2010年10月07日

京都地検の女 第2シリーズ 第4話

安田というサラリーマンが頭を殴られ財布を奪われるという事件が発生した。安田は気を失って倒れているところを病院に運ばれたのだが、意識が回復しても犯人についての供述は得られない。翌日、安田のクレジットカードを使って買い物をしていた男・望月を逮捕、望月は犯行を自供したのだった。
 
 数日後、強盗致傷容疑で鶴丸あや検事(名取裕子)のもとに望月が送られてきた。ところが望月は、強盗を働く気などまったくなく、気分がむしゃくしゃしていたので安田を殴ったところ、そのはずみで安田の財布が落ちたので拾って逃げただけだと、容疑を否認する。望月の自供通りなら窃盗と傷害の罪で、強盗致傷罪とは刑の重さが大幅に変わってくる。あやは、ナオミ(大河内奈々子)たち修習生に事件の目撃者探しを命じた。 

 そんな中、あやは上司・高原副部長(蟹江敬三)が、独自にこの事件を調べていることを知るが、副部長自らが乗りだすような規模の事件ではない。さらには、被害者の安田にも高原副部長につきまとわれて困っているとの報告もあがってくる。しかも、高原は毎日ネクタイを変えずに出社している。あやはずっとそこに引っかかっていた。
 不審に思ったあやは、調べを続けると、望月が8年前に同様の手口で減刑に成功していることを知る。神戸で起きたその事件の被害者は小山沙英子(山口果林)という女性。その担当検事が、高原副部長であった。高原は8年前のリベンジを思って、独自に動いているらしい。

 やがて、修習生の聞き込みの結果、事件当夜の目撃者を捜し当てることに成功する。目撃情報から、財布がたまたま落ちたのではなく、望月がスーツのポケットから取り出したことが判明する。結局、望月は強盗致傷として起訴されるに至る。

 残った謎は、高原の本心である。あやは、ただのリベンジだけではないと思っていた。
 あやは、神戸で小山沙英子に会い、8年前のことを聞く。沙英子はすべてを話した。沙英子は高原の元妻の親友であった。この事件を担当した高原は、犯人の策略に騙され、妥当な刑を与えることができなかったため、妻から責めを受けたのだった。しかも、沙英子が妻の親友であり、会ったこともあるのに、誰なのかわからなかった。そこで、妻は言いようのない寂しさを感じた。自分を見てくれていない。このことが原因で夫婦は離婚した。その妻も今は病気で亡くなっている。高原は今回、妻への供養の意味もこめて、事件に入れ込んでいたのだった。変えずにつけていたネクタイ…それは元妻からのプレゼントだったのだった。


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