その後、南熱海警察署に出勤した星崎のもとに、北島(栗山千明)が興奮気味に駆け寄ってきた。犬塚発見(少路勇介)が友人の古い機械マニアから 30年近く前に発売されたPXL2000というビデオカメラのことを教えてもらったというのだ。なんでもこのビデオカメラはビデオテープではなく、音楽用のカセットテープに録画するらしい。この機械にスクールバスの中にあったカセットテープを入れたら、何かしらの映像が観られるかもしれない!? 犬塚はさっそくオークションで機械を落とすことに。
そこへ、南熱海総合病院の医師・樫村茂(山崎一)から星崎に連絡が入った。東雲の脳に極めて小さい傷が見つかったというのだ。傷は高精度のレーザーメスによって故意に作られたもので、恐怖を伴った記憶を貯蔵する扁桃体にあるらしい。東雲が事件のことを記憶していないのは、意図的に作られたこの傷のせいかもしれない…。星崎はバス消失事件に巻き込まれた女生徒4人の共通点が“死後の世界を知っていること”だと推理する。死後の世界を知る要素として考えられるのは3つ。月代美波(佐倉絵麻)も絡んだ“宗教”、椹木みこ(山田彩)がひたすらノートに書き留めた数学という名の“科学”、そしてもうひとつが“体験”だ。おそらく萌黄泉(岡野真也)はこの“体験”をしている…。星崎は急いで東京にいる先輩・素子さんに電話し、萌黄の過去を調べることに。
やがて、萌黄が一度死んだ後、蘇生の研究をしていた東京医療大学の徳永研究室で手術を受け、息を吹き返していたことが判明。星崎はその研究室に所属していた天才的な脳外科医・風宮巧の行方を捜そうとする。というのも、この男は10年前に忽然と姿を消していたのだ。しかし、風宮を洗おうにも、研究室に入る前の過去もすべて偽物。手がかりはゼロに近かった…。
そんな中、東雲はまたひとつ記憶を取り戻していた。犯人は星に関係するはずだという東雲。しかし、その星が何を指すのかは不明だった。さらに、犬塚は『空と海と虹の会』の建物につながる電線のうち1本が南熱海市役所につながっていることを発見していた。 やがて、PXL2000の入手に成功した星崎らは、件のカセットテープを再生。なんとそこには教授の徳永研一郎(鳥木元博)によって蘇生実験を施される東雲の姿が映っていた!
さらに、ビデオの撮影者の手には星型の傷が…。東雲が言っていた“星”はこの傷のことに違いない。星崎はさらなる情報を掴むため、かつて徳永研究室にいた南熱海診療所の女医・萩尾さやか(KIKI)を訪問する。萩尾によれば、風宮が来て以降、研究室では徳永教授と風宮、萩尾の3人によって極秘で人間の蘇生が行われていたそうだ。その最初の被験者となったのが、当時7歳だった徳永の娘=東雲麻衣だった!
星崎はバス消失事件の犯人が風宮だと確信していた。あとは誰が風宮なのかを突き止めるだけだ。やがて星崎は数年前に撮影された風宮の写真を手に入れる。そこに写っていたのは…あの『空と海と虹の会』の代表・平坂歩(萩原聖人)だった!
そのころ、北島は平坂のもとにいた。そこでうっかりジュースをこぼして平坂の袖を汚してしまった北島は、彼の手首あたりに星型の傷があるのを目撃する。「あなただったのね。バスを消したのは?」――北島がそう言ったかと思うと、平坂は素早く台所へ移動。ブレーカーが落ちるように仕向け、部屋中を真っ暗にする。まもなく暗闇の中に鈍い発射音が鳴り響き、何かが刺さる音がした。発射されたのは麻酔銃の注射器。そして、刺さった先は…北島の胸元だった!
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