そんな折、根津健太(山中崇)という男性の遺体が発見された。根津は、後頭部を強打され死亡したが、現金が奪われていたため、宮城あすか(杏)は、通り魔の可能性を示唆する。一方の伊達は、根津のズボンのポケットの裏地が出ていることが気になる――と、同じタイミングで、ポケットから何かが抜き取られた形跡があると指摘する者がいた。伊達とコンビを組むことになった港北西署刑事課の日向光明(忍成修吾)だった。
翌日、伊達は日向と根津の妻・美代子(尾野真千子)から事情を聞く。美代子は、根津には仕事以外に悩みはなかったと証言。しかし、日向が食い下がると、根津の弟・忠士(遠藤要)が頻繁に金の無心をしてきていたことに頭を悩ませていたと明かす。そんな美代子に日向は、忠士が犯人なら殺してやりたいか、と尋ねる。警察官としてあるまじき質問に、伊達は日向をとがめるが、美代子は「殺してやりたい」と答える。
同じ頃、あすかは日向の同僚の刑事・吉住武徳(飯田基祐)と、健太の上司・江原(水野智則)を訪ねる。江原は、数日前、健太の留守に忠士が鉄パイプを持って会社に現れ、騒動になっていたことを明かす。
そんな折、根津の殺害現場付近で鉄パイプが見つかり、忠士が取り調べられることに。鉄パイプに忠士の指紋があったことが証拠となり、来栖淳之介(平山浩行)らは忠士を自白させようとするが、伊達は忠士の犯行ではないと言う。忠士には4日前に手のひらに負った大きな切り傷があったのだ。健太が殺害されたのは2日前だから、忠士が犯人ならば、鉄パイプの指紋にも傷跡があるはずだ。つまり、鉄パイプの指紋は、健太の殺害前、会社に乗り込んだときについたものだろう、と伊達は推測したのだ。
翌日、伊達は日向とともに江原を訪ね、健太を殺したのは江原だろうと切り出す。健太のパソコン内に、江原が行っていた不正を暴こうとしていたメールがあったのだ。健太は証拠のデータをUSBメモリに入れ携帯していたため、それを奪おうとした江原に殺されたのだろうと伊達は言う。さらに、健太の爪の間に、犯人のものと思われる皮膚が残っていたこと、現在、江原のDNAとの照合を行っていることを明かすと、また来ると言って席を立った。江原に自首する猶予を与えた伊達を、日向は「ぬるい」と揶揄する。
そんな頃、井筒将明(鹿賀丈史)は、片桐冴子(りょう)を呼びだすと、5年前に起こった宮城夏樹(丸山智己)殺害事件から手を引くように言う。これ以上追うと、冴子の身に危険が及ぶと警告する井筒に食い下がる冴子。すると井筒は、夏樹は自分が殺した、と衝撃の告白をした。
その日の夜、とある駐車場で、江原が銃殺され、遺体の上に「悪人に制裁を」と書かれたカードが残された。実は、犯行に及んでいたのは、日向だったのだ。現場に駆け付けた来栖らは、"神隠し"か、と気色ばむが、伊達と久遠は日向の仕業だと感づいていた。しかし、日向にはアリバイがあった。江原が殺害された時刻、日向は健太宅で美代子と話していたと言い、防犯カメラの映像と美代子の証言もそれを裏付けた。それでも久遠は、非常口から出入りすれば犯行に及べるし、美代子がグルである可能性も否定できない、と推測。伊達は、美代子に話を聞きに行く。
伊達の訪問を受けた美代子は、日向のアリバイを裏付ける証言を繰り返すだけだった。アリバイ工作に加担すれば、美代子自身も罪に問われるのだ、と言う伊達に、美代子は涙ながらに自分の証言を認めてくれればいいじゃないか、と訴える。美代子は、伊達の推測が真実なら自分はいけないことをしているが、それでも、心のどこかが清々しているのも事実だと心の内を吐露。伊達は、それ以上言葉を発することはできなかった。
その日の夜、三上国治(大杉漣)のバーに立ち寄った伊達は、自分たちが行っている制裁行為の是非について思いを巡らせていた。
翌日、久遠は日向を呼び止め、江原に共犯者がいたと明かす。そして、その男とコンタクトしたところ、保護を求めてきたため、伊達にその男がいる第九倉庫に行くように伝えてくれ、と頼む。
その後、倉庫にやってきたのは日向ひとりだった。暗い倉庫のなか、自首するから、警察署に連れて行ってくれ、と男の声がした。ところが、日向は保護するどころか男に向け、銃を撃ち続けた。と、人影が音を立てて倒れた――次の瞬間、電気が点いた。人影はマネキンで、後ろを振り向くと、日向に麻酔銃を向けて立つ伊達の姿が、その近くには久遠の姿もあった。
江原に共犯者がいたというのは、日向の正体を暴くため、伊達と久遠がうった芝居だったのだ。
伊達に対峙した日向は、伊達も自分も、遺族を助けるために法を無視して人を裁く同じ仲間だ、と言うが、伊達は「お前と一緒にするな」と声を荒げる。それでも、自分たちは救世主だ、と続ける日向に、お前は人を殺したいだけで、お前のやっていることはただのエゴだ、と伊達は反論。そんな伊達に日向は、それならば伊達のやっていることはエゴではなく正義なのか、と問う。伊達の心が一瞬揺れたのを、日向は見逃さなかった。と、次の瞬間、何者かが伊達を背後から殴打、伊達は倒れてしまう。すると、日向が「遅かったね。兄さん」とその男に声をかける。それは、吉住だった。吉住から銃を受け取った日向は、「救世主はひとりでいい」というと、伊達に銃口を向けた。
その頃、久遠は吉住に襲われ倒れていた――と、銃声が響き……。
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