偶然、現場に居合わせた右京と薫は、奇妙な人間関係に巻き込まれ…。
2004年12月15日(水)
第8話 「誘拐協奏曲」
通販会社のイメージキャラクターが無断で使用されているとの訴えを受け、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)はその通販会社へ。今井社長(尾藤イサオ)に問題のサイトを見せてもらうと、確かに著作権法違反の疑いがある。被害届など説明しようとすると、秘書の野呂(徳井優)がやってきて、先代の前田社長(渡辺哲)を誘拐した、という電話が入ったという。
自分たちがいるのだから、と電話をスピーカーに切り替え、右京らも犯人の声を聞くことに。するとボイスチェンジャーで変えられた声が響いてきた。
「前田社長を誘拐した。ビルを見張っている、誰かがビルに入れば警察とみなし人質の命はない。要求は5億円…」。
法外な身代金に愕然とする今井だが、前田は7年前に失踪。ついさっき法的に死亡が認められ、遺産を妻の房江(深浦加奈子)が相続したという。今日死んだ人間が誘拐された?今井ら幹部はイタズラかも、と疑うが、まだ社内にいた房江は「主人の命を第一に」と特殊班係への通報も拒否。右京もイタズラかどうか判明してからに、という。
7年前、前田は今井と井勢谷常務(浅野和之)の3人で新しい配送センターの建設候補地へ下見に出かけた帰り、そのまま行方がわからなくなったという。失踪直前に行われた創業記念パーティーの写真を見ながら、右京らは事情を聞くが、今井によると会社も順調。創業者でもある前田はかなりワンマンだったらしく、失踪の原因が会社にあったとは思えないという。前田の失踪後、当時常務だった今井が社長に、当時経理課長の井勢谷が常務に大抜擢されたが、専務の本間(河西健司)は当時と変わらず今も専務だという。そして、秘書の野呂は前田の失踪後、リストラされたところを今井に拾われて入社したらしい。
現時点で社長が失踪したことで得をしたのは、社長に就任した今井、課長から常務になった井勢谷、そして採用された野呂、ということになる。それにしても失踪といい、誘拐といい、謎だらけだ…。
犯人から二度目の電話が入り、前田社長が声を聞かせた。これでイタズラでないことが判明。仕方なく5億円を用意することになるが、それだけの融資を受けるには株主の承認が必要になる。しかし、それでは犯人が指定した時間に間に合わない。すったもんだしているところに、タイミング良く犯人から電話が。今井が、銀行から融資を受けなければならないこと、そのために筆頭株主の許可を取らせてほしいこと、を犯人に告げると、意外にも犯人はあっさりOK。それにしてもなぜ犯人は3回目の電話をかけてきたのか。まるでこちらの様子がわかっているような…。そんな右京の言葉に今井らは騒然となる。
筆頭株主の妙子(牛尾田恭代)がやってきた。妙子は最初「5億もの散財は困る」と渋るが、周囲の説得に渋々承諾。とりあえず自社の役員たちと相談するという。どうやら身代金は用意できそうだ。ホッと胸をなでおろす薫に今井は怒りを爆発させる。実は妙子は前田の愛人。スキャンダルになりかけたところを今井は必死で隠したらしい。それで房江と妙子の間に微妙な空気が流れていたのか…。
妙子が自社の役員たちの許可をとりつけて戻ってきた。と、そこへ犯人から電話が。なんと犯人は現金5億円をすべて海に捨てろという。なぜ、そんなことを!?
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