第6話「この胸の高鳴りを」
人気ロックバンドのリーダー・丹野(松田悟志)がギターの第5弦で絞殺された。バンドのマネージャーの三原(猪野学)から、丹野が最近夏生(前田亜季)という女子大生と付き合っていたことを聞いた右京と薫はその夏生を訪ねるが、彼女は5弦を取り出しあっさりと犯行を自供する。
女好きの丹野に自分は遊ばれていただけ…。思わずカッとなって丹野を殺害したという夏生だが、部屋の鍵を閉めて帰ったり、凶器の弦をきれいにふき取るなど衝動殺人にしては冷静過ぎる。しかも丹野は婚約指輪を用意するほど、夏生を真剣に想っていたらしい。
美和子(鈴木砂羽)から丹野が所属していたアマチュアバンドのメンバーが謎の死を遂げていることを知った右京らは、死亡したメンバーの福地(玉有洋一郎)の自宅へ。そこで右京は丹野が作ったという彼のバンドのヒット曲「この胸の高鳴りを」の楽譜を発見する。福地の恋人・可奈子(大谷允保)によると、あの曲は丹野が売り込みに行くと言いながら自分のものにしてメジャーデビューしてしまったという。福地が死んだのも丹野の裏切りがショックだったから。可奈子は右京らに激しい怒りを露にする。
福地が死後、その遺志に従い心臓を提供していたことをつかんだ右京は、その移植を受けた人間が実は夏生だったことを突き止める。
実は可奈子も福地の心臓が夏生に移植されたことを知っていた。福地のことが忘れられない可奈子は、同級生を装い夏生に近づき、その思いを慰めていた。が、その夏生がこともあろうに丹野と付き合い始めてしまった。可奈子は丹野が曲を盗んだこと、それが原因で死んだ福地の心臓が夏生に移植されたことなどを暴露、丹野と別れるよう説得したという。しかし、夏生は聞き入れなかった…。
夏生は直接、丹野に確かめたが、丹野はあっさり曲を盗んだことなどを認めたという。あまりのショックに夏生の心臓は鋼のように高鳴った。その鼓動が夏生の丹野への想いだったのか、福地の恨みだったのか。夏生はその鼓動の意味を確かめに丹野を訪ね、そこで丹野を殺害したという。
夏生の証言が信じられない右京らは、事務所の社長から丹野らの曲はすべてマネージャーの三原が書いていたことを突き止める。右京らは三原を丹野の自宅へ呼び出し、巧みにワナをかけると犯行を自供させる。夏生に言われ、自分は偽物だとすべてを明らかにする、と決意した丹野。それではすべてが失われてしまう。焦った三原は丹野を止めようと、思わず手をかけてしまったという。
夏生は可奈子が犯人だと思い、必死で庇っていただけだった。自分が可奈子の忠告を聞かなかったからこんなことに、という夏生。丹野から真実を告げられたときの鼓動の意味も今もわからず、丹野への想いも今となっては…と迷いを告白する。
そんな夏生に右京はやさしく声をかけた。
「彼に勇気を与えたのはあなたの愛だと思います。あなたの心は、誰のものでもありません」と。
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