同じ頃、槇原梨沙(上戸彩)も、恋人の藤代誠(大東俊介)から両親に会ってほしいと言われ、笑顔になる。と、そんなとき、梨沙の携帯電話が鳴った。誠には秘密だが、梨沙はイメクラで働いており、電話は出勤の催促だった。
翌朝、梨沙が帰宅すると、兄の修一(稲垣吾郎)が部屋にいた。修一は、借金を梨沙に押し付けたまま姿を消していたが、返済のめどが立ったという。それを信じない梨沙が金を見せろと迫ると、修一は逆に梨沙の財布を奪おうとする。もみ合ううち、イメクラの名刺が落ち、それを見られてしまった梨沙は、部屋を飛び出した。がむしゃらに走った梨沙は、気づくと新江ノ島水族館の前にいた。水族館に立ち寄り、クラゲの水槽の前にやってきた梨沙は、ふわふわと漂うクラゲたちに心を奪われる。やがて閉館時間になるが、それでもクラゲに見入っていた梨沙に、健吾が声をかけた。
一方、高校の美術部に所属する健吾の妹のマリア(北乃きい)は、親友の安田瑞希(川口春奈)とおしゃべりに興じていた最中に、突然、意識を失い倒れてしまう。病院で目を覚ましたマリアに、担当医師の神谷凌(松田翔太)はやさしい笑顔を見せる。
神谷は、病院にやってきた健吾と母の和子(原田美枝子)に、このままではマリアの余命は1年ほどだろうと告げた。マリアは肝臓の病気で移植を必要としているのだ。健吾と和子は、自分の肝臓を使ってほしいと言うが、検査の結果、ともに不適合であると判明した。肝臓のドナー候補は、6親等以内で血縁のある者か、3親等以内であれば血縁でなくても構わないという。健吾と和子は、親戚を当たるが、誰からもいい返事はもらえなかった。
マリアは、同じ病棟に入院している落語好きの少年・沢村涼太(桐山照史)と知り合いになる。
そんな日の夜、美奈子と夕食の準備をしていた和子は、美奈子に、マリアのために肝臓をわけてやってほしいと切り出す。突然、土下座をして頼まれた美奈子はとまどい、言葉を発せない。と、そこへ、健吾が帰ってきた。事態を知り驚く健吾を尻目に、美奈子は岡田家を後にする。
一方、梨沙は、修一の借金を返し終え、遂にイメクラを卒業した。その足で誠に会い、笑顔でグラスを酌み交わした。すると、そこに修一が現れた。なんと、修一と誠はすでに顔なじみで、料理店の出店を計画している誠は、儲かると言われ、出店資金の300万円を修一に預けていたのだ。驚いた梨沙は、修一に返金を迫るがはぐらかされ、さらに、イメクラで働いていることを誠に明かされてしまう。ショックを受けた誠は、店を飛び出していく。
絶望した梨沙が、新江ノ島水族館の裏の海岸でひとり酒を飲んでいると、健吾がやってきた。健吾は同僚の川本順二(杉本哲太)に仕事のことで水族館に呼び出され、帰るところだった。酔った梨沙は健吾に、クラゲには脳がないんだ、と話しかける。それは先日、水族館で健吾が梨沙に教えてやったことだったので、健吾は笑ってしまう。健吾が水族館の人間だと気づいた梨沙は、頼み込んで閉館後の水族館へ入れてもらう。ミズクラゲの水槽の前で足を止めた梨沙は、死んだら溶けてなくなるというミズクラゲを、じっと見つめていた。
翌日、梨沙は、再びイメクラにやってくると店長の白井(光石研)に土下座をして300万円を前借した。そして、それを誠に返すが、誠からは別れを告げられてしまう。
同じ頃、健吾は、美奈子から家族にはなれない――つまり、マリアのドナーにはなれない、と告げられた。
その日の夜、帰宅した梨沙は、アパートの前に停められた高級車から、修一が部屋に上がっていくのを見た。修一を追いかけるように部屋に入った梨沙に、修一は誠と仲直りできたか、と悪びれずに聞いた。怒りが爆発した梨沙は、包丁を持ち出すと、修一めがけて突進する。修一が避けると、梨沙は自分を刺そうとした。修一が包丁を取り上げようとしてもみ合ううち、修一は手のひらを切ってしまう。ハッとした梨沙は、包丁を放すと、部屋を飛び出していく。
泣きながら街をさまよいフラフラになった梨沙が行き着いたのは、踏切だった。遮断機をくぐり踏切内に入った梨沙は、電車が来る方に向かい立ち尽くす。
と、1台の電車が迫ってきた。梨沙は目をつぶり、電車が来るのを待つ――。と、ふいに誰かに腕を引っ張られた。梨沙は、咄嗟にその手を払うが、その手は離さず、梨沙の体は踏切の外へ投げ出された。梨沙を救ったのは、健吾だった。
余計なことをしやがって、と言う梨沙に、健吾は、借金の額を尋ねる。そして、それを自分が肩代わりするから、家族になってほしい、自分と結婚してほしい、と頼む。驚く梨沙を見つめた健吾は…。
流れ星 TOPへ 各話視聴率へ
2010年秋ドラマ(10-12月)TOPへ
タグ:流れ星