一方、廉が心臓の病を抱えていることを知る新倉リカ(長澤まさみ)は、悠里にそれを打ち明けるべきかどうか悩む。リカは、辰也に相談を持ちかけた。しかし辰也は、廉から口止めされていることもあって、自分の口からは言えないという。優柔不断な辰也の態度に業を煮やしたリカは、自分から悠里に話す、と辰也に告げる。
あくる日、悠里は、母・真理恵(倍賞美津子)のもとを訪れる。真理恵は、洸が事故を起こしてケガをしたことを受け、悠里に対して母親失格だと言うと、東京での個展が終わったら洸をパリに連れて帰る、と宣言していた。悠里は、そんな真理恵に、オリンピックは諦めても、洸は早乙女グループの後継者なのだから返して欲しいと頼む。しかし真理恵は、やりたくないことをやらせるという意味では一緒だ、と言って取り合わなかった。するとそこに惣一(夏八木勲)が現れ、真理恵には洸を連れ出す権利はない、と言い放つ。続けて惣一は、修一(水上剣星)が事故にあったときお前はどこにいたんだ、と真理恵を責めた。「そのときから…いや、ずっとそれ以前から、お前は私たちの家族じゃなかったんだ」。惣一は、真理恵にそう告げた。
同じころ、廉は、丈治の指導の下、厳しいトレーニングに取り組んでいた。丈治は、ブランクがあったにも関わらず、洸と同じ練習メニューをこなしてしまう廉に大きな可能性を感じていた。しかし廉は、シャワー室で胸を押さえて蹲ってしまう…。
あくる日、悠里は、丈治のマンションに立ち寄り、晶の朝食を用意してから出社する。そこにやってきたリカは、廉の病気のことを悠里に話そうとするが、結局何も言えずにいた。
丈治は、丹羽聖子(エド・はるみ)と勝(水野真典)親子を訪ねた。勝は、すっかり丈治のことが気に行ったようすで、普段からメールのやり取りもしているのだという。勝は、丈治のような人が父親だったらいいな、と聖子に話した。実は聖子も、丈治のことを意識しているようだった。
YSコーポレーションの室内プールにやってきた辰也は、練習中の廉に声をかけた。廉のことが心配だったのだ。そんな辰也に、廉は、早乙女のため、母さんのためなら、万が一何かがあっても本望だと告げた。辰也は、次男だから消えても問題ない、と軽く言ってみせる廉を不意に抱きしめ、二度とそんなことは言うんじゃない、と釘を刺した。ロッカー室の外には、ふたりの会話をそっと聞いている悠里の姿があった。
その夜、丈治のマンションにリカがやってくる。そこでリカは、廉の病気のことを涙ながらに丈治に訴えた。丈治は、廉の診断をした陸連のドクターから話を聞いて、事実なら自分から悠里に話す、とリカに約束する。その話を偶然聞いてしまった晶は、大きなショックを受けていた。
あくる朝、悠里は、パリに戻る真理恵の見送りに行く。別れ際、悠里は、自分の中には真理恵から教わった言葉が生きているし、それは子どもたちにもバトンされている、と告げる。「いまの、これからの早乙女には、そこに確かにママも存在しているのよ」。真理恵は、そんな悠里の言葉を受け止め、パリに戻った。
悠里が社長室に戻ると、丈治とリカが待っていた。丈治は、陸連のドクターによる廉の診断書を悠里に手渡す。すると悠里は、廉の病気のことは知っていた、と言い出す。それでも廉は、自らの意思で戦うことを選んだ、というのだ。悠里は、廉のトレーニングを中止すると主張した丈治に対して、作成した練習メニューを渡すよう命じ…。
夜、プライベートバーで辰也に会った丈治は、悠里が廉の病気を知っていたことを打ち明ける。丈治は、もはや辰也にしか悠里を止めることはできないと考えていた。
洸は、神代麻衣子(南沢奈央)と一緒に花火を見ていた。「母さんは、僕に失望したんだ…」。洸の目から涙がこぼれた。
廉は、リカと一緒に花火を見ていた。廉は、リカから、悠里が病気のことを知っていたと教えられた。「それでも、母さんを信じている…」。廉の目から涙がこぼれた。
悠里は、丈治のマンションから、晶と一緒に花火を見ていた。「私はいま、大きな賭けをしているの」。悠里は、晶の手を握りながらそう告げた。失敗したらきっと家族はバラバラになる――悠里の言葉に、晶の目から涙がこぼれ…。
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