2010年10月08日

相棒 Season2 第12話

『クイズ王』 (2004年1月14日放送)

 休日の公園。薫に呼び出された右京は、いきなり公園の真ん中で薫に手錠をかけられる。驚く右京に薫は、向こうの要求でこうするしかない、と詫びる。どうやら何者かに脅迫されているらしい。すると、薫の携帯に犯人から電話がかかってきた。ボイスチェンジャーの声の主は右京を呼び出すと、自分の指示に従わなければ公園にいる誰かをライフルで無差別に撃つという…。
 
 実際に風船屋の風船をみごとに射抜いてみるなど、単なる脅しではなさそうだ。しかもどこにいるのか、右京のネクタイの柄を言い当てるなどすべてを見渡しているらしい。が、声の主の要求はクイズをやるという。右京と薫に交互に問題を出し、もし2人合わせて3問間違えたら、公園にいる人間を無差別に撃つという。そんなバカバカしい…。薫は怒りを露にするが、要求に従うほかない。

 数学、理科、地理など次々に出される問題に懸命に答えていく右京と薫。が、薫が2問間違えて窮地に追い込まれる。が、そのとき前方から巡査が自転車で近づいてきた。薫が「どうするんだ?」と声の主に聞くとなぜか「何が?」との返答が。あせる右京と薫だったが、なんとかやり過ごし再び“クイズ大会”へ。その後、薫も自信を持って答えられる簡単な問題が続きピンチを切り抜けていく。しかし、「円周率の小数点以下第151位の数字は?」というとても短時間では答えられない問題を出され、右京は「4」と答えたものの時間切れ。近くにいた男がライフルで射殺されてしまう。そして、狙撃地点と思われる場所の地面には円周率の数字が書き残されていた…。

 被害者は新進気鋭のデザイナーの佐々木だった。たちまち右京と薫の責任問題に発展しそうになるが、監察官の大河内が円周率の問題は明らかにわざと間違えさせるために出された問題だ、と指摘する。つまり犯人は最初から誰かを殺そうと企んでいたのでは、と推理。いずれにしても犯人は右京らに恨みを抱いている者に違いない。右京らは射撃の腕があり、恨みを買うような人間をリストアップするが…。

 それにしても犯人は2問間違えたあと、なぜ薫でも簡単に答えられるような問題を続け、最後に円周率の問題を持ってきたのか。もしかしてわざと3問間違えないように先延ばしにしていたのかも。さらに右京が間違える直前に公園に現れた佐々木が時計を気にしていたのも気にかかる。右京は佐々木の携帯を改めて調べ、何者かが佐々木を公園に呼び出したと推理。犯人は最初から佐々木を殺そうとしたものとにらむ。

 佐々木の妻・佳枝によると、事件当日、佐々木はタバコを買いにと家を出たという。が、佐々木の所持品にタバコはなかった。やはり何者かに呼び出されて出かけた可能性が高い。右京は佳枝から佐々木が結婚前に付き合っていた村瀬真奈美という女性から恨まれていたかもしれない、という証言を引き出す。

 真奈美は角田課長の息子が通っている進学塾の講師であり、同時に視聴者参加型のクイズ番組の女王でもあった。右京と薫がクイズ番組の収録現場へ行くと、軽く挑戦者を下した真奈美がプロデューサーに「相手が弱い」とこぼしていた。そんな彼女にプロデューサーも平身低頭。どうやらかなりお高くとまっているらしい。

 右京はそんな真奈美にずばり「振られた腹いせで佐々木を殺したのでは?」と迫るが、真奈美は平然と事件当日は仕事場の進学塾にいたと証言。ライフルを撃ったこともない、と右京らを煙に巻く。挑戦的な真奈美の態度に薫は怒り心頭。しかしアリバイも完璧なだけに手出しのしようがない…。だが、右京はその完璧なアリバイを崩そうと狙撃現場へと向かう。

 右京と薫は犯人が狙撃場所として使ったと見られるビルの屋上に行き、あらためて現場を検証する。右京と薫が犯人のクイズに答えている最中に、近所の交番の巡査が自転車で近寄って来たが、狙撃場所からはその様子が良く見える。しかし犯人は薫が「どうするんだ?」と問い掛けたにも関わらず、巡査が近寄ってきたことに気が付いてなかったようだった。こんなにもハッキリと見える場所にいるにも関わらず、なぜなのか?

 真奈美の身辺調査を進めると、どうやら彼女はエリート街道まっしぐらというわけではなかったらしい。東京大学を卒業後、大手企業に勤めたが、そのプライドの高さが邪魔し、周りの人間とまるでコミュニケーションが取れず、半年でクビになっていた。そして佐々木が開いていた個展に行った真奈美は、初対面の佐々木にその場でいきなり交際を申し込んだという。しかしまたしても真奈美の性格が災いし、二人の関係は長く続かなかったようだ。そして真奈美は自分を振った佐々木に恨みを抱いたようだった。

 右京と薫は真奈美を呼び出し、再び狙撃場所と見られるビルの屋上に行く。そこで右京は真奈美に自分の推理をぶつける。真奈美は進学塾の自分の部屋で右京と薫に電話していた。狙撃したのは真奈美ではなく、真奈美が雇った狙撃手だった。狙撃場所にはビデオカメラを設置し、真奈美は進学塾の自分の部屋からパソコンでそこから送られてくる映像を見ていた。そうすればあたかも狙撃場所にいるようなふりをして、他の場所から電話をかけることは可能になる…。

 それを聞いた真奈美は単なる推測に過ぎないと一蹴するが、さらに右京が追求すると、真奈美は佐々木を狙った動機を話し始める。やはり真奈美は自分を振った佐々木を恨んでいたらしい。そして右京たちを利用したのは、以前とあるバーでたまたま居合わせた右京に自分の間違いを指摘されたことを根に持っていたからという。エリートコースを外れている右京に自分のプライドをズタズタにされたことが許せなかったらしい。

 そして事件の概要がすべて判明した後、右京は真奈美に「溜飲を晴らせましたか?」と訪ねる。すると真奈美は得意顔で「溜飲は“晴らす”じゃなくて“下げる”よ!」と言う。そして自分は逮捕されるが右京には勝った、誇らしげに言った。しかしどうやら右京はわざと言い間違えたようだった。真奈美に残った唯一のプライドまで奪う必要なないから、と。


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