概要
捜査一課が手に負えない特殊な事件を捜査するために公安部が設立した未詳事件特別対策係、通称“ミショウ”に配属されたIQ201の天才であり変人の当麻紗綾と、警視庁特殊部隊(SIT)出身で叩き上げの瀬文焚流の2人の捜査官が、常人にはない特殊能力(SPEC)を持った犯人と対決する姿を描く。金曜ドラマ枠では前クールの『うぬぼれ刑事』に続いての刑事ドラマである。
本作品は1999年に放送され、2000年に劇場版が公開された刑事ドラマ『ケイゾク』の世界観や一部の設定を踏襲しており、堤幸彦や西荻弓絵ら同作品の主要スタッフは、本作品にも携わっている。また、竜雷太や徳井優は『ケイゾク』でのものと同じ役名で出演している。『ケイゾク』の続編として捉えられることもあり、制作発表当初は仮タイトルとして、正式タイトルの前に「ケイゾク2」を冠していた。
随所に笑いのエッセンスはあるものの、基本的にはケイゾク同様にハードで謎に満ちた展開がメイン。初期はミステリー的な展開が多いが、物語の後半以降はSPECに関わる陰謀劇を中心に描かれる。なお最終話はエンディングの後で「ケイゾク」と同様映画化することを示唆する台詞で締めている。
『TRICK』シリーズなどと同様に、裏番組(主に『金曜ロードショー』)などの他局ネタや時事ネタ、出演者・制作スタッフ、舞台裏の事情にまつわる楽屋ネタなどのパロディ的な要素を多く含んだ小ネタを随所に織り込んでいるが、『ケイゾク』と同様にハードで謎に満ちた展開がメインとなっている。初期はミステリー的な展開が多いが、物語の後半以降はSPECに関わる陰謀劇を中心に描かれる。
連続ドラマの平均視聴率は10.5%であったが、有料配信やDVD売上は好調を記録し、ザテレビジョンドラマアカデミー賞で4部門を受賞するなど高い評価を得ており、これらを受けて2011年7月8日、続編となるスペシャルドラマ『SPEC〜翔〜』と、映画『劇場版 SPEC〜天〜』が制作されることが発表された。『SPEC〜翔〜』は初回放送直後で映画公開直前である4月4日にディレクターズ・カット版がDVDおよびブルーレイで発売され[4]、2012年東京ドラマアウォードの作品賞優秀賞(単発ドラマ)などを受賞した。『劇場版 SPEC〜天〜』は公開後2012年5月6日現在で動員165万9681人、7月16日時点の累計興収23.9億円を記録するヒット作となった。
さらに漫画化作品『SPEC〜零〜』[8][9]などのメディアミックスに加え、2013年10月23日に同作のスペシャルドラマ化、映画第2作の『劇場版 SPEC〜結〜』(げきじょうばん スペック クローズ)をもって本シリーズの完結が予定されている。『劇場版 SPEC〜結〜』は、『漸ノ篇』(ぜんのへん)・『爻ノ篇』(こうのへん)の2部作で連続公開される。
また、制作サイドとファンの間ではソーシャルメディアの積極的な活用があり、ゴールデンタイムの地上波ドラマとしては先進的な取り組みが評価された。
シリーズ
連続ドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』 - 2010年10月8日 - 12月17日放送(全10話)
スペシャルドラマ『SPEC〜翔〜/警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿』 - 2012年4月1日放送
映画『劇場版 SPEC〜結〜 漸ノ篇』 - 2013年11月1日公開予定、シリーズ完結篇の前篇
映画『劇場版 SPEC〜結〜 爻ノ篇』 - 同年11月29日、上記と連続公開予定、完結篇の後篇
プロデューサーの植田博樹によれば、シリーズとしては連続ドラマが「起」、スペシャルドラマ『SPEC〜翔〜』が「承」、『劇場版 SPEC〜天〜』が「転」と、起承転結の流れが考えられており、「結」も2012年3月時点では構想の段階でラストまで考えられていた。なお、『天』の最後に当麻が「『結』をやると思ったら大間違いだぞ!」と言ったり、瀬文が「『欠』でいいか?」と当麻に尋ねながら「欠」と書かれた紙を持っていたりしていることから、いかにも続編があることを示唆しており、2013年公開予定の「結」で実現することとなった。
放送
SPEC〜翔〜
2012年4月1日に放送のスペシャルドラマ。連続ドラマの最終話から1年後を描き、ドラマで残されたラストシーンの謎などを解き明かす内容となっている。未詳には新メンバーが就任し、でんでんが演じる市柳は映画『天』にも登場する。視聴率は10.7%。
ゲストキャラクター
吉川州(きっかわ しゅう) - 北村一輝
久遠望(くおん のぞみ) - 谷村美月
市柳賢蔵(いちやなぎ けんぞう) - でんでん
神戸明(かんべ あきら) - 宅間孝行
映画
東宝系で公開予定の日本映画。TBSのテレビドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』の劇場版であり、テレビシリーズの続編にあたる作品でもある。
概要
