2010年10月07日

京都地検の女 第2シリーズ 第2話

 京都府警の北村警部(船越英一郎)は、顔が青く腫れ上がった女がよろめきながら歩いてくるのを目に留める。女は北村の前まで来ると崩れるように倒れこみ、「主人を殺したので警察に連れて行ってほしい」と言うのだった。

 その女・野中涼子(根岸季衣)の言葉通り、彼女の住むアパートの一室で夫・野中健治の刺殺体が発見された。凶器は庖丁だった。
 涼子の話では、夫の暴力に耐えかねて半年ほど前に別居し、一人でアパート暮らしをしていたという。そして離婚話の末に、ようやく夫が離婚届に判を押すことになり、アパートに訪ねてきたというのだ。ところが、夫は翻意し、さらに暴力を振るったために思わず夫を庖丁で刺してしまったと涼子は告白した。
 

 やがて、涼子は京都地検に送致され、鶴丸あや検事(名取裕子)が、この事件の担当となった。
 涼子から事情を聞いたあやは、二つの点で疑問を持った。一つは、夫を殺したにしては、涼子があまりにも落ち着き払っていること、そしてもう一点は、事件が起きる直前に涼子が買い物をしたその中身だった。涼子は近所のスーパーで豚肉600グラムを買っているのだが、その分量が一人分にしては多すぎるとあやは感じたのだ。
 もしかすると涼子には男がいて、三角関係のもつれによる殺人ではないかと、あやは疑う。

 調べていくと、涼子が働いていた定食屋で仲の良かった客が二人いるという。トラック運転手の下沢と元・中学校長の藤代(江原真二郎)である。あやは下沢に疑いを抱くが、事件当日、下沢は藤代の将棋の相手をしていたという。藤代もその証言を裏づける。
 定食屋の主人が奇妙な証言をする。涼子が藤代の家で素足を見せあっていたというのだ。藤代によると、それは“足ジャンケン”だという。巻き爪を防ぐためだという。
 

 あやは涼子の家計簿を一からチェックする。“ネイル6000円”という記述に目を留める。つましい暮らしをしている涼子にしては張り込みすぎだ。しかも、涼子の手の爪にはマニキュアを塗ったあとはない。しかし、あやはこの話をしたときに涼子が動揺を見せたことに思い当たり、とある推理をめぐらせる。

 あやは、藤代の家で下沢と北村警部を呼び、鍋会を催す。あやは藤代が犯人だとにらんでいたのだ。
 あやの推理では、涼子が家計簿につけていた“ネイル6000円”は“ペディキュア”の料金だと考えていた。足をオシャレに…つまり、涼子は藤代と“足ジャンケン”をする時のためにネイルサロンに通っていたのだ。藤代にほのかな恋心を寄せる涼子。涼子は藤代をかばっている。

 事実はその通りだった。事件の当日、涼子は藤代と下沢とともに、3人で鍋を食べる予定となっていた。それで豚肉を600グラム購入していたのだ。しかし、涼子のもとに夫が訪ねてきて、離婚をめぐり口論となった。そのことを知った藤代が仲裁のために涼子の部屋へと赴いた。そして、暴力をふるう涼子の夫に見かねて、藤代は包丁を手に殺してしまったのだった。
 哀しい偶然が招いた悲劇だった。


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