同じころ、YSコーポレーションの室内プールで練習していた廉のもとに、洸(松坂桃李)が現れる。洸は、強い運を持つという女性・神代麻衣子(南沢奈央)と一緒だった。自分の代わりに廉が代表選考会に出場することを知った洸は、手伝えることがあったら言ってほしい、と申し出る。
本社を後にした悠里は、秘書の新倉リカ(長澤まさみ)に、人の運気を上げる人間のタイプについて話し始める。悠里によれば、それは赤ちゃんなのだという。無邪気で、無防備で、自分の側で安心して眠っている赤ちゃんは、運気を与えていることに無頓着で、無尽蔵に与えてくれる存在だと言うのだ。そのとき、悠里の携帯電話にメールが入った。そのメールには、絵文字がひとつだけあった。それは「雨」の絵文字だった。
その夜、悠里は、別居中の夫・辰也(寺島進)とプライベートバーで会う。辰也も、廉の選考会出場を何とかして止めようとしていた。しかし悠里は、たとえ辰也の頼みでもそれだけはできない、と拒否した。すると辰也は、自分なりに覚悟を決めてきた、と言って悠里に離婚届を手渡す。
丈治は、会社の室内プールで泳いでいた。そこにやってきた晶(武井咲)は、親子の関係を剥がしてみればその人の志を冷静に見ることができる、と言うと、着ていた服を脱いだ。そして、自分のことを見てほしい、と丈治に頼む。「これが私よ。ママが生んでくれた、そのままの私。早乙女晶」。仕方なく晶に視線を戻した丈治は、そこで晶の思いを理解する。
あくる日、悠里は、リカを伴って買い物に出かける。悠里は、大量のブランド品を買い求めた後、高級レストランで食事をすると言い出す。そこでリカは、金メダルに対する悠里の強い思いは理解したいと思っていたが、今回の廉の件は、人として、母親として間違っていると言い放ち、これ以上悠里にはついていけない、と悠里に告げる。すると悠里は、リカの処遇に困っていたところだから、退社を申し出てくれてちょうど良かった、などと返す。悠里の冷たい言葉に耐えられなくなったリカは、席を立ち、泣きながら店を飛び出す。そのとき、悠里の携帯電話に絵文字がひとつだけ打たれているメールが入った。今度は「曇り」の絵文字だった。
その夜、丹羽聖子(エド・はるみ)のアパートを訪ねた丈治は、下着姿の聖子に迫られてしまう。丈治は、そういうつもりではなく、悠里のことを考えて、聖子と勝(水野真典)親子の力になったことを告げた。すると聖子は、悠里との関係を勘繰り、丈治をののしった。そんな聖子に、丈治は、悠里は母親としてどんなときも決してブレないが、聖子はそうじゃなかったから勝があんな風になったのではないか、と告げる。しかし聖子は、丈治の言葉を素直に聞くこともできず、二度と来るなと叫んで丈治を追い出してしまう。
悠里がYSコーポレーションの室内プールを訪れると、そこに晶の姿があった。廉の練習に付き合うつもりで来たのだという。ふたりが室内プールに入ると、廉が横たわるようにしてプールサイトに倒れていた。慌てて駆け寄り、廉に心臓マッサージと人工呼吸を施す悠里。しばらくして廉は、意識を取り戻し、ぼんやりと目を開けた。悠里は、そんな廉を抱きしめ、もう限界だと叫んで天を仰いだ。
選考会の朝、悠里は、修一(水上剣星)の墓参りをする。そこに丈治がやってきた。社長室に届いていた選考会のエントリーシートを見て、初めて悠里の考えを知った丈治は、悠里と一緒に手を合わせた。
選考会の観客席には、辰也やリカの姿があった。100m自由形の決勝直前、悠里の携帯電話にメールが届いた。絵文字のマークは「晴れ」だった。観客席に駆け込んできた麻衣子の手には、携帯電話が握られていた。
リカたちは、電光掲示板に、廉だけでなく洸の名前があることに気づく。そのとき、ストレッチをする選手たちの前を通ってやってきたのは洸だった。その姿を見た悠里や晶は涙を堪え切れなかった。「お前なんかの出る幕じゃない。すっ込んでろ」。廉の隣に立った洸はそう告げて…。
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