平成の切り裂きジャックが再び・・・!
信じがたい事件に右京と薫が捜査に乗り出す!
2005年3月16日(水)
第18話 「大統領の陰謀」
バスの中、前の席には死んだはずの浅倉(生瀬勝久)が座っている。
「俺は……殺していない。今度はちがう」。
薫(寺脇康文)にそう告げる浅倉は、そのまま立ち上がって去っていき・・・。
ある早朝、薫は不穏な夢で目を覚ました。殺人鬼と言われた浅倉が死んでもうすぐ1年。薫は美和子(鈴木砂羽)と墓参りへ行く約束をする。
トランク詰めの女性の遺体が発見され、容疑者として浅倉が浮上した。検察庁の検事でありながら売春婦ばかりを狙う連続殺人鬼として“平成の切り裂きジャック”と怖れられた浅倉。逮捕後、死刑が確定していたが、拘置所から脱走。その後、記憶を失いホームレスとなっていたところを逮捕されるが、当時の次長検事の指示で拘置所内で殺害されていた。
その浅倉が今回の被害者・静香(七森美江)を殺害したと思われるのは、最初の逮捕から脱走したあと。静香が行方不明になったころ、深夜キャスター付きのトランクを引いていく姿が複数の人間に目撃されている。
所轄の調べでは静香はクラブを経営。それ以前には高級コールクラブに所属していたらしい。確かに状況証拠だけを見れば、娼婦連続殺人事件を起こしたことのある浅倉が犯人である可能性が高い。しかし、当時浅倉は記憶喪失だったはず。そのころの浅倉は自分の犯した罪を心から悔いていたはずだ。そんな浅倉を知る薫には、とても浅倉が犯人とは思えない。そう右京(水谷豊)に訴えた薫は、2人で事件を調べることに・・・。
捜査一課の芹沢(山中たかシ)から資料を受け取った右京らは、ホームレスだった浅倉が暮らしていた河川敷へ。そこでは大統領と呼ばれる間島(きたろう)を中心に一種のコミュニティが形成されていた。ホームレス仲間で仕事をして蓄えた賃金を薬代や食費にあて、あとは自由に暮らす。浅倉もそんな彼らが言うところの“自由共和国の国民”だったのか、と思いきや、彼は仲間に入ろうとしなかったという。右京はふと目に入った「グラウンド建設断固反対」という看板について質問を。平本市長(新藤栄作)がホームレスの追い出しを目的の一つとして掲げた選挙公約だったらしいが、なぜか1年前から立ち退きの勧告が来なくなったという。
目撃者の証言から浅倉は河川敷近くの豪華ホテルからトランクを引いていたらしい。右京らはホテルに静香が宿泊していたか確認するが、そんな記録はないという。ただ当時は平本市長主催のパーティーが行われていた。コック長の話では、その日も大統領こと間島も残飯を引き取りに来ていたはずだという。
美和子の取材に付き添うという形で右京と薫は平本市長に接触。平本の妻・昌恵(藤吉久美子)の父は国会議員。養子に入った平本の目標は近く国会議員として出馬することだった。そんな平本への取材をしようとすると、なんと右京と薫は警察手帳を取り出して身分をばらしてしまう。怒った平本は3人を追い出すと、新聞社と警察に抗議する。
殺された静香の生前の生活が派手だったことがわかった。どうやら愛人がいたという噂も。さらに浅倉の遺品からホテル名が印刷された便箋に書かれた地図を発見する。まるでトランクを運ぶための指示書のようだ。どうやら浅倉は何者かに頼まれてトランクを運んだ可能性が高い。
そんな折り、大統領が土手の階段から転落して死亡した。警察は事故で片付けたらしいが、右京は彼が大切に首から下げていた大事にしているという袋がないことに気づく。他殺の疑いを強くした右京は、“国務長官”の藤(綾田俊樹)に浅倉は国民ではなかったのか、と改めて質問をすると、藤はそれを認めたうえ、意外な事実を明らかにする。
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