第12話「狙われた女」
護送車襲撃は元・城代金融の向島(正城慎太郎)が幸子(鈴木杏樹)への復讐のため仕掛けた罠だった。右京(水谷豊)らは向島らのアジトを探し出そうとするが、幸子は春麗(MEGUMI)の機転で向島らのもとを脱出。奪った拳銃を手に2人で逃亡を続ける。
捜査一課もアジトを発見、向島らを拘束するが、その連絡を受けた右京はふと疑問を口にする。資金力のない向島に今回のような事件を起こせるとは思えない。もしかして向島らを操る黒幕が別にいるのでは…。右京らは戸崎刑務官(久世星佳)をそれとなく締め上げ、犯人と通じていたことを引き出すと、彼女がゴッドという黒幕の命令で動いていたことを知る。ゴッドとは何者か?右京らは取調べ中の向島を締め上げるが、向島もそれが何者で目的が何かはわからないという。ただ、幸子は好きにしていい、もう一人、春麗はビルから放り出せと言われていたらしい。
どうやらゴッドの狙いは春麗のようだ。右京らは角田課長(山西惇)に春麗の身元を調べるよう依頼。なぜ春麗が狙われるのか、そして誰が春麗を狙っているのか、突き止めようとする。
なんとか脱出に成功した幸子と春麗だが、今回の脱獄劇に父親が関係していなかったことがわかり大ショック。台湾に帰れなくなった、と銃を自らのこめかみに突き立てる。あわてた幸子はそんな春麗を人は生まれ変わることができる、と懸命に説得。なんとか思いとどまらせる。
春麗が麻薬取り引きの噂があるIT企業シーネットと関係していたことがわかった。その疑惑に関わっていた人間は皆不審な死を遂げている。ということは春麗も口封じのため…。ゴッドの正体はそのシーネットの経営陣である可能性が高い。
が、シーネットの経営陣が黒幕としても、これほどの罠を思いつくとは思えない。監察官の大河内(神保悟志)が捜査を担当するようになっていたことを考えると、どうやら警察内部の人間が絡んでいる可能性が高い。
そのころ幸子と春麗の前に刑事が現れた。素直に拘束される2人だったが、春麗は刑事たちの顔を思い出すと顔色を変える。そんな春麗に「やっぱり覚えてやがった」とはき捨てる刑事たちは、幸子と春麗をどこかへと連れ去ってしまう。
大河内から捜査を引き継いだ右京らは悪徳刑事を追うが、その手がかりとなるデータは消されていた。捜査本部にもゴッドの一味がいるらしい。手をこまねいていた右京らのもとに、なんとか刑事たちから逃れた幸子から連絡が入った。春麗はシーネットの社長と刑事たちが麻薬の取り引きをしているところを偶然目撃していた。だから狙われているのは自分だけ、幸子に逃げろという春麗だが、幸子は「自分はついている女だから」とあくまでも一緒に逃げ切ろうとする。
が、春麗の咳を聞きつけた刑事たちはついに幸子らを追い詰めた。引き金を引こうとしたそのとき、右京らが飛び掛り幸子らの救出に成功する。
黒幕の石田署長(潮哲也)も逮捕、複雑な事件は無事解決した。刑務所へと戻ることになった幸子と春麗。春麗は父親が東京の中華料理店で真面目に働いていることを初めて聞かされる。そんな父の夢はいつか自分の店を出して娘と一緒にやることだとか。
思わず涙する春麗に右京はやさしく微笑みかけた。
「人は誰でも生まれ変われるようですよ」。
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