一方、晶(武井咲)は、宇津木洋介(綾野剛)が何も言わずに姿を消してしまったことに大きなショックを受けていた。宇津木は、すでにマンションを引っ越し、携帯電話にも出なかった。YSコーポレーションの社長室にやってきた晶は、悠里が宇津木に金を渡したことを察し、非難した。蓮見丈治(反町隆史)は、そんな晶に、悠里を恨むのは筋違いだ、と言い放つ。宇津木の方が、晶とは別れない、金は受け取らないと言えばそれ以上はどうにもならない話だ、と丈治は言うのだ。続けて丈治は、宇津木は最初からそのつもりだった、と晶に告げた。晶は、涙をこらえながら、絶対に信じない、と言い残して社長室を飛び出す。
あくる日、悠里は、主婦たちを相手に講演会を行う。そこで悠里は、自分だけでなく、相手の痛みを学習するために、兄弟がいることの大切さを説いた。そして悠里は、母親が一番やってはいけないこととして、依怙贔屓を挙げた。ただし、家庭内に危機が訪れたとき、たった一度だけはこの依怙贔屓が母親の武器になる、と付け加えた。
そのころ丈治は、丹羽聖子(エド・はるみ)のアパートを訪れていた。丈治は、息子のことで悩んでいるなら一度会いに行ってもいい、と聖子に約束していたのだ。聖子の息子・丹羽勝(水野真典)に会った丈治は、彼を挑発した。勝は、ナイフを取り出して丈治を威かくしたが、あっという間にナイフを奪われ、逆に殴られてしまい…。
そんな折、思わぬ事件が起きる。長男の洸(松坂桃李)が、バイクにはねられたのだ。知らせを受けた悠里や辰也(寺島進)は、洸が収容された病院に駆けつけた。すると病室には、真理恵の姿があった。洸が連絡したのだ。そこで悠里は、今回の事故は、洸が自らバイクに飛び込んで起きたものだと知り、大きなショックを受ける。
悠里は、丈治に連絡を取ろうとしたが、彼は電話にでなかった。そこに、沙織(佐藤めぐみ)と麻衣子(南沢奈央)の神代姉妹がやってくる。事故の直前まで、洸は沙織と電話で話していたのだという。ところが、沙織の姿を見た洸は、「君のせいだ!」と叫び、ひどく取り乱す。
勝と心を通わせることに成功した丈治は、悠里からの連絡に気づき、彼女のもとへと駆けつける。悠里は、洸が自分ではなく真理恵に連絡をとったことや、彼が精神的なショックを受けていることに動揺を隠せない。悠里は、無理に明るく振る舞うと、洸にはつかの間の休息が必要だっただけで、必ず期待に応えてくれる、と自分に言い聞かせていた。
同じころ、晶は、宇津木の行方を捜していた。晶は、彼の居場所を知っている、という男の言葉を信じ、その男の部屋を訪れる。そこで男に襲われそうになった晶は、必死に抵抗し、何とか危機を逃れていた。「愛してる…」。裂かれたシャツを手で押さえながら夜の街を彷徨っていた晶は、何度もそうつぶやいた。
あくる日、悠里とリカは、昨夜、無断外泊した晶が、室内プールにいることに気づく。水着姿の晶は、やってきた悠里の目の前で、胸元を覆っていたバスタオルを落とした。その左胸には、宇津木と同じような蝶のタトゥーがあった。それを見た悠里は、こみ上げる怒りにまかせて晶を何度も殴りつけ…。
洸がいつの間にか退院したことを知った悠里は、真理恵を訪ね、彼の居場所を訪ねた。洸は、真理恵のホテルにいるという。明日にでもリハビリを始めないと選考会に間に合わない、という悠里に、真理恵は、修一と同じように洸が死んでも構わないのか、と言い放つ。真理恵は、東京での個展が終わったら、洸をパリに連れて行くと悠里に告げる。「あなたは失格なのよ。母親失格なの」。真理恵の言葉が悠里の胸に突き刺さった。
その夜、たったひとりになった悠里は、幼いころの洸たちのビデオを見ていた。泣きじゃくる幼い晶、運動会で転んでしまい泣きながら走る廉、水泳大会で1位になった洸…。悠里の目から涙が溢れた。
あくる日、出社した悠里は、社長室が風船だらけになっていることに驚く。リカが、悠里を元気づけようと、徹夜で準備したものだった。「ストレス発散しませんか? 私の努力を速攻、台無しにしてください」。悠里は、そんなリカの気持ちを受け止め、競い合うようにして風船を割ってはしゃいだ。もう一度、ゼロから始めるために――。
廉のもとを訪ねた悠里は、「私には、もう、あなたしかいないの」と告げた。悠里の思いを知った廉は、そう言われるのを待っていた、と答え、悠里とともに早乙女家に戻り…。
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