一方、『週刊秘宝』では国民的歴史小説家・大河内利光(山下真司)の連載を始めることが決定していた。ある日、正宗とともに『週刊秘宝』を出版している文暁社の本社を訪れた絵里子は、偶然にも大河内と鉢合わせになる。しかし、大河内のことなどまったく知らない絵里子は、『週刊秘宝』で小説の連載を始める作家だと聞いて、エロ小説家と勘違い。大河内の気分を害してしまう。
大河内ほどの大物が、三流誌である『週刊秘宝』で執筆するのは、普通はあり得ない話なのだが、編集長の梅本(大杉漣)がかつて新人時代の大河内の担当編集をしていた縁で、実現したのだという。鴨田(塚地武雅)によれば、大河内は新人時代に自分を厳しくしごいた梅本に現在の力を見せつけ、復讐したがっているらしい。さらに、大河内には「新人潰しをする」など、普段から良からぬ噂が多々あるという。
そんな中、絵里子は突然、梅本から『恨メシ屋』連載の打ち切りを告げられる。なんと、大河内が絵里子と同じ雑誌で連載するのはイヤだと言い出したのだ。先日のエレベーターでの一件が、大河内を怒らせてしまったらしい。納得のいかない絵里子は、大河内の自宅へと押しかけるが、門前払いを食らってしまう。
困った絵里子は、鴨田と正宗のアドバイスを受け、大河内にファンレターを書くことに。受け取った大河内はまんざらでもない様子でその手紙を読んでいたが、余白に描かれていた下手くそな似顔絵に大激怒。絵里子をますます嫌悪するように。
一方、絵里子に冷たく連載打ち切りを告げた梅本だったが、ひとりで大河内のもとを訪れ、連載を続けさせて欲しいと頭を下げる。嫌味を言う大河内に、梅本は絵里子が昔の大河内に似ていると言い放つ。
その頃、絵里子は葉子(佐藤江梨子)の別居中の夫・康男(石井正則)が、5年前に応募した新人小説コンクールで大河内に酷評され、そのことが原因で小説家を目指すのをやめ、家を出て行ってしまったことを知る。大河内が自分の連載を打ち切りにしただけでなく、康男の小説家としての将来を潰したことに激怒した絵里子は、そのまま大河内の道場へと向かう。
連載再開をかけて勝負を申し出る絵里子。そして、絵里子が勝ったら連載再開、大河内が勝ったら絵里子は出版業界から追放されるという条件を賭け、二人は一週間後に剣道で勝負することに。とはいえ、もちろん剣道などやったことのない絵里子。昔少しだけ剣道をやっていたという鴨田の指導を受けながら、絵里子は必死に練習を重ねる。
一週間後の試合当日。有段者である大河内は面を装着せず、試合時間10分の間に大河内に一本でも技を決めることができれば勝ちというハンデをもらった絵里子だったが、まったく歯が立たない。しまいには、自分の面も外して大河内に向かっていくが、体当たりされ、派手に倒れてしまう。母の光代(渡辺えり)や正宗らはそんな絵里子を見ていられず、試合を中止するように言うが、絵里子は自分がどれだけこの連載に賭けているかを熱く語り、再び大河内へと向かっていく。そのとき、大河内の脳裏には、かつて日本一の小説家を目指し、貧乏ながらも必死に頑張っていた自分の姿が浮かんでいた……。
結局、絵里子は大河内から一本も取ることができず、試合は終了した。翌日、落ち込んだ様子で荷物を片づける絵里子に、梅本が『恨メシ屋』の連載再開を告げる。さらに、大河内の指名で、新連載の小説の挿絵も描くことになり、大喜びの絵里子。
その帰り道、絵里子は葉子と康男が仲直りしている現場に遭遇する。絵里子の試合を見た康男は、自分ももう一度小説を書くことを決意したのだ。タケル(濱田龍臣)も加わり、笑顔溢れる親子3人の姿に、絵里子も笑顔になる。
数週間後、氷室(田中要次)にそそのかされた正宗が自分の気持ちを絵里子に伝えようとした矢先、『恨メシ屋』と大河内の新連載『遥かなる女剣士』が掲載された号の読者アンケート結果が出た。なんと『恨メシ屋』は『遥かなる女剣士』に次いで2位となっていた。さらに、『遥かなる女剣士』の挿絵がよかったという読者からのハガキも届き、大張りきりの絵里子で……。
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