加藤晶(稲森いずみ)は、野口教授(岸部一徳)の教授室に呼ばれていた。朝田が藤吉圭介(佐々木蔵之介)の娘のオペを行わなかったこと、そして先だっての弓部大動脈置換手術にライバル校・北日本大学助教授の霧島軍司(北村一輝)が執刀し、短い心停止時間で成功させたことについて問いただされていた。やはりバチスタは荷が重いのでは、と嫌味を言う野口に対して加藤は、一カ月以内にバチスタ患者を見つけ出し、野口を大学総長にする、と宣言するのだった。
そして加藤は、弓部大動脈置換手術の件で霧島に事情を聞いた。霧島は、患者の容態が急変したため北日本大学に運ばれ、やむを得ず自分が執刀したというが、その表情は冷たい。
同じ頃、救命救急部教授の鬼頭笙子(夏木マリ)は、朝田に年俸を提示していた。朝田を救命救急に呼ぼうというのだ。その提示額を黙って聞く朝田には何か考えがあるようだった。
そして朝田は、過去のいくつかのカルテを見ているうち、多くの「心不全」「再入院」の文字を見つけ出す。それらの患者の担当医は、どれも沖秀之(袴田吉彦)だった。不整脈で運ばれてきた患者たちと同じペースメーカーを朝田が調べると、そばで携帯電話を使うと停止してしまうことが判明。伊集院に3人が不整脈を起こした時の状況を聞くと、それぞれCDショップの万引きゲート、雀荘の全自動卓、自宅のIHジャーと、いずれも微小電磁波を出すもののそばで発作を起こしていたことが分かる。ペースメーカーの不良が原因だったが、沖によって、全て心不全として片付けられていたのだ。伊集院は確かな証拠もないのに、余計なことをしない方がいいと言うが、朝田は聞こうとしない。
沖は朝田に、ペースメーカーを調べているというのは本当かと追及。即刻、使用中止にしろと言う朝田に沖は、野口が開発顧問を務めているのだから、無理だと言う。そんな朝田の動きを知った野口は彼に、温泉地にある系列の病院に1週間ほど、出向くよう命じた。そんな中、稲垣の容態が急変。朝田を呼ぼうとする看護師に沖は、自分がペースメーカーを植え替えるから、その必要はないと言う。だが、伊集院は不良品を使うわけにはいかないと言って、ペースメーカーを乗せたワゴンの前に立ちふさがった。無理やりペースメーカーを奪おうとして臨床工学士が伊集院に近づいたその時、手術室に朝田が現れる。彼はペースメーカーを踏み潰し、沖たちはあ然。そこへ、藤吉や里原ミキ(水川あさみ)が別の会社の最新機種を持ってきて、植え替え手術は無事に終わる。
一連の話を聞いた野口は、朝田と沖を教授室に呼び出した。そして、臨床レポートを書いた沖に「まれに、微小電磁波による誤作動を起こす」と、但し書きを付けるように命じたはずだと言い出す。驚く沖に、野口はペースメーカーの回収と秋田の系列クリニック行きを、朝田に明真復帰を告げた。野口は沖よりも朝田を、つまりバチスタ手術を選んだのだ。
やがて、朝田は鬼頭に、荒瀬をバチスタチームに欲しいと告げる。優秀な麻酔医を探していた朝田は、ERにいる間、ずっと荒瀬のことを見ていて、その腕を高く評価していた。その後、朝田は伊集院に「お前がチームに必要だ」と言い、伊集院も深々と頭を下げる。一方、バチスタ手術の候補となる患者のカルテを見た加藤は、がく然となる…。
医龍-Team Medical Dragon- TOPへ
『医龍-Team Medical Dragon- Karte:04』の上へ