TBSの刑事ドラマ『ケイゾク』の主要スタッフが制作した、警視庁公安部に設立された不可解な事件を扱う未詳事件特別対策係(通称:未詳〈ミショウ〉)の捜査官・当麻紗綾と瀬文焚流の刑事コンビと「SPEC HOLDER」(スペックホルダー)と呼ばれる超能力者たちの戦いを描いた刑事ドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』の劇場版である。
2011年7月8日、結末で謎を残していた連続ドラマ版の真相が明かされるスペシャルドラマ『SPEC〜翔〜/警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿』の放送決定の発表と同時に本作の公開も発表された。映画化は番組のTwitterや公式サイトに続編を望む声を寄せられたために決定したと発表されたが、連続ドラマ版の最終回では、エンドロール後当麻が「映画化とかぜってーしねえから!」と逆説的に映画化を示唆する台詞を残していた。
物語としては2012年4月1日に放送される『SPEC〜翔〜』に続くものである。
ストーリー
特別捜査官の当麻と瀬文の元に「ミイラ死体殺人事件」のニュースがもたらされる。
キャスト
* 当麻 紗綾(トウマ サヤ) - 戸田恵梨香
* 瀬文 焚流(セブミ タケル) - 加瀬亮
* 志村 美鈴(シムラ ミレイ) - 福田沙紀
* 近藤 昭男(コンドウ アキオ) - 徳井優
* 海野 亮太(ウンノ リョウタ) - 安田顕
* 冷泉 俊明(レイセン トシアキ) - 田中哲司
* 地居 聖(チイ サトシ) - 城田優
* 馬場 香(ババ カオル) - 岡田浩暉
* 鹿浜 歩(シカハマ アユム) - 松澤一之
* 猪俣 宗次(イノマタ ソウジ) - 載寧龍二
* 正汽 雅(マサキ ミヤビ) - 有村架純
* 志村優作(シムラ ユウサク) - 伊藤毅
* 一 十一(ニノマエ ジュウイチ) - 神木隆之介
* 津田 助広(ツダ スケヒロ) - 椎名桔平
* 野々村 光太郎(ノノムラ コウタロウ) - 竜雷太
スタッフ
* 脚本 - 西荻弓絵
* 演出 - 堤幸彦、加藤新、今井夏木、金子文紀
* プロデュース - 植田博樹、今井夏木、赤羽智比呂(オフィスクレッシェンド)
* 音楽 - 渋谷慶一郎、ガブリエル・ロベルト
* 製作協力 - オフィスクレッシェンド
* 製作 - TBS
主題歌
* The Ricecookers
o 『NAMInoYUKUSAKI』/英語詞バージョン:(甲の回〜戊の回)
o 『波のゆくさき』/日本語詞バージョン :(己の回〜癸の回)
各話あらすじ(2010.10.8 - 2010.12.17)全10話 平均視聴率 10.51%
甲の回-第1話 2010年10月08日 「魔弾の射手!!」
乙の回-第2話 2010年10月15日「天の双眸」
丙の回-第3話 2010年10月22日「漂泊の憑依者」
丁の回-第4話 2010年10月29日「希死念慮の饗宴」
戊の回-第5話 2010年11月12日「堕天刑事」
己の回-第6話 2010年11月19日「病の処方箋」
庚の回-第7話 2010年11月26日「覚吾知真」
辛の回-第8話 2010年12月3日「魑魅魍魎」
壬の回-第9話 2010年12月10日「冥王降臨」
癸(起)の回-最終話 2010年12月17日「百年の孤独」
各話視聴率
SPEC〜警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係事件簿〜翔「ハリウッドも注目のあのドラマが完全新作で帰ってきた!全ての謎が今、明かされる」 2012年4月1日
SPEC 〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿 〜零〜 「この秋完結するSPECシリーズのエピソード零が完全新作で登場メチャ金かけました」2013年10月23日
両親(佐野元春、石田えり)と弟を飛行機事故で亡くした女子高校生・当麻(戸田)の元に、警視庁捜査1課2係の近藤(徳井優)がやって来た。近藤は「あなたの家族はスペックを持つ者たちに殺された可能性が高い」と話す。6年後、その話を片時も忘れなかった当麻は、迷わず刑事の道を選ぶ。そして、米連邦捜査局(FBI)研修を終え帰国した当麻は、公安部の未詳事件特別対策係への配属が決まり、係長・野々村(竜雷太)に出迎えられる。一方、世界征服をたくらむディアブロ(大杉漣)は、部下を殺害したスペックホルダーを処分するため、時間を止めるスペックを持つ少年ニノマエ(神木隆之介)の力を借りることに。同じ頃、捜査1課特殊犯捜査係(SIT)でずばぬけた身体能力を誇る瀬文(加瀬)は、銃撃戦で被弾した隊長・入山(高嶋政伸)に代わり、指揮を執ることになる。
番組公式サイト
(SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜 - Wikipedia)
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