そんな中、中谷の長男・昭一と次男・啓司が、「あの女が殺したに違いない」と訴えてくる。あの女とは小料理屋の女将・脇本藤子(芦川よしみ)で、中谷とは親密な関係にあったらしい。
池内が調べたところ、藤子の店は、その資金の大半を中谷が出していることがわかる。元々雇われ女将だった藤子が客としてきていた中谷に、自分の店を出したいと持ちかけたところ、借用書も取らずに3千万以上の金を出してくれたという。
さらに藤子には内縁の夫がいることが判明するが、その男の行方がつかめない。
中谷が転落死した時刻に藤子にはアリバイがあると知った昭一と啓司は、藤子を結婚詐欺の疑いで告訴、そして彼女の取り調べにあたることになったのが鶴丸あや検事(名取裕子)だった。
あやは、中谷の三男でフリーターの三津夫(本田大輔)に会い、中谷と藤子の関係を聞き出そうとする。三津夫は、「騙していたのはむしろ親父の方じゃないか」と謎めいたことを言う。それ以上は言葉を濁す三津夫に、あやは、何か決定的なことを隠しているのではないか推察する。
やがて、中谷の転落死は事故死であったことが判明する。残るは、藤子が中谷に対して、結婚詐欺をはたらいていたかどうかである。藤子の内縁の夫が見つかり、その供述から藤子が中谷を騙そうとしていたのは明確だとの結論がでる。
しかし、あやは中谷の三男の言葉が引っかかっていた。「騙していたのは親父の方…」。あやは三津夫を呼び出す。あやのは、中谷が騙されていたことを知っていたのではないかと推理したのだ。三津夫の口からそれが事実であることが語られる。中谷は結婚詐欺を承知で藤子とつきあっていたのだ。
あやは、このことを知り、藤子を不起訴とする。それが亡くなった中谷の一番の供養になると思ったからである。あやにしかできない処置だが、泣き崩れる藤子の姿を見ると、これが正しい結論かもしれないと思えるのだった。
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