大橋は、真紀からパーティー券について詰問され、言葉に詰まってしまう。ところが、真紀が大橋を追い詰めようとした瞬間、木戸が突然聴取の場に現れ、捜査の保留を決めてしまう。聴取の邪魔をしたとして、真紀から厳しく叱責される大橋。

木戸は鬼島に対して、自分が15年間、この事件を追い続けていたことを明らかにした。大橋はコマのひとつに過ぎず、その背後により大きな存在がいるのというのだ。残り少ない検事人生の中で、なんとか事件の全容を解明したいと鬼島に訴える木戸。しかし、秘書の坂下保(風見しんご)から忠告を受けた大橋は、党と橘幹事長を救うために犠牲になることを決め、検察に出頭してきた。

そんな中、鬼島は大橋議員の運転手をしている小山浩司(斎藤洋介)が、居酒屋でケガをした男だと気づく。実は、小山は大橋が幼い頃に生き別れた父親で、地検に偽の爆弾を送りつけたのも息子を守るためだった。それを知った鬼島は小山を大橋に対面させる。小山は大橋に向かって、正直にすべてを話してほしいと伝えた。

だが、そんな父の思いもむなしく、大橋は裏金事件を自分一人で行なったと自供してしまう。その自供を聞き、力尽きて崩れ落ちる木戸。病気を抱えながら連日無理をした結果であった。木戸は、自分の捜査ノートを鬼島に託し、職場を去った。木戸の思いを痛感した鬼島は、真紀を問い詰める。

「満足ですか? この終わり方で?」

だが、真紀は正義は守られたと言うだけだ。そこに、あの謎の男・安東正親(ビートたけし)が、またも姿を現した。安東は、伊智地検のポスターをはがすと、それを真紀に押しつけ、言ったのだった。

「敷島にくれてやれ」

果たしてこの言葉の意味とは!?


